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Webマーケティングとは?初心者がまずおさえたいマーケティング用語

初心者がまず押さえたいマーケティング用語

いまでは幅広い年代の人がインターネットやソーシャルメディアを利用するようになり、インターネット上で企業と顧客が直接やり取りをする機会も増えてきました。そこで企業はWebサイトを使った新しい販売戦略に取り組む必要に迫られています。今回は初心者の方におさえて欲しいWebマーケティング用語について説明します。

 

Webマーケティングとは


「Webマーケティング」
とは、WebサイトやWebツールを使って、商品やサービスを消費者へアピールするために行う活動やその戦略のことです。特にインターネットを使って商品やサービスを提供している場合、売り上げをアップさせるために欠かせません。

Webマーケティングを効果的に行うためには、Webマーケティングで使われる基本的な用語を正しく理解することが大切です。

 

Webマーケティングの歴史

Webマーケティングの歴史は大きく3つの時期に分けることができます。

インターネット黎明期

1994年、初めて登場したWeb広告が「バナー広告」です。アメリカの大手電話会社がオンライン雑誌のWebサイトに広告を掲載しました。

その後、PCの電子メールユーザーが増えるのに伴って、「メール広告」が利用されるように。

国内では、1999年、NTTドコモによる「iモード」がスタートしたことをきっかけに携帯電話からのWebサイトへのアクセスが増加し、それに伴って携帯用Webサイトへの広告も見られるようになります。

クリック課金型、成果報酬型の「アフィリエイト広告」もこの時期に生まれました。

インターネット成長期

2000年代になり、インターネットがより広く使用されるようになり、個人によるブログでの情報発信が加速しました。

それに伴い、検索連動型広告(リスティング広告)やSEO(検索エンジン最適化)などの手法が生まれたのもこの時期です。

インターネット成熟期

2000年代後半になり、FacebookやTwitter、国内ではmixiなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が生まれて、よりカジュアルにWeb上でのコミュニケーションがなされる時代になりました。各SNSにおいては、それぞれがメディアごとの広告システムを持つようになります。

インターネット広告はますます発達し、一度、指定のLPにアクセスしたユーザーに広告を出す「リターゲティング広告」なども生まれました。

インターネット変革期

2010年代になり、従来の携帯電話(ガラケー)からiPhoneなどのスマートフォンを持つのが当たり前になりました。

それに伴い、アプリ内での広告配信や、ASO(アプリ内検索最適化)などの手法も生まれます。

また、企業が自社メディアで情報を発信する「オウンドメディア」の登場や、テキストやバナー以上に多くの情報を届けられる「動画広告」なども生まれ、ますますWebマーケティングの手法は加速しています。

SNSを活用した「インフルエンサーマーケティング」や「口コミ(UGC)」を用いた手法なども多く見られるようになりました。

 

最近はDX(デジタル・トランスフォーメーション)の動きがますます加速しており、Webマーケティングの手法もどんどん多様化してきていると言えるでしょう。

 

時代によって変化するWebマーケティングのトレンドと歴史

Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い

Webマーケティングとデジタルマーケティング、一見同じように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、別の概念です。

まず、「マーケティング」の中に交通広告やイベントマーケティングのような「オフラインマーケティング」と、「デジタルマーケティング」が存在しています。

そして、デジタルマーケティングの中に、Webサイトへの集客や導線改善などを含む、「Webマーケティング」があるわけです。

 

わかりやすく手法までブレイクダウンすると、デジタルマーケティングには、メールマーケティングや、MAツールの活用、アプリマーケティングなどが含まれます。

一方で、Webマーケティングは主にWebサイトへの集客改善(リスティング広告やSEOなど)や、内部のCV改善のための施策を指します。

 

デジタルマーケティングにおけるWebサイトに関連したマーケティング手法がWebマーケティングだと考えておくとわかりやすいでしょう。

 

Webマーケティングの重要性

Webマーケティングの重要性をいくつかの要素にわけて解説します。

 

