アニメやゲームや映画が好きな方であれば、「一度は自分の手であんなに素敵なCG作品を作ってみたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。

今回はCG制作の現場では欠かせない、「CGアニメーター」の仕事内容や必要なスキルなどを解説したいと思います。

 

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CGアニメーターとは?具体的な仕事内容

CGアニメーターと一言でいっても、その仕事内容は多岐にわたっています。

CGアニメーターの仕事をシンプルにまとめると「CGに動きをつけて、命を吹き込む仕事」です。CGキャラクターや背景を動かすことで、キャラクターがまるで生きているように見せていきます。それでは、具体的にはどのような仕事を担当しているのか見ていきましょう。

ちなみに、企業規模によっても一人のCGアニメーターがどこまで担当するかは異なり、大きな会社であれば各部門で細かく担当が分かれており、小規模の会社やフリーランスであれば一人で幅広い部門を担当することもあります。

絵コンテの確認

まずは、絵コンテをもとに、制作チームの監督と演出やキャラクターについての方向性をすり合わせます。CGアニメーターとして、どのようなものを作るといいのか、テクニカルな視点も含めてディスカッションを進めていきます。

ここでイメージが合致しているかどうかで後の工程に大きな影響が出るので、非常に大事なパートといえるでしょう。

モデリング

デザイン案をもとに、キャラクターや背景、道具などを立体的に表現していく仕事を「モデリング」といい、こちらの工程を担当する人を「モデラー」といいます。

ここで制作したモデルが、今後のCGアニメーション制作の基礎となります。

テクスチャリング

テクスチャリングは、作成したキャラクターや道具などのモデルに画像を貼り付け、色や質感を与える仕事です。テクスチャリングが施されることで、モデルが大きくリアリティを増していきます。

リギング

作成したCGキャラクターに「骨(ボーン)」を追加して、よりなめらかで自然な動きを表現する仕事を「リギング」と呼びます。リギングによって、キャラクターに関節が加わり、より自然な表情や仕草が可能となります。

リギングを担当する人を「リガー」もしくは「リギングアーティスト」といいます。

エフェクト

続いて、映像にエフェクトをつけていく工程です。CGであれば、炎や煙、光、ビームや雷などの様々な特殊効果を映像に付与できます。

映画館で観た時に映えるような、迫力ある映像を作っていく上では非常に重要な工程です。

監修チェック

一通りの工程を終えたあとは、監修チェックを通して、必要であれば修正を施し、次のカットへと進みます。

 

以上がCGアニメーターと呼ばれる人たちが担当する主な領域です。

 

CGアニメーターとCGデザイナーの違い

結論、CGアニメーターとCGデザイナーに大きな違いはありません。会社によって定義もまちまちです。

いずれもCGを用いて、キャラクターや道具や背景を制作し、動かす仕事です。

しいて細かく分けるとすれば、CGデザイナーがキャラクターや背景のモデルをデザインするパート、CGアニメーターが後工程のアニメーションをつけたりエフェクトを付与するパートを担当したりするというニュアンスで使われることが多い言葉です。

求人を探す時などは会社やプロジェクトによって少しずつ前提条件が違うので、よく見てから申し込みましょう。反対に自分がポートフォリオ作成をする時などは、具体的にどのような工程を担当したかの内容をわかりやすく記載しましょう。

CGデザイナーとは?仕事内容や年収、必要スキル、資格などをまとめてみた

CGアニメーターに必要な資格はある?

