特集記事

東京に住んでいてもオンラインを選ぶ理由

2014年10月3日、都内の大泉桜高等学校「キャリアガイダンスⅡ」の授業にて、デジハリ・オンラインスクールで講師を務める久保田涼子氏がゲスト講師として登場しました。これから将来を考える高校生のために、プロのWebデザイナーとして熱いメッセージをお届けしました!その様子をレポートにまとめましたので、ぜひ皆さんも参考にしてみてください。

Web業界って、こんなところ!

イメージ画像

こんにちは。久保田涼子と申します。
フリーランスのWebデザイナーですが、その他にもさまざまな仕事を行っています。シンガーソングライターや、世界中を回る旅人でもあります。

Web制作実績はたくさんあります。企業、病院、歯医者…。消しゴムはんこ作家や、池袋のトルコ料理屋など、いろいろなWebサイトを制作しています。興味があればぜひ、「久保田涼子」で検索してみてください!

それでは、Web業界について簡単にご紹介します。

Web自体は、1991年にWorld Wide Webがインターネット上で利用可能なサービスとしてスタートしたことをきっかけに、世の中に広がりました。まだ開始して23年なので、比較的若い業界です。平均年齢は、31歳~35歳。当時20代でWebを始めた人の多くが、今では30代となっています。私の友達でも、30代のWebデザイナーが多いです。

働き方については、会社に勤める方が69.1%、個人事業主が30.9%。パソコンとインターネットがあれば、 場所を問わずに仕事ができるため、フリーランスなどの個人事業主が多いことが特徴です。

また、高校生の皆さんにはイメージが沸きづらいかもしれませんが、平均年収は、2013年の場合435.8万円です。 すごく高いというわけではありませんが、一つ確かなことは、Web業界は今後なくなることはありません。 コンピューターの発達によって、たとえば機械的に同じ作業の繰り返しをする仕事は、なくなる可能性があります。 でもWebはなくならないので、安定している業界と言えます。仕事が増えるかはわかりませんが、減ることはないでしょう。

「授業についていけない!」という落とし穴

イメージ画像

さて、皆さんが普段目にしているWebサイトは、どのように作られているか想像がつきますか? Web制作というと、やっぱりデザイン!というイメージがあるかもしれませんが、実はそれは全体の仕事の中のごく一部なのです。

 

Web制作は、まず初めにクライアントへの「ヒアリング」を行います。どんなことをしたいのかニーズを聞き出します。 その後、同業者のサイトなどを調べ、どのようなサイトにすべきか「調査・分析」を行います。

それから「サイト設計」をし、どういうコンテンツを載せるのか決めます。

そして、各コンテンツの中に何を入れるのか 具体的な「画面情報設計」を行います。この作業が、Web制作の過程で最も大事です。 情報設計がだめだとデザインが崩れるので、実はここが一番コアの部分となります。

その後「デザイン」、そして「コーディング」を行います。 Webサイトはデザインに見えますが、実はHTMLという文字列で構成されています。 例えばこのボタンを押すとどうなるか、一つ一つ文字列で指定されています。最後に「プログラミング」を行い、更新しやすいシステムなどを構築します。 そして最終確認を行い、Webサイトが完成します。

オンライン学習の課題

イメージ画像

これだけの制作フローに、どれだけの人が関わっているのでしょうか?Web制作には、デザイナーだけでなく、色々な仕事を行う人が関わっています。

まずサイトの設計は、「UI/UXデザイナー」という担当者が画面の情報設計をしていきます。(※ディレクターの場合もあります)。その後、「デザイナー」が色やデザインなどで設計図に上乗せ、「マークアップエンジニア」がデザインをコーディングしていきます。 さらに「プログラマー」がシステムのプログラミングを行います。

実際の制作作業だけでなく、進行管理を担う人もいます。全体をまとめる「プロデューサー」、どういうサイトが必要なのかをヒアリングし企画する「プランナー」、進行状況を管理する「ディレクター」「アシスタントディレクター」もいます。

私はフリーランスなので、一人で社長もやるし、営業、ヒアリング、プログラミングも自分でやります。 フリーランス全員がそうではありませんが、私のように全部やる人もいます。 このように、Webと一言でいっても肩書きは様々です。

東京に住んでいても「オンライン」を選ぶわけ

イメージ画像

Web業界では、半年間勉強するだけで仕事を獲得できる人もいます。 半年間まじめにやれば初心者からでもプロデビューできるので、どこの業界からも入りやすいです。たとえば昔は アパレルで服を卸していた人が、服を売るサイトを立ち上げる…などという転換も多くあります。

私も、Webの世界に入って10年目ですが、最初は未経験でした。大学卒業してすぐ学校に通い、Web制作会社で5年間勤めました。そこではHTMLを書く「マークアップエンジニア」をやって、 後にフリーランスになりました。


では、なぜ私はWebデザイナーになったのか?ランキング形式で発表します。

第4位は、「Webデザイナーという響きがかっこよかったから」。単純な理由です。

第3位は、「自分自身の広告宣伝に役立つと思ったから」。私にとっては音楽ですが、何かをやりたい人にとって広告は大事です。しっかりしたWebを作れるスキルも大事ですし、実はWebデザインでは紙のデザインも勉強するので役立つと思いました。

第2位は、「自分にしかできないこと、手に職を身につけたかったから」。唯一無二の何か人と違うことをやりたいという思いが強くありました。

第1位は、「PCとネットがあれば、いつでもどこでも仕事ができる自由があるから」。なんといってもこれです。同じWebデザイナーの友人を見てもそうなのですが、「生活に縛りがない生き方を選択する人」が多いです。フリーランスになると、毎朝同じ場所に行かなくても、タスクをこなせば認められます。自由でいいな、と思って選んだのが、最大の理由です。