費用対効果がわかりやすい

WebマーケティングはCPC(コスト・パー・クリック)やCPA(コスト・パー・アクション)など、さまざまな施策を打つ上での費用対効果がわかりやすく、PDCAを回しやすい施策であるといえるでしょう。すなわち、何をどうしたことで成果が上がったかの要因がオフラインマーケティングと比較して突き止めやすい特徴があります。

少額からスタートできる

イベントなどのオフラインマーケティングや、CMなどのマスマーケティングはある程度の費用がかかる施策であり、小規模の企業にとってはハードルが高いです。

一方、Webマーケティングは、リスティング広告は少額からすぐに始められますし、コンテンツマーケティングなどはもちろんノウハウは必要ですが、時間的コストさえ払えば少額で資産になるような施策といえます。

新規事業などでは、まずβ版のLPを作って、それをFacebookやリスティング広告で少額で回してみて成果を見てから、その後の戦略を判断していく といった手法もメジャーです。

成果の良し悪しがすぐにわかる

Webマーケティングの手法にもよりますが、看板やイベントなどよりも、Webマーケティングは顕在層の刈り取りに向いており、成果が出るまでのスピード感が早いのもひとつの特徴といえるでしょう。

 

このような特徴を理解したうえで、いかにオフラインマーケティングやマスマーケティング、デジタルマーケティングの他施策と組み合わせた上で最適なマーケティング施策を選択していくかが、マーケティングの醍醐味といえるでしょう。

 

 

主なWebマーケティング用語


Webマーケティングの世界では、さまざまな用語が飛び交います。Webマーケティング用語について何も知らないと、会話についていけない可能性もあります。以下で紹介する用語は押さえておきましょう。

CPA

「CPA」とは、「Cost Per Action」もしくは「Cost Per Acquisition」の略で、「顧客獲得単価」という意味です。CPAは「顧客を獲得のために行った施策にかかったコスト」÷「顧客の獲得数」で求められます。

顧客1人、つまり利益につながる結果を1つ獲得するまでにかかる費用のことを指し、Webに掲載した広告の費用対効果を調べるときによく使われます。

CPC

「CPC」とは、「Cost Per Click」の略で、「クリック単価」という意味です。Webサイトに掲載された広告が1回クリックされたときに、広告主が掲載主に支払う料金のことを言います。

CPCは「PPC(Pay Per Click)」とほぼ同じ意味で使われますが、PPC広告と言えば、クリックの回数によって課金される検索連動型広告を指すことが多いようです。

KPI

「KPI」とは、「Key Performance Indicator」の略で、「重要業績評価指標」という意味の用語です。定められた目標を達成するために取られている手段が、きちんと機能しているかどうかを評価するための指標のことを言います。

例えば、運営しているECサイトの年間売り上げアップを目標としているのであれば、月間の「UU(Unique User、Webサイトの訪問者数)」や「PV(Page View、Webページの閲覧数)」などの数値がKPIに該当します。

KGI

「KGI」とは、「Key Goal Indicator」の略で、「重要目標達成指標」という意味です。KPIが目標達成までのプロセスを見ているのに対して、KGIは最終的な目標を達成できているのかを見ています。KGI達成のためにプロセスごとに設定される指標がKPIです。

例えば、先ほどKPIに挙げた例であれば、ECサイトの年間売り上げ目標がKGIに該当します。

SEO

「SEO」とは、「Search Engine Optimization」の略で、「検索エンジン最適化」という意味の用語です。検索エンジンで、調べたい言葉や用語などを入力して検索すると、検索ワードに関係のあるWebサイトが数多く表示されますが、その検索結果で自分のWebサイトが上位表示される施策を指します。

大半のユーザーは、検索結果の1ページ目に表示されたWebサイトしか閲覧しようとしない傾向があり、Webマーケティングを成功させる上で適切なSEO対策を実施することは重要です。

