デザイナーという職業は、常に新しいものを生み出し続けることが仕事です。
それは、新しいアイデアであったり、デザインであったり、レイアウトであったりと、時代やクライアント様からの要望によって都度変わってきます。
デザイナーも人間なので、時には全くアイデアが浮かばなかったりデザインの発想が出てこなかったりということも十分ありえます。
プロはそのようなとき、どのようなアイデアの出し方を実践しているのでしょうか?
街中のデザインから新しい発想のきっかけ
最もシンプルな解決策は、とにかく外に出ることです。アイデアが完全に煮詰まった状態で、オフィスやデスクの前で悶々と悩んでいても何も解決には繋がりません。
外に一歩でも出れば、気分転換になるだけでなく街中に溢れるたくさんの情報が目の前に飛び込んできます。それは、標識の文字やデザインであったり、お店の看板のデザインであったりとさまざまです。
普段は何気なく目にしている光景であっても、アイデアスランプの状態で見ると思いがけない発想のきっかけになったりします。
単純に、外の空気を吸って背伸びをするだけでもリラックスできるので、損をすることはないといえるかもしれません。
ストックされたデザインから新しい作品へ
業務以外の日常生活の至るところで出会う「完成されたデザイン」を可能な限りストックしておくという方法もおすすめです。
例えば、自宅のポストの中に入っている沢山のチラシや広告が身近にあります。これらの広告の中から、自分自身がデザイナーとして「後々に参考にできるかもしれない!」と思えるものを綺麗に保管しておくのです。
ポストに投稿されている広告や新聞の折り込みチラシなどは、たとえ自分にとっては関心の低い情報であっても、別のプロのデザイナーがアイデアと試行錯誤を繰り返して完成させた1つの作品です。
もっといえば、あるクライアントの要望やマーケティング戦略に基づいて納品され、お客様からのOKサインが出た商品でもあるのです。
他にも、雑誌の広告デザイン等を本棚にストックしておくことも良いかもしれません。
アイデアが出てこないときは、これらのストックされたデザインを見比べることで、独自のオリジナルデザインが浮かんでくることもあります。
お客様や現場の声をデザインに反映する
デザインに限らず、クリエイティブな業務に携わる方々にとって最も恐ろしいのは、作品に自分の主観(エゴ)が入り過ぎることかもしれません。
分かりやすくいうと、制作段階ではデザイナーとして満足のいくデザインに仕上がっているのに、クライアントや実際に現場でそのデザインを見るユーザー(ターゲット層)の心には響かないという状況です。
特に、クライアントにご満足をいただけないデザインは、デザイナーの自己満足の作品に終わってしまいます。
そんなことにならないために、実際に広告が設置される現場に足を運んでみたり、要所毎にクライアントとヒアリングを繰り返してみたりと、デスクやデザイナーの感性だけで完結するのではなく、現場の声に耳を傾けることが重要なのではないでしょうか?
相手の立場なって、「クライアントがどういうデザインを貰ったら喜ぶだろう?」「ターゲット層は何をプレゼントされると嬉しいだろう?」ということをイメージするのも大切かも知れません。
まとめ
クリエイティブな業務に携わる人の中には、お客様の求める斬新なデザインは「天から舞い降りてくる」という表現をされる人もいます。
一種の天才のようなセリフですが、そんな天才の方々でも時と場合によってはアイデアに詰まることもあるそうです。
もしかすると、順調なときに結果を出すことよりもスランプの際に安定してアイデアを出せる経験と底力がプロの現場に求められるのかもしれません。