長引く不景気の影響もあってか、子育てが一段落したタイミングなどで、働きたいと考える主婦は少なくありません。主婦といっても、現代では多くの女性が結婚前に一度は仕事をした経験があるものです。「再就職を目指す主婦が増えている」というのが正確なところでしょうか。主婦がもう一度働きたいと思ったとき、どのように就職活動すれば良いのでしょうか。今回は、専業主婦の再就職について調べました。

 

専業主婦が再就職するメリット

専業主婦が再就職するメリット
専業主婦が再就職する場合、派遣社員やパート、アルバイトといった形態であれば就職口が見つかりやすいかもしれません。しかし、再就職したメリットが大きいのは、何といっても正社員です。

正社員として再就職すれば、社会保険に加入できます。社会保険に加入できるということは、老後の年金が増えるということです。もし、35歳で再就職して社会保険に加入し、月収15万円で60歳まで働いたならば、65歳から給付される年金が年間35万円もアップする計算になります。配偶者まかせではなく、自分の年金をしっかりともらえれば、心安らかなシニアライフを満喫できそうです。

さらに、正社員ならば有給休暇も取得できます。また、育児休業給付金も出るため、2人目や3人目を考えている人ならばさらにお得です。2014年4月から育児休業給付金が給料の50%から67%にアップし、取得しやすい企業も増えています。1人目のときよりも正社員として働きながら子育てしやすい環境が整っていることを実感できるでしょう。

(なお、週あたりの勤務時間などの条件を満たせば、パート、アルバイトの方でも社会保険への加入と、有給休暇の取得は可能です。)

 

専業主婦が再就職に向けて課題をクリアするには

専業主婦がもう一度就職するとなると、クリアしなければならない課題が多かれ少なかれあると思われます。中でも重く感じられるのは、家庭との両立キャリアのブランクではないでしょうか。

家事については、やはり今までと同じようにこなすことは難しくなります。そのため、家族から不満の声があがる可能性もゼロではありません。しかし、働き手が増えるということは、普段の家計の助けになるだけでなく、不測の事態が起きたときの備えができるということでもあります。このメリットを家族で話し合い、家事を分担してしまうことも1つの方法です。家事は全部自分で完璧にこなさなければ気が済まない方もいるかもしれませんが、思い切って他の家族に任せてみるのも良いでしょう。

キャリアのブランクも、考え方次第で解決できます。確かに、業種によっては求人数が少なく競争率が高いものもあり、そう簡単には再就職できないのが現状です。ただ漠然と正社員のメリットにばかり気を取られていると、再就職が遠のいてしまうかもしれません。「なぜ正社員なのか、どうしても正社員でないといけないのか」を考えてみましょう。そうすると「パートで入社して正社員登用を目指そう」「シフトが短いアルバイトで働きながら、資格の勉強をしよう」などの新しい道が見えてくるかもしれません。

 

専業主婦が再就職する方法

専業主婦が再就職する方法
専業主婦が再就職しようと考えたとき、経験のある職種を考えている人も多いと思います。しかし、事務職などは若い人から採用される傾向があります。そこで狙い目なのが、主婦ならではの経験を生かせる仕事です。同じ事務職でも美容、家具メーカー、幼児教育など主婦を主な顧客とする業種ならば、主婦の採用も幾分多めになっています。

また、既に持っているスキルではなく、今関心があること、将来どのような人になりたいかを軸にして仕事を探すこともおすすめです。例えば、ネット通販をよく利用している方なら「この写真では商品の特徴が分からない」「このページは使いにくいな。私だったら、こうするのに」など思われた経験があるのではないでしょうか。実は、その「私だったら…」の経験がきっかけでWebデザイナーを志す方もいます。

現在・将来への希望と、これまでに得た主婦目線を掛け合わせれば、採用選考で有力な志望動機としてアピールできるでしょう。

最近は、インターネット上でさまざまな情報を得ることができます。転職情報サイトに限らず、企業のホームページに採用情報が掲載されていることがありますので、気になる企業があれば定期的にチェックしましょう。

すぐに再就職をする予定のない方も、どのような業種・職種の募集があり、スキルが求められているのか傾向を見るだけでも、再就職の準備になるためおすすめです。

 

まとめ

確かに主婦の再就職を取り巻く環境は平坦であるとはいえません。しかし、再就職すれば、家計の助けになり、キャリアを望む方にとっては充実感を得ることができます。インターネット上にはオンライン講座など学びの場もありますので、そのようなサービスを上手に利用し、就職活動とスキル磨きをするのもいいでしょう。