CV

「CV」とは、「Conversion」の略で、日本語にすると「変換」とか「転換」という意味です。CVはWebマーケティングの世界では、Webサイトの最終的な目標のことを指し、商品購入や会員登録、資料請求、イベントやセミナー参加がCVに該当します。

 

Webマーケティングの基本ステップ

前述したように、Webマーケティングは年を重ねるごとに次々と新しい施策や手法が生まれており、その流れは今後ますます加速していくことが予想されます。

だからこそ、基本的なマーケティングの考え方をわかっておく必要があるでしょう。

「適した情報を、適した相手に、適したやり方で届ける。」

シンプルではありますが、まずはこの考え方を覚えておきましょう。2つ、代表的なマーケティングを考える上でのフレームワークをお伝えします。

STP

STPは、「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」というマーケティング活動を進める上でおさえておきたい3つの考え方の頭文字をとった考え方です。

まずは「セグメンテーション」によって、市場のユーザーを大きく切り分けます。続いて、「ターゲティング」によって、どのようなペルソナユーザーのどんなニーズをとらえるかを決めます。そして、「ポジショニング」、すなわち、競合商品と比較した上で自社商品のどのような要素によって購買につなげていくかを考えます。

基本的ではありますが、届けたい人が誰なのかをよく考えて施策を打つのが非常に重要です。

4P

続いて、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進) という4つの要素から自社商品の価値を客観的に考えるというフレームワークです。

いきなり手法ありきでマーケティングをとらえるのではなく、自社、競合の強み、弱みを理解したうえで手法を考えていきましょう。

 

Webマーケティングの集客施策とは

つづいて、代表的なWebマーケティングの「集客」に関連した手法を紹介します。ここに載っているものはほんの一部です。

 

施策例:SEO

SEOは検索エンジン最適化のこと。Googleやyahooであるキーワードで検索したときに、いかに上位に自社サイトを表示させ、成果につなげるかが問われます。

自社商品に関連したユーザーが、どんな悩みや課題を持っているかを深く理解し、答えられるようなコンテンツを自社サイトに用意しておくのが重要です。また、「このサイトに載っている情報は信頼できる」と検索エンジンから認識してもらうためにも、権威性や信頼性の高い被リンクを外部のサイトから集めるのも重要になります。

リスティング広告などと違って、すぐに成果には繋がりにくい施策ともいえるので、コツコツ取り組むのが重要です。

施策例:リスティング広告

リスティング広告(検索連動型広告)は、Googleやyahooの検索画面において、画面上部にキーワードに応じた広告を出稿できる手法です。

SEOと違って、コストを払えばすぐに広告出稿ができるのが特徴。

検索エンジンにキーワードを打ち込んで調べるユーザーは、悩みが顕在化されているため、デジタル広告の手法の中でも特に購買の角度が高いユーザーに向けた手法といえるでしょう。

施策例:アフィリエイト広告

あるWebサイト上にタグを埋め込んだ商品リンクを設置し、クリックや購買などを達成した場合に成果報酬型で費用を払うタイプの広告です。

比較検討が必要な商材と相性がよく、リスティング広告などと違って、成果が出たときにだけコストを払う形式なので、無駄な費用がかからなくて始めやすいという特徴があります。

施策例:SNSマーケティング

商品や会社のSNSを通じてファンを作っていくような施策、もしくは、ユーザーのSNSでの口コミをマーケティングに活かす施策などを指します。

SEOやリスティング広告でターゲットにする顕在層向けの施策というより、より潜在層向けの中長期でのリレーション構築が求められます。

最近は、企業の公式情報の発信や広告も当たり前になってきて、ユーザーの広告に対するリテラシーも上がっているので、実際に商品を使った人によるリアルな口コミ(UGC)を活用するマーケティングが重要視されてきています。

また、各SNSにおいても広告メニューが存在しており、SNSの媒体特徴やユーザー特性を細かく決めたうえで広告出稿することもできます。

 

