企業や個人の情報発信に欠かせないWebサイト。WebデザイナーはそんなWebサイトを制作する仕事です。
PCと専用のソフトウェアさえあればどこでも働きやすいため、フリーランスとして働く方も多い職種です。
本稿では、将来的にフリーランスのWebデザイナーとして働きたい方向けに仕事を得る方法や収入をアップするためのポイントをまとめて解説します。
フリーランスのWebデザイナーになるには
フリーランスのWebデザイナーとして独立するには、2つのステップがあります。
まずは独立できるスキルを身につける
フリーランスのWebデザイナーとして独立することは、多くのクリエイターにとって魅力的なキャリアパスです。自分のペースで仕事を進められる自由がある一方で、安定した収入を得るまでには相応の努力が必要となります。
Webデザイナーとしてフリーランスになるためには、デザインスキルとHTMLやCSSといったコーディングの基礎知識が欠かせません。美しいデザインを作成できても、それをブラウザ上で正確に表現できなければクライアントの要望に応えることができないからです。
いきなりフリーランスとして活動することもできなくはないですが、多くの方にとって独立前に会社員として実務経験を積み、クライアントとのやり取りや納期管理といったビジネススキルを身につけることも重要なステップとなります。
独立して、仕事を獲得する
フリーランスとして独立すること自体は、開業届を提出するなど事務的な手続きをすればいいだけなので難しくありません。ポイントは独立しても納得のいく仕事をして安定的に収入を得られるかです。
フリーランスとして独立するタイミングも重要です。一般的には2〜3年の実務経験を積んでから独立する人が多く、この期間に基礎スキルの習得だけでなく、業界の慣習や相場感も身につけることができます。また、独立前に副業として小規模な案件を受注し、フリーランスとしての適性を確認することもおすすめです。
フリーランスとして働く中で「スキルの切り売りになって、仕事のレベルが上がらない」といった声もよく挙がります。フリーランスとして独立すること自体を目的にするのではなく、数年後を見据えた上でどのように収入を得るかを慎重に考えた上で独立することをおすすめします。
フリーランスWebデザイナーとして働く場合の仕事の進め方
フリーランスWebデザイナーの仕事は以下のように進みます。
まずは案件獲得から始まり、クライアントとのヒアリングを通じて要件を明確にします。その後、デザインの企画・提案を行い、クライアントの承認を得て制作(デザイン、コーディングなど)に進みます。制作中は進捗報告やフィードバックのやり取りを密に行い、完成したら納品となります。
納品後も、修正対応や保守・運用の契約がある場合もあります。
基本的には納品が一つのゴールではありますが、その後のWebサイトの反応をしっかりとキャッチアップしたり、どうすればもっとユーザーやクライアントにとって満足いく成果を得られるかについてコミュニケーションをとりながら考えていくことで、より継続的な案件や、より反響のあるアウトプットにつながります。
フリーランスのWebデザイナーとして働くために必要なスキル

フリーランスのWebデザイナーとして働く上で必要なスキルは以下です。
1. 専門的なデザイン・制作スキル
- デザインツール(Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Figma、Canvaなど)の操作スキル。
- デザインの基礎知識(配色、レイアウト、タイポグラフィ)。
- HTML/CSSなどの基本的なコーディングスキル(自ら実装できなくても、仕組みを理解していること)。
まずはWebデザイナーとして欠かせない、デザインやコーディング関連のスキルです。使用ツールやデザイントンマナは会社によって違うので、求められるアウトプットのイメージをすり合わせながら仕事を進めるのが肝要です。
2. Webマーケティングの視点
- 単に美しいデザインを作るだけでなく、クライアントのビジネス目的(売上向上、問い合わせ増加など)を達成するためのUI/UX(使いやすさ・体験)の知識。
- SEOやデータ分析(アクセス解析)の基礎知識。
Webデザインは「納品したら終わり」ではなく、その後の成果が必要です。Webマーケティングの視点も忘れないようにしましょう。
3. ビジネス・コミュニケーション能力
- クライアントの要望や課題を正確に引き出すヒアリング力。
- 制作スケジュールや予算を管理する自己管理能力とディレクション能力。
- デザインの意図を論理的に説明し、提案する力。
フリーランスとして働く上で、クライアントとどれだけ信頼関係を築けるかが成果や継続的な発注につながります。
フリーランスのWebデザイナーが仕事を得る方法
フリーランスのWebデザイナーは具体的にどのような方法で仕事を獲得するのでしょうか。
クラウドソーシングサイトやSNSの活用
フリーランスWebデザイナーとして安定した収入を得るためには、効果的な仕事の取り方を身につけることが重要です。最初は知人や過去の職場の人脈から仕事を紹介してもらうケースが多いでしょう。クラウドソーシングサイトの活用も一般的で、ランサーズやクラウドワークス、ココナラなどで様々な規模の案件が投稿されています。最初は単価が低い案件でも、実績を積み重ねることで、より高単価の仕事を受注できるようになります。
SNSを活用した営業活動も効果的です。XやInstagramで定期的に作品を公開し、発信することで新規案件につながることも多いでしょう。
営業活動においては、ターゲットを明確にすることも大切です。自分の強みを活かせる業界や企業規模を絞り込み、効率的にアプローチすることで、成約率を高めることができます。
直接営業や人材エージェント活用
直接営業も有効な手段です。地域の中小企業や個人事業主に対して、Webサイトのリニューアルや新規制作の提案を行うことで、競合の少ない市場で案件を獲得できます。フリーランスエージェントサービスの利用も検討に値し、一定スキルがあれば案件を紹介してもらえます。
