毎年、「トレンドカラー」なるものが存在します。ファッション雑誌などで「今の流行色はコレ!」と取り上げられてその色を使ったコーディネートが特集されると、私たちはその色に注目してファッションを楽しむようになりますよね。また、Webサイトではトレンドカラーを取り入れたWebサイトも増えます。
このようにトレンドカラーはとても影響力があり、毎年毎年変わっていきます。では、どのようにしてその年のトレンドカラーが決められているのかご存じですか?今回はトレンドカラーの決め方についてまとめてみました。
流行色は2年前から決まっている!?
その年のトレンドカラーは、実は2年も前から決められています。「インターカラー(国際流行色委員会)」という、世界14カ国が参加している国際組織によって話し合いが行われ、トレンドカラーの方向性が決まるのです。その会議では特定の一色が決まるわけではなく、次世代に共感できるカラーの世界観や、素材の質感や配色のポイントなどが提案されます。なお、参加国の14カ国には、我が国日本も含まれています。
インターカラーで提案された内容を踏まえながら、実シーズンの1年半前に国内のカラートレンドを選定する組織「日本流行色協会(JAFCA)」にて、国内市場向けのトレンドが話し合われます。この時に、正式にトレンドカラーが決定するのです。そしてそのトレンドカラーを元にアパレルメーカーが商品企画を行い始め、実シーズンには似た傾向の色や素材、配色などが流行するといった仕組みになっています。
最新トレンドカラーをいち早く知る方法
ファッションとしてだけではなく仕事としてトレンドカラーに興味がある方、流行をいち早く知りたい方は、ファッション雑誌やテレビといったメディアを参考にするのではなく、「素材展示会」に参加すると良いでしょう。素材展示会は、実シーズンの1年半から1年ほど前に開催されるため、市場に発表されるよりも早くその情報を入手することができます。また、日本流行色協会(JAFCA)の会員になることで、素材展示会よりもさらに早い時期に、国内向けに選定されたカラー情報を知ることができるでしょう。
流行色がそれほど早く決まる理由とは
それではなぜ、トレンドカラーは2年も前から決められているのでしょうか。それはやはり、服ができあがるまでの過程に時間を取られることが大きく関係しています。既製服が店頭に並ぶまでには、生地の原材料の作製、ファッションショーの開催、買い付けといった具合にさまざまなステップを踏む必要があります。そのため、2年前からトレンドを決めて実シーズンに向けて着実に動き出していかなければ間に合いません。ファッション業界の人たちが2年もの歳月を費やして完成させた服がやっと店頭に並び、私たちはそのトレンドを楽しむことができるのです。
トレンドカラーは必ず流行するわけではない!?
このように2年も前に決められるトレンドカラーですが、必ず流行するわけではありません。その年によって流行る場合もあれば、まったく消費者側に浸透せず流行らずに終わる場合もあります。ファッションのプロたちが発信するトレンドカラーは、あくまでも実シーズンに流行らせたい色で、それを受けて消費者がどう反応するかは予測できません。その時の流行のカギは、ファッション業界ではなく消費者が握っているといっても過言ではないでしょう。
まとめ
今回は、流行色はどうやって決まるのか、トレンドカラーの決め方のプロセスについてご紹介しました。流行の流れは本当に速く、新しいトレンドが出ては古いトレンドが消えて行きます。JAFCAのWebサイトには、半年後までのトレンドカラーが一般公開されているため、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。次はいったいどのような色が流行するのか、楽しみにしながらWebサイトのデザイン制作をしましょう。