個人用のブログをはじめとして、企業サイトのCMSにも広く利用されるようになったWordPress。このプラットフォームを利用するために必要なデータベースが「MySQL」です。WordPressを活用する上で必須となるMySQLとはどのようなものか、その設定方法なども含めてみていきます。
WordPressで必須となるMySQL
WordPressでは、データベースを管理するためにMySQLと呼ばれるシステムを利用しています。
MySQLとは全世界で広く普及しているオープンソースの関係データベース管理システム(RDBMS)の1つです。1998年にWindows版がリリースされましたが、文字コードサポートなどの問題で日本での普及は遅いものとなりました。
その後改良が重ねられ、2009年ごろには日本でもトップシェアを誇るRDBMSとなったのです。大手通販サイトやSNSでも導入されており、知らずにMySQLの恩恵にあずかっていることも多いでしょう。
一方、WordPressは2003年にリリース以降、徐々に利用者を増やしてきました。このWordPressのデータベース管理システムとして、当時から世界的に普及していたMySQLが採用され、シェアを伸ばしてきたのです。
MySQLは、処理スピードが速く安定していて、使い勝手の良いシステムであることが普及の要因と考えられます。マルチユーザー対応であることから、WordPressのように不特定多数の人が利用するソフトウェアやアプリケーションによく用いられていることも特徴です。
WordPressを利用するためには、MySQLをインストールすることが必要です。なお、商用利用をしない場合、ライセンス取得の必要はありません。個人でWordPressを使いたい場合は、そのままインストールして設定を行えば利用することが可能です。
レンタルサーバーでも広く活用されるデータベース
WordPressのWebサイトを持ちたいときは、レンタルサーバーを借りて運用を行うことが一般的です。レンタルサーバーにはデータベースとしてMySQLを利用できるものが多く、サービス内容によっては、MySQLを無制限に利用できる場合もあります。通常WordPressで作成したWebサイト1つにつき、利用するMySQLも1つです。複数のWordPressサイトを運営したいときは、MySQLを制限なく利用できるレンタルサーバーを選びましょう。
MySQLをデータベースとして利用できるレンタルサーバーは、無制限かつ高い安定性を保てるためサーバーの利用料金が高くなる傾向にありますが、WordPressの利用を制限されないことを考えると料金に関して多少は目をつぶることを検討しても良いでしょう。
使用できるストレージエンジンについて
データベースにおいて書き込みや保存、アクセスなどを行うのがストレージエンジンです。MySQLはマルチストレージエンジン方式であるため、MyISAMかInnoDBのいずれかを選んで利用できるようになっています。
InnoDBの導入以前はMyISAMが用いられており、現在でも処理の高速性が高いことからWebアプリケーションなどによく利用されています。ただし、複数の命令の処理をまとめて行うことが可能なトランザクションに対応していません。同時に多くの処理を必要とする場合にはトランザクションの利用が必須となるため、ストレージエンジンについてはInnoDBが主流になりつつあります。
高速性に関してはInnoDBがMyISAMに劣るとされていましたが、近年はInnoDBの高速化も進んでおり、両者の処理スピードは拮抗しているといえるでしょう。
レンタルサーバーでは、データベースの書き込みや保存を行うストレージエンジンの方式を高速処理が可能なMyISAMか、複数の命令の処理を一度に行えるトランザクションに対応したInnoDBかを選べることがほとんどです。
多くのレンタルサーバーでは、MySQLがすでにインストールされており、その場合は自ら手動でMySQLをインストールする必要はありません。
まとめ
WordPressをもっと有効に利用したい、Webサイトを複数作りたい、ボリュームのあるWebサイトを構築したい、というときには、MySQLを制限なく利用できる方法を採りましょう。レンタルサーバーを借りれば、面倒なインストールやデータベース作成が簡単になります。さらに、WordPressを利用するために必要なPHPも同時に利用できるレンタルサーバーであれば、WordPressの活用の幅が広がるでしょう。