CGアニメーターになるために必要な資格試験などはありません。

しかし、CGアニメーターとして一定のスキルや知識を持っていることを対外的に示しやすくするための検定は存在しています。

などはわかりやすい例ですね。検定は持っていることもそうですし、検定のために学習する過程で半強制的にインプットができる機会なので、短期で集中的に勉強したい人にもおすすめです。

 

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CGアニメーターになるための方法

それでは、どうすればCGアニメーターになれるのかの基本的なルートをまとめていきます。

大学や専門学校に通ってスキルを身に着けよう

大学や専門学校でCGアニメーターとしての基本スキルを身につけるのは王道パターンです。

教育機関には、プレイヤーとして実績を残しつつも、教えることが仕事の講師たちが集まっているので、体系的にスキルアップするにはオススメです。

また、就職相談ができたり、業界との太いパイプもあったりするので、トップクリエイターとの良い出会いにも恵まれるかもしれません。また、一緒に切磋琢磨して勉強していく生涯の仲間が生まれるかもしれません。

一方で、いずれも学費は必要となります。また、芸術系大学は入学までの難易度が高いことも多いので、その点は理解しておきましょう。

未経験者OKの会社に就職する

大学や専門学校に入るのは学費がネックだし、もっと現場感のあるところからCGの世界に飛び込みたい!という方は、未経験OKの会社に就職やインターン参加するというのも一つです。

教育現場とは別の、よりリアルな世界でCG制作の基礎を学べるでしょう。

一方で、未経験OKの会社はそれほど多くないですし、教育機関ではないので、教えるのがうまい人がいるとは限りません。入社できても、まずは雑務の担当から入って、少しずつ下積みしてCGを学んでいくということも多いです。また、未経験者を募集している=会社の人手に困っているということなので、必ずしもホワイトな会社ではないことも往々にしてあります。

これらを理解した上で、会社選びを進めるとよいでしょう。

フリーランスで経験を積む

このパターンができる方は多くはないと思いますが、独学でCGアニメーターとしてのスキルを磨いて、自主制作作品を発表し、それをポートフォリオとしてフリーランスの仕事を獲得しにいくという方法もあります。

最近はSNSでの発信によって、昔よりは案件の獲得もしやすくなってきています。一方で、独学でフィードバックなしにアニメーターとして成長するのは決して簡単ではないですし、スキルが上がってきても、仕事が獲得できるかどうかはまた別の話となります。

難易度は高いですが、自分を律して、どんどん成長していける人はこういった方法を検討するのも一つでしょう。

未経験者や絵が下手な人でもCGアニメーターになれる?

絵が下手な人や未経験の方でCGアニメーターになることはできます。

ただし、きちんと基礎を固めて自分なりに学んでいける人に限ります。CGは絵が下手でも、キャラクターやアニメーションの制作は可能です。ただし、キャラクターや物体の構造を理解していたり、表現したりするための基礎は確実に必要になりますし、デッサン力はどんな場面でも求められます。

また、未経験でも、スクールでも独学でも経験値を積んでいくことでようやく仕事を獲得できるステップに至るので、「未経験だけど仕事をください!」よりも「自分なりにこんな作品を作ってきて、こういったスキルがあって貢献できるので仕事をください!」といえる人の方が圧倒的に仕事はもらいやすいです。

最初は誰しもが未経験スタートですが、未経験なら未経験なりに何ができるのかを考えて動くのが重要です。

CGアニメーターに必要なスキルとは

CGアニメーターに求められるスキルにはどのようなものがあるのかをまとめてみます。

デッサン力

まずはこれです。絵が必ずしも上手に描ける必要はありませんが、人物や物体の構造をきちんと理解し、アウトプットできる能力はCGの世界では欠かせません。バスケやサッカーでいうドリブルのような基本的な技術です。

デッサン力が仕事のアウトプットと直結するというのもそうですし、継続的にデッサン力を磨く習慣を持っているかどうかで、脳内で構造を描いたり、言語化したりする能力も大きな差が出ます。

タフな体力と精神力

CGアニメーションの世界は、高い集中力を長時間続ける仕事です。黙々とPCと向き合い、細やかな作業が続きます。

また、常に納期や予算といった制限のある中での仕事となるため、時には深夜まで働くこともあります。業界的に働き方は改善してきてはいるものの、まだまだ課題の多い業界です。

ですから、体力と精神力はマストで必要といえます。

コミュニケーション能力

CGアニメーションは多くの場合、一人ではなくチームで仕事をすることが多いです。たくさんのステークホルダーと関わり、細やかな調整やすり合わせを重ねてようやく世に出る仕事となります。