このように、Webマーケティングには「集客」に関連するものだけでもさまざまな手法が存在しています。

 

Webマーケティングの接客施策

続いて、集客をして、Webサイトにアクセスしたユーザーをいかに「接客」して購買につなげるか、を実現するための施策を紹介します。

施策例:LPO

LPOとは「ランディングページ最適化」のこと。

すなわちサイトに訪れたユーザーが、離脱せずに、いかに自社商材の問い合わせや購入につなげてもらうかを考える施策です。

バケツにたくさん水を入れても、穴が空いていては水は漏れてしまいます。これと同じように、どれだけ広告費をかけてユーザーをサイトに集めても、成果につながらなかったら意味がありません。

そこで、ユーザーのほしい情報を、最適な量とフォーマットでいかに届けるかを考える必要があるのです。

施策例:EFO

EFOとは「エントリーフォーム最適化」のこと。

エントリーフォームとは、ランディングページのあとに、個人情報を入力するフォームのこと。購買の前の最後のステップです。

最後のステップで、やたらと打ち込む情報が多かったり、入力が上手くいかないと、せっかく商品に興味を持ってくれたユーザーも離脱してしまいます。

だからこそ、もっとかんたんに、こちらとして必要な情報を収集できるかを考える必要があります。

 

このように、Webサイトにアクセスしたユーザーが気持ちよく商品を買えるように「接客」するための手法も大変重要です。

 

Webマーケティングに有効なツール

Webマーケティングを進めるうえで、特によく使うツールを紹介します。

ツール例:Google Analytics

通称「GA」や「アナリティクス」とも呼ばれる、Googleが公式で出しているWeb解析ツールです。

どのくらいのユーザーが、どんな経路で、どれくらいサイトに滞在して、どんなアクションを起こしているのか、といった情報がわかる、Webマーケティングを進めるうえでもっとも重要なツールの一つといえるでしょう。

期間や地域、属性などでもセグメントを切ることができ、こまやかに分析ができます。Webマーケターの1日はこのGoogle Analyticsを見るところから始まることが多いでしょう。

 

ツール例:Googleタグマネージャー(GTM)

Googleタグマネージャー(GTM)は、その名のとおり、Googleが公式で提供するタグマネジメントツール。

Web上のこまやかなデータを収集・解析するうえで、タグの埋め込みは欠かせません。

そこで必要になるのがこちらのGoogleタグマネージャー。タグの追加や削除、変更などは、こちらを使えばいちいちHTMLを変更しなくても実施できます。

 

このように、Googleが公式でリリースしているものから、その他サードパーティツールまで様々なツールが存在しています。

 

Webマーケティングに役立つ情報・資格

続いて、Webマーケティングを極めていくうえできっと役に立つ資格やワークショップをご紹介します。

 

Googleデジタルワークショップ

Googleデジタルワークショップとは、Googleが公式で提供する、スキルアップのためのワークショップのこと。

無料で参加でき、Web集客の基礎やWebサイトの考え方を学ぶことができます。また、「認定証」ももらえるので、モチベーションアップにもつながります。

・参考:https://learndigital.withgoogle.com/digitalworkshop-jp

 

ウェブ解析士

その名のとおり、ウェブ解析に関する資格です。Webサイトのアクセスや購買状況をウォッチし、より成果を最大化するにはウェブ解析が不可欠です。

ウェブ解析士の資格を取ること自体がキャリアに活きるというのもありますが、強制的に自分のウェブ解析のスキルをアップさせるのにもおすすめなので、ぜひ受験を検討してみるとよいでしょう。

・参考:https://www.waca.associates/jp/

 

まとめ

Webマーケティングの世界には、多くの専門用語が出てきます。すべての用語を覚える必要はありませんが、Webマーケティング初心者の方は、まずは頻出する用語を覚え、社内会議やクライアントとの打ち合わせで話についていけるようにしましょう。

 

B!

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