「授業についていけない!」という落とし穴

イメージ画像

Webデザイナーをやっていてよかったこと、たくさんあります。 まずはやはり、自分で作ろうと思ったものを作れることは嬉しいことです。 そして、いろんな業界の人と仕事をするので、人脈がすごく広がりました

Webデザイナーは、色々な業界に顔を出して、取材したものをまとめるような仕事です。 このまえ、夜中に突然眼精疲労からくる頭痛になった時、「あ、そういえば出張マッサージのWebサイトを作ったな!」と思い出して、 その人を呼んで助けてもらいました。色々な職業の人と仲良くなって、最終的には、「久保田商店街」を作るのが私の夢でもあります(笑)


また、私はフリーランスなので、時間の使い方も自由なこともよかったです。女性は頑張れば、育児をしながら仕事をすることもできます。 子どもを産んで、二日後に仕事をしていたという友だちもいました(笑)


他にも、洋服のセンスが磨かれたり、おしゃれになれたことがよかったです。何気に見ているレストランのメニューや、 電車の中吊り広告なども、自分がデザインに携わっていると、こういう文字や色味でできているんだなと分かります。 美的センスや感性が磨かれます

あと、常に新しい技術が入ってくるので、仕事に飽きません。この中に、熱しやすく冷めやすい人はいますか? そういう人がいたら、実はすごく向いています!数年周期でWebのトレンドは変わるので、常に新しいものを追っかける 好奇心旺盛な人に合っているのです。

 

逆に大変だったことは、体調管理です。パソコンにずっと向かっているので、肩や目が疲れます。 Webデザイナーの友人の中には、ジムに通うなどしてしっかり体調管理をしている方もいましたが、私はうまく管理できず、駆け出しの時はよく体調を崩しました。

 

また、常に新しい技術を追いかけなくてはならないことは、一方で大変でもあります。Web業界は 3年もたつと技術も流行も違って当たり前なので、少し休職して戻ってくるのは大変だと思います。

 

そして最後に、人と話すことに積極性を持たなければならない点。パソコンを触る仕事をしている人の中には、うつ病やコミュニケーション障害に なってしまう人もいます。パソコン作業だけになり人と話さなくなってしまうと心が内側に向きやすくなるので気をつけましょう。

「授業についていけない!」という落とし穴

イメージ画像

Webデザイナーになるには、最低限の「Web制作スキル」が必要です。またソフトの使い方や、先ほど話したような制作フローは知っておいたほうがいいでしょう。統計によると、Webデザイナーになる人は独学で学ぶ人も多いそうです。自分で勉強するのもよいし、私のようにWebデザイナーを養成する学校に通うのもよいと思います。

 

その他には、最低限の「制作物」が必要です。モノが命の仕事なので、いくら知識があっても、 自分で頑張って作ったものがないとだめなのです。


また「色彩センス」も求められます。これは磨けばどうにかなるもの。 引出しを増やしていき、コツがわかれば少しづつ感覚が養われていきます。

 

そして、大事なのが「コミュニケーション能力」です。 人対人の仕事なので 人が必要としているものを理解する力が求められます。 会社内でのコミュニケーションとともに、クライアントの話を聞くヒアリング力が大切です。

 

あとは、「柔軟な対応ができる人柄」が重要です。Web制作は、もう少しで完成!というときに どんでんがえしがあったりするものです。どの業界でもそうですが、柔軟な対応ができるとよりよい仕事ができるでしょう。


パソコン作業ですが人と接する仕事なので、「スキル」と「人柄」両方を磨くと Webデザイナーに近づくのだと思います。

オンライン学習の課題

イメージ画像

私は学生時代から、ずっと音楽をやってきました。でも、なかなか思い描いている未来予想図に近づくことができず、 紆余曲折して、ここまで歩いてきました。

 

ただ、一つ言えることは、32歳になって、いま私は一番やりたいことができています。 音楽という、これをやりたい!というものが忘れずにあったので、回り道も、最終的には全部音楽に還ってきました。レストランのバイトは、人前で話すときのスキルにつながりました。イベントのバイトは、ライブ構成を組み立てる参考になりました。音楽の世界の中でも「Webデザイナーとしてしっかり仕事をしている」と認識されることで、普通なら出会えない人と一緒にモノづくりができるようになりました。


自分にとっての武器を持つことがすごく大事です。 私は紆余曲折してやってきましたが、すべてが人間力につながりました。 嫌なこともありますが、好きなことをやってわくわくする気持ちを忘れずに人間力を磨いていくと、ふと振り返ったときに、なりたい人になれるのだと思います。 実際、私がなっているから。

今、自分がやりたかったことができていると感じているので、今日は皆さんにこの言葉をお伝えしたいと思います。何より、続けることです。時期があいてもいいので、好きなことをずっと続けること。 毎日じゃなくても、最後までやった人が勝ちます。

覚悟や、やる気を持っている人が成功します。頑張っていると、必ず誰かが見ています。 その時に、人と比べたらだめです。隣の芝生は青く見えるもの。30代で花開く人もいますし、人それぞれタイミングがあります。あせらずに、自分なりの人間力を磨くことに集中してください。応援しています!

(2014年10月3日 大泉桜高等学校「キャリアガイダンス」講義書きおこし)




いかがでしたでしょうか?Webデザイナーについてイメージするのにお役立ていただければ何よりです。久保田さんのようになりたい!という方は、初心者でもプロを目指せるデジハリ・オンラインスクールの「Webデザイナー講座」も、ぜひご検討いただければ幸いです。 コース一覧はこちらをご参照ください。