世界中をどっと湧かせたあの大ヒットゲームや、毎日何気なく開くあのスマホゲーム、友達と何時間も遊んだあの格闘ゲーム……。
そのすべては、ゲーム業界のクリエイターの手によって制作されています。
そんなゲームクリエイター系職種の中でも、ベースとなる企画パートを担当するのが「ゲームプランナー」という職業。
ゲーム好きな人なら誰しも一度は憧れたことがある職業ではないでしょうか。本稿では、ゲームプランナーになるための方法やゲームプランナーのリアルな年収、ゲームプランナー着任後のキャリアパスなどについて解説いたします。
- ゲーム業界に興味があって、先々就職したいと考えている方
- つくる側の職種より、企画側の職種に興味がある方
👉ゲームプランナーへの題一歩、ゲームエンジンの基礎を学びたい方へ
ゲームプランナーの仕事内容って?
ゲームプランナーはその名の通りゲームの企画を担当する人のこと。ソーシャルゲームやコンシュマーゲーム、ネイティブアプリなどなど、動作環境やハード、企画の規模によってその仕事内容や関わる人数が大きく変わります。
一本のゲームができるまでの流れとしては
企画→制作準備→制作→分析・改善
といった順番で進行していきます。
ゲームプランナーはこの中での実際の制作パート以外の全体の進行を担います。
企画
まずゲームができるまでのコアとなる企画をつくるパート。こちらでは、「どんなゲームが売れるのか」を世の中の動きやエンタメ市場、ゲーム市場の動きを見て、考えてまとめ、プレゼンします。
その際には、クライアントの要望はもちろん、ゲームをつくるか否かの意思決定に関わるゲームディレクターやゲームプロデューサーとも議論を重ねてニーズにハマる企画書をつくっていく必要があります。
5W2Hを掘り下げて、どうしてそのゲームが今の世の中に必要なのか、どんなポイントに面白さがあって、売れると言えるのかをわかりやすくまとめていく必要があります。
企画に際して、企画やマネジメント系職種の方はもちろん、技術サイドからの意見もヒヤリングしておくと、制作過程に移った後の進行がスムーズになります。
制作準備
プレゼンが通り、ゲーム制作が決定した後は、制作準備に移ります。ゲームの制作準備をするにあたって、どのようなコンセプト、シナリオ、テーマのもとで、具体的にどのようにストーリーが遷移してどんなレイアウトで進むのかをまとめた仕様書をまとめるのもゲームプランナーの仕事。
ゲームデザイナーやプログラマーとも密にコミュニケーションを取り、イメージを裏側の仕様を含めて肉付けしていくプロセスです。
ここの詰めが甘いと、制作がスタートした後に思わぬアクシデントや二度手間、軌道修正が発生するリスクがあるので、各所との合意をとっておきましょう。
制作
制作に関してはゲームデザイナーやプログラマーを中心に開発が進みます。プランナーは先々の方向性や軌道修正が必要な箇所での舵取り的な役割として関わります。
ここで方向性がブレていたり指示があいまいだと、大きなロスにつながる可能性があるので調整はこまめに、意思決定はブレないように進める必要があります。
分析・改善
ゲームは公開したら終わりではありません。リリース後の売れ行きやユーザーの声の定量・定性的な効果測定、膨大なデータの分析、改善点の抽出と実施が不可欠です。
特に、最近はソーシャルゲームやコンシュマーゲーム、いずれにおいてもダウンロードコンテンツでの続編シナリオ、課金によって使えるようになるアイテム・キャラクターの追加、課金することで一つのゲームをより長く遊べるような仕組みが当たり前となってきています。
長く愛されるゲームをつくるためにも、バグや追加要素、どうすればより魅力的なゲームになるのかを考え抜いて改善する必要があります。
また、次回作やまた別の作品をつくる際の参考にするためにも、プロジェクト全体を振り返りが欠かせません。
ちなみに、ソーシャルゲームの場合、追っていく主な指標(KPI)としては、以下のようなものがあります。
- Sales:売上
- DAU:その日ゲームにログインしたユーザー
- ARPPU:課金したユーザーの平均課金額
- ARPU:その日ログインしたユーザー全員の平均課金額
- PU:課金ユーザー数
- PUR:課金率
ゲームプランナーの年収とキャリアパスの例
ゲームプランナーの年収は、Indeedなどの仕事の検索エンジンや各種転職サイトを見ていると、
年収350万円〜600万円
