エディトリアルデザインとは、雑誌や書籍など出版物に適用されるデザインです。簡単にいうと「読者の目線や印象から、より効果的な編集内容を考えてデザインすること」といえるでしょう。
このエディトリアルデザインを手掛けるデザイナーのことを「エディトリアルデザイナー」と呼びます。複数のページで構成された雑誌・カタログ・小説などの書籍を美しくデザインする職業です。
今回は、エディトリアルデザインの魅力とエディトリアルデザイナーの仕事内容を見ていきます。
エディトリアルデザイナーの仕事内容
エディトリアルデザイナーの仕事は、誌面全体のレイアウトや写真の配置、文字の書体などから、より美しいデザインを構築することはもちろん、読む人の印象を考えて文字を見やすくデザインしたり、視線誘導の流れを設計したりすることで、より洗練したデザインにすることです。
出版物のデザインを行うエディトリアルデザイナーですが、手掛ける出版物のジャンルはさまざまです。例えば、インターネットの普及で、昔に比べると読む人が少なくなってきている新聞ですが、エディトリアルデザインの仕事に深く関わっています。
ご存じの通り新聞は、政治・経済・スポーツなど、さまざまな情報がつめこまれた出版物です。多岐にわたる情報を読む人に分かりやすく伝わるように文字を校正し、デザインしなければなりません。
また、写真を扱ったレイアウトや広告を使ったデザインの新聞は、なにより文字組みのセンスと幅広い知識が求められます。
エディトリアルデザインで手掛ける書籍
新聞以外に、エディトリアルデザインが不可欠ともいえる出版物が雑誌です。
雑誌は、芸能やファッション情報など華やかなイメージをデザインで伝えるため、文字だけでなく写真やカラーページを効果的に使ってエディトリアルデザインを構築していきます。
また、写真やカラーページを使ったカタログもエディトリアルデザインで構築される出版物です。衣類・インテリア・食品などの商品が掲載されることもあるカタログは、商品の内容と価格が分かりやすく伝わるようにデザインしなくてはなりません。
読み手がそのまま商品のお客さまになるため、商品の魅力を充分に伝えるためにもデザインには細心の注意を払います。
エディトリアルデザイナーに必要なスキル
エディトリアルデザイナーには、どのような能力やスキルが求められるのでしょうか。
魅力的なエディトリアルデザインにするためには、書籍や出版物のデザインに関する興味と知識だけでなく、文字校正のセンスやレイアウトに関するこだわりなども求められます。さらに、紙の種類や製本、印刷の知識も必要です。
必要なスキルとしては、デザインを作成するのに必要なパソコンスキルとDTP関連のアプリケーションソフトを扱う能力が求められるでしょう。
書籍のタイトルやイラストのデザインを行うIllustrator、写真や画像を編集するPhotoshopなどの操作技術は確実に必要です。また、雑誌制作やデザインのため、InDesignというページレイアウトソフトも使用する機会があります。
まとめ
エディトリアルデザイナーの仕事内容は、雑誌のレイアウトやフォーマットにあった構築を考えたり、文字のサイズから文章の組み方まで考えたりするなど、多岐にわたります。なお、グラフィックデザイナーが本のデザインを依頼されて、エディトリアルデザインも手掛けるようになり、エディトリアルデザイナーとして活躍しはじめるケースもあるようです。
また、近年の電子書籍ブームに合わせて、今後はエディトリアルデザイナーにもWebの知識が求められることが予想されます。紙に関する情報だけでなく、電子書籍の動向についてもチェックしておきましょう。