Webデザイナーの仕事としてみなさまが最初に思い付くものはどのようなものですか?
PhotoshopやIllustratorを使った「グラフィックデザイン」、HTML/CSSによる「静的Webサイトのコーディング」、あるいはJavaScriptを使った「動的Webサイトの制作」などを挙げられる方が多いのではないでしょうか?
Webサイト制作というワークフローの中で、このような専門的なスキルが必要となる工程が、Webデザイナーが活躍する機会であることは間違いありません。一方で、Webサービス市場の成長に伴い、Webサイト間の競争も激しくなっており、より優れたWebサイトを構築するためにWebデザイナーにも更なるスキルアップが求められています。今回はその鍵となるWebディレクション力について説明した上で、Webデザイナーのスキルアップ方法をご紹介します。
Webディレクション力とは?
Webデザイナーの中には、さまざまな経験を得た後、Webディレクターにキャリアアップする方が多いです。
Webディレクターは高いコミュニケーション力や柔軟性、視野の広さが求められるため、その育成が難しい職種といわれています。ステップアップのために、どのような方向を目指してどのスキルから修得していけば効率よく到達できるのかと悩まれるWebデザイナーの方も多いでしょう。
独立やフリーランスで仕事をするためには、Web制作の流れ全体を自分でこなせる必要があります。そのために欠かせないのが制作の前段階である「企画」を含めたディレクションのノウハウです。
一口にWebディレクションといっても、その職務内容は多岐にわたります。そこで、分かりやすいようにWebディレクションの職務内容を「企画」「開発」「運用」の3つに分類しましょう。
ビジネスの成長を最も重視し、顧客への積極的な提案やリレーション構築にフォーカスする場合は、「企画」の関連分野を中心としたスキル。
既にWeb制作の仕事を受注する流れができており、プロジェクトの進行管理やWebサイトの機能向上がテーマになっている場合は、「開発」中心のスキル。
既に構築されたWebサイトを担当することが決まっており、該当サイトにおける課題の抽出や改善、あるいはSNSを使ったプロモーションの推進などで広告効果を最大限引き出そうという場合は、「(広告)運用」関連のスキルをどのように伸ばすか考える、ということがWebデザイナーとしてのスキルアップにつながるでしょう。
なぜWebディレクション力が求められるのか?
EC(電子商取引)はBtoB(企業間)、BtoC(消費者向け)ともコンスタントに市場規模が拡大しています。
例えば、BtoCについて、経済産業省が2015年5月に発表したプレスリリースでは、2014年のEC市場規模が12.8兆円(前年対比14.6%増)と急速に拡大しており、EC化率(商取引市場規模に対する、電子商取引市場規模の割合)も4.37%に至っています。
東京オリンピックが開催される2020年には小売りの20%である60兆円までネット通販市場が拡大すると予測しているマスコミもあり、ショッピングモールなどのリアル店舗で起こっている激しい競争がECサイトでも起こる可能性が高まっています。
このようなビジネス環境の変化の中で、クライアントの視点がターゲットユーザーやコンバージョンポイントを想定したWebサイト全体での集客へ移ってきています。優れたディレクション力をベースにした的確なクライアントへのアピールがなければ、いくらデザインが優れたWebサイトを制作してもクライアントから高い評価をいただくことは難しくなります。
効率的にWebディレクション力を高めるためには?
Webデザイナーのスキルアップ方法の1つが、講座を受講することです。改めて体系的にWeb制作に関する知識を学びなおすことで、日々の業務では気付かなかった新たな発見があるかもしれません。
デジハリ・オンラインスクールでは、Webデザイナー講座を「フリーランスとして独立したい方向け」「在宅で家事と仕事を両立したい方向け」「Web業界への就職を目指す方向け」と分けることにより、求められるWebデザインの専門性とWebディレクション力のバランスに応じたカリキュラムを組んでいます。
オンラインスクールの特長として、カスタムメイドなカリキュラムを提供できるため、例えば、スマートフォンやWebプログラミングのお得なセット講座にWebディレクター講座を追加することも可能です。ご自身でスキルアップしたい分野とディレクション力を組み合わせることにより、Webデザインの特定分野の強みを活かしたWebディレクターを目指すことができます。
まとめ
優れたWebデザインのスキルがあっても、制作側の見方だけで作業を進めると企画・設計やクライアントとのリレーションを軽視しがちになります。デザインの技術だけでなく、Webディレクション力を磨き、現場やプロジェクトごとに適切な提案ができるWebデザイナー・Webディレクターを目指してください。
リーダーシップを発揮して一層のやりがいを感じることで、その思い入れやモチベーションが表現に反映されるという相乗効果も期待できるでしょう。