Webデザイナーのコミュニティやイベントへの参加も重要です。勉強会やセミナーで他のフリーランサーと交流することで、案件の紹介や協業の機会が生まれることがあります。オフラインでの人脈構築は、長期的な信頼関係につながりやすいという特徴があります。
また、既存クライアントからの紹介も重要な案件獲得ルートです。質の高い仕事を提供し続けることで、クライアントが新たな顧客を紹介してくれることがあります。このような紹介案件は、信頼関係が前提となっているため、スムーズに進行することが多いでしょう。
ポートフォリオサイトでの情報発信
ポートフォリオサイトでの情報発信も重要です。自身のWebサイトやブログで、デザインに関する知見を発信することで専門性をアピールできます。制作実績を見せる際は、単にデザインを並べるだけでなく、クライアントの課題や目標、それに対するソリューション、結果として得られた成果を具体的に記載しましょう。
価格設定も仕事獲得に大きく影響します。未経験や駆け出しの時期は市場相場より低めに設定することも必要ですが、スキルと実績に応じて適切に価格を上げていくことが重要です。
提案力の向上も案件獲得には欠かせません。クライアントのビジネスを理解し、具体的な数値目標や改善点を提示できれば、提案の説得力が増します。競合他社のWebサイトを分析し、差別化ポイントを明確にすることも効果的です。
フリーランスのWebデザイナーがスキルアップするには

フリーランスはスキルのレベルアップも自分次第になります。具体的にどうすればスキルアップにつながるのでしょうか。
使用できるツールや技術の幅を増やす
フリーランスWebデザイナーとして活躍するためには、継続的なスキルアップが不可欠です。Adobe PhotoshopやIllustrator、XDといったデザインツールを使いこなせるようになることで、クライアントの多様な要望に対応できます。さらに、FigmaやSketchなどのUI/UXデザインツールも習得しておくと、より幅広い案件に対応できるでしょう。
コーディングスキルについては、HTML5とCSS3の基礎から始め、JavaScriptやjQueryといった動的な表現を可能にする技術も学ぶことをおすすめします。
レスポンシブデザインやアクセシビリティに配慮したコーディングができれば、クライアントからの信頼も高まります。オンラインスクールや専門学校での学習も効果的で、独学では見落としがちな基礎知識を体系的に学べるほか、講師からのフィードバックを受けることで効率的にスキルを向上させることができます。
最新の技術トレンドへの対応も重要です。近年ではノーコード・ローコードツールの普及により、簡単なWebサイトは誰でも作れるようになってきました。そのため、フリーランスWebデザイナーには、より高度なデザイン提案力や、ブランディングを含めた総合的な提案ができる能力が求められています。
自身のWebサイトの磨き込み、情報発信によって新たな機会を得る
実践的なスキルアップとして、まず自分のポートフォリオサイトを作成しましょう。架空の企業やサービスのWebサイトをデザインし、実際にコーディングして公開することで、技術力をアピールできる作品集を構築できます。DribbbleやBehanceなどのプラットフォームで作品を公開し、他のデザイナーからフィードバックをもらうことも有効です。実際の案件に近い形で練習したい場合は、知人や地元の小規模事業者向けに低価格でWebサイト制作を請け負うのも一つの方法です。
デザインコンペへの参加も、スキルアップと実績作りの両方に役立ちます。採用されなくても、実際のクライアントの要望に応える練習になり、他の参加者の作品から学ぶこともできます。また、オンラインコミュニティでの活動を通じて、最新のデザイントレンドや技術情報を収集することも大切です。
SNSや交流会などでインプットを増やし、アウトプットに活かす
最新のデザイントレンドやスキルアップのポイントなどをSNSや交流会でキャッチアップし、日頃の仕事の中で活かすことでレベルアップにつなげやすくなります。
フリーランスといっても、自分ひとりで働くのではなくクライアントやビジネスパートナーとの出会いの中でWebデザイナーとしてレベルアップにつながるようなコミュニケーションを積極的にとっていきましょう。
一番レベルアップができるのは、クライアントとの仕事の中での経験です。まずはしっかりとクライアントが望むようなアウトプットを出せることがベストなので、当たり前のことを当たり前にやりながら、実績を発信して新たな案件獲得やスキルアップにつなげていきましょう。
WebデザインやUXデザインを学ぶならデジハリ・オンラインスクール
ここまで、フリーランスWebデザイナーとして成功するための方法をご紹介してきました。しかし独学での学習には限界があり、特に未経験から始める場合、何から手をつければよいか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが、デジタルハリウッドが運営する「デジハリ・オンラインスクール」です。20年以上の教育実績を持つノウハウを活かし、実践的なカリキュラムでWebデザイナーを育成しています。デザインの基礎理論からHTML/CSS、JavaScript、UI/UXデザインまで、フリーランスとして活躍するために必要なスキルを網羅的に学べます。
まとめ
フリーランスWebデザイナーとして成功するためには、確かな技術力と継続的な努力が必要です。正しい方向性で学習を進め、着実にスキルアップしていけば、場所や時間に縛られない自由な働き方を実現できます。最初は厳しい面もありますが、クライアントに価値を提供し続けることで、やりがいのあるキャリアを築くことができるでしょう。
もし本格的にフリーランスWebデザイナーを目指すなら、プロから直接学べる環境を活用することをおすすめします。詳しいカリキュラムや受講方法については、ぜひデジハリ・オンラインのWebデザイナー養成講座のページをご覧ください。
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