くらいが相場のようです。
キャリアアップや、大手企業への転職、独立などによって変動していきます。やはり中小の制作会社よりも、大手企業のほうが収入や福利厚生の面で充実している傾向があるようです。
ゲームプランナーのキャリアパスとしては以下のようなパターンがあります。
ゲームプランナー(ゲームデザイナーと呼ばれることも)
↓
PM
↓
ゲームディレクター・プロデューサー
↓
経営に携わる,独立する
あくまでも一例ですが、プランナーとしてのキャリアパスは、ディレクターやプロデューサーを目標として置くことが多いです。プランナーからPMやディレクターとなると、関わるステークホルダーの数はどんどん増えていきます。
ですから、納得感のあるゲームの企画立案はもちろん、関係各所との円滑なコミュニケーション、調整が必要となってきます。
そしてディレクターやプロデューサーとして、成果を出していくと徐々にマネジメント系のキャリアを歩むか、よりプレイヤーに近いところで独立するパターンがあります。
最近は副業的な働き方も少しずつ増えているので、別会社の手伝いをしながら本業もがんばるキャリアも生まれつつあります。
特に最近は、ファイナルファンタジーやドラゴンクエストでおなじみのスクエア・エニックス社が在宅勤務に移行するなど、ゲーム会社にも柔軟な働き方が可能となってきています。
働き方改革や新型コロナの影響など、理由はさまざまですが、より生産性アップや働きやすい環境が整うに比例して、空いた時間を活かして別の仕事やキャリアアップに務めるハードルも下がっていくことでしょう。
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ゲームプランナーに求められるスキルセット
ゲームプランナーには以下のようなスキルセットが求められます。
- 市場の動向を常にキャッチアップし「売れるゲームの特徴」を考え抜くことができる情報収集力
- どうすれば、売れるゲームを作れるかを具体的に落とし込むための思考体力
- クライアント社内のニーズ・要望を汲み取り、最適解を導き出す調整力
- 技術サイドと対等にやり取りできるような、UnityやUnreal Engineなど、ゲーム関連技術についての理解
- 数千万・数億・数十億円といった予算を使う上でコアとなる企画を考えるにあたって、わかりやすい資料をつくるためのドキュメント力
- 感覚ではなく論理的にそのゲームの価値を伝えられる論理的思考力
- ゲームが好きという気持ち
- 個人ではなく、どうすればチームで勝てるかを考えてやり取りするコミュニケーション能力
- 数字と、いちユーザーからの声と向き合い、PDCAを回す力
ゲームは一人では作れません。特に大きなプロジェクトになればなるほど、関わる人は多くなるため、面白い企画を作るのはもちろん、いろんな人達を巻き込んでいく力が必要となります。
未経験からゲームプランナーになるには?
ゲームプランナーは、前述したように、マーケティング観点や人的マネジメント観点、技術的観点を踏まえて、かなり幅広いスキルセットが求められる仕事。
未経験からいきなりゲームプランナーになるのは簡単ではありません。未経験可の求人もほとんどありませんし、あったとしても未経験の方がほしいくらい、人手に困っている=何かしら待遇面で裏がある会社な可能性があります。
ゲームプランナーになるには、以下のようなパターンがあります。
新卒入社パターン
大学や専門学校を卒業した後にゲーム会社に新卒入社して、プランナーデビューするパターンです。
アルバイト入社パターン
アルバイトとして、デバッガーなどの職業から入社し、そこから徐々にキャリアアップし、プランナーデビューするパターン。
中途入社パターン
異業種(主にディレクター系職種やプランナー系職種など)から、ゲームプランナーとして転職するパターン。
また、スクールに通って、基礎スキルを身に着けてから入社するパターンなどもあります。
開発サイドを学んでからゲームプランナーを目指すのもあり
ゲームプランナーを目指す上で、ゲームを開発する側の視点を学んでおくと、後で強みになるはずです。
デジハリオンライン・スクールでは、UnityやUnreal Engineなど、ゲーム開発の講座を用意しています。
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