ですから、一緒に働くメンバーといかに円滑にコミュニケーションをとるかは非常に重要となります。CGの世界は抽象度高いものを言語化して方向性を定めるのが欠かせません。ただ制作するだけでなく、表現のロジックややりたいことと背景にあるものを相手に伝わるようにするコミュニケーション能力が求められる世界だと理解しておきましょう。

CGソフトや最新技術への理解

Mayaや3ds maxのようなCGソフト、AdobeのPremiereやAfter Effectsなどの動画編集ソフト、AdobeのPhotoshopやIllustratorなどのグラフィック系ソフトは基本的に使えるようになりましょう。

また、それだけでなく、VRやARについての理解など、最新技術への理解もあると、より希少性の高いクリエーターとなれるでしょう。

 

CGアニメーターのやりがい

CGアニメーターのやりがいは、なんといっても自分たちの作ったキャラクターが、いきいきと動き、それが世の中に出て反応をもらえるというところでしょう。

ふだんテレビやゲームの世界でなめらかに動くCGキャラクターも、その裏側にはたくさんのクリエーターの努力が詰まっています。

キャラクターを動かすのも、クリエーターの細部へのこだわりがあってのもの。思い通りのアウトプットが出来た時の喜び、そしてそれが評価された時の喜びはひとしおです。

業界としてはハードなことや向き合うべき課題も多いですが、とてもやりがいのある仕事といえるでしょう。

CGアニメーターへの就職先探しはどうする?求人情報は?

CGアニメーターは、広告制作会社、ゲーム制作会社、映像制作会社などに所属することが多いです。

大規模な会社だと福利厚生が充実していたり、給料が良かったりしますが、仕事内容としては縦に役割が分業されていることが多いです。

一方で小規模の会社は、一人が担当する領域が広かったり、若くしてマネジメントを経験できたりするなどの裁量権が特徴です。

求人情報は、転職サイトや就職サイトに登録したり、エージェントに紹介したりしてもらうのが一般的です。気になる会社があれば、直接問い合わせたり申し込むのをオススメします。スクールに通う人はスクールからの就職支援を受けるのもよいでしょう。

CGアニメーターの年収はどのくらい?

企業に勤める場合

もちろん会社によって変わりますが、CGアニメーターの年収は、300万〜500万ほどの方が多いです。スペシャリストとして高い実績を残したり、チームをマネジメントしたりするようになると、700万ほどになることもあるでしょう。

フリーランスの場合

フリーランスの場合は、よりピンからキリまでありますが、たくさん案件を獲得できる人であれば年収1000万以上の方もいます。一方で、会社員ほどの福利厚生はなかったり、仕事量をコントロールできなかったりすると、常に働き続ける状態、かつ他に替えがきかない状態になるので調整力が問われます。反対に仕事を上手く獲得できない場合は会社員時代以上に年収が低くなる可能性もあります。

ただクリエーターとしていいものを作るだけでなく、請求管理や確定申告、営業やマーケティングなども時に必要となる点を理解しておきましょう。

CGアニメーターを目指すならオンライン講座でスキルを身に着けよう

CGアニメーターとしての第一歩を踏みだす方法として、スクールがあるという話を先程しました。

しかし、スクールは通学が必要になり、まとまった時間を確保しにくい方や地方在住の方にはなかなかハードルが高いこともあります。そんな方におすすめなのがオンライン講座です。

自宅にいながら、プロフェッショナルのフィードバックを受けて、自分のライフスタイルに合わせて学習できるのが大きなメリットです。また、費用としても実際の通学するスクールよりも割安になることも多いです。

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まとめ

CGアニメーターについて本稿ではまとめてきました。CGアニメーターはまさに「ものづくり」の仕事で、高い表現力とコミュニケーション能力が問われます。

ぜひともスキルアップして、自分なりの表現を追求し、世の中を湧かせてみてください!応援しています!