ゲームをプレイする際、そのゲームに登場するキャラクターは、漫画やアニメと違って自分の手で操作することができます。自分でデザインしたキャラクターを画面の中で実際に動かすことができる、というのは、他の仕事にはない大きなやりがいでもあります。

では、ゲームイラストやゲームキャラクターをデザインする際の工程やコツにはどのようなものがあるのでしょうか。他の仕事にはない独特な要素も多いので、頑張って学んでいくことが大切です。

 

ゲームのキャラクターデザインに必要なツール

必要なツール
デジハリ・オンラインスクールでは、ゲームキャラクターデザインの学習において以下のツールを推奨しています。

・ペンタブレット

・CLIP STUDIO PAINT

ペンタブレットは一般的なゲーム開発会社で広く用いられています。CLIP STUDIO PAINTは、多くの会社で使われているPhotoshopのpsd形式やその他ゲーム開発に必要なさまざまなファイル形式に対応しています。

以上の2つのソフトは、個人でも比較的手の届きやすい価格帯です。そのため、勉強を進めやすいという意味でもおすすめすることができます。

 

 

キャラクターデザインの注意点

ゲームのキャラクターをデザインする際は、他の仕事にはない独特の注意点があります。

ゲーム開発には数多くの人が参加し、1つのゲームを作り上げます。グラフィックが主な表現要素となるゲームであっても、デザイナーだけで作るものではありません。

このため、漫画やイラストのように、作家性の強さを押し出すよりも、ゲームシステムに見合ったデザインにすることが大切となります。ゲームを無視したデザインを行うとリテイクが多くなったりプログラマーの手間が増えたりなど悪目立ちすることが多くなります。

例えば、有名な任天堂のマリオはキャラクターが向いている方向を認識しやすくするため、鼻を大きく描いたという経緯があります。別の例では、長い髪の毛をゲーム内で動かす手間を省くために髪形を変更したキャラもいます。どのようなゲームに、どのように使われるのかと言った要件を確認してデザインに入りましょう。

 

キャラクターデザインの制作工程とコツ

制作工程とコツ
キャラクターデザインの制作工程は主に5つあります。順に見ていきながら、各工程をこなすためのコツを簡単にご紹介します。

 

指示書の確認または作成

まずは、どのようなキャラクターをデザインすればいいか、という指示書を作成します。

実務では、プロデューサーやディレクターが作った指示書がデザイナーに渡されます。学習の上では、自分で指示書を作るか、学校から渡されることが多いでしょう。

基本的にはキャラクターの設定、プロフィールなどがテキストで書かれており、参考になる画像が添付されていることもあります。

指示書を読み込み、キャラクターのイメージをしっかり固めてから次の工程に行くのがコツです。わからないところがあったら指示書を作った人に質問しましょう。

指示書をもらった後、自分が理解するために別途指示書を作っても良いでしょう。

 

ラフ制作

指示書から得たイメージを元にラフを切ります。実務ではラフの段階で発注主に見せ、リテイクをもらって修正を繰り返していきます。そのため、ラフでも他人にキャラクター性が伝わるレベルまで描かなければなりません。

ラフを切るときは棒立ちのポーズではなく、キャラクターに適したポーズを取らせると相手に伝わりやすくなります。表情集のカットもあるとなお良いでしょう。

 

線画制作

ラフにOKが出たら、余分な線を落として1本のきれいな線にした「線画」を作ります。ラフのときに見えづらかった微調整もここで行われます。

線画では、ラフでごちゃごちゃ描いてしまった部分のごまかしが利かなくなり、すっきりした絵になります。デザイナーによっては空いたスペースに何か描きこみたくなるようですが、グッと我慢して、むしろ空間を生かすように心がけましょう。

しっかりと線をつなげて描き、線の欠けやハミ出しがないようにしましょう。

 

着色

キャラクターのイメージに合わせた配色を行い、線画に色を塗っていきます。ベースになる色から塗っていきますが、このときに適切にレイヤー分けして塗るのがコツです。塗り残しやハミ出しは、この段階で直すと後が楽になります。

ベースを塗ったら、影やハイライトなどを入れていきましょう。

 

仕上げ

塗り終えたデザイン画を見て、全体的なバランスを整えたり色の微調整をしたりします。

他のキャラクターと並べて、比べながら調整すると、ゲームにしたときに1キャラだけ浮いてしまうといった事態を防げます。

 

 

プロの手法を学ぶには?

大まかな制作の流れがわかったら、プロイラストレーターの制作過程を動画で学ぶオンライン講座等でさらに理解を深めることもおすすめです。

例えば、デジハリ・オンラインスクールの「イラストマスター講座 online」は、ソーシャルゲームのイラストをクラウド制作・提供するベンチャー企業、MUGENUPが全面バックアップ。技術を学ぶだけではなく、カリキュラムの中にイラストレーターを育成するプログラムもあり、アルバイトとして実務経験を積むことができます。

 

これまでにも、イラスト制作を仕事や趣味として描きたい社会人の方から、学生の方まで、幅広い層の方々が本講座を受講されています。

 

 

まとめ

ゲームのキャラクターデザインは、制作に必要なツールが比較的お手頃な価格で入手できますので、学生の方だけでなく、「社会人だけどこれから勉強していきたい」という方にも取り掛かりやすくなっています。制作の工程は指示書の確認、ラフの制作、線画の制作、着色、仕上げまで多岐にわたりますが、オンライン講座を通して自宅で手軽に学習できるので、ぜひ活用してみてください。