CGデザイナーとして、仕事を獲得する上で欠かせないポートフォリオ作成。言ってしまえば、自分の「履歴書」であり「名刺」とも言えるポートフォリオではありますが、特に初めてポートフォリオを作る方にとっては、どのような内容を、どのように載せればいいのか、悩ましいところもあるのではないかと思います。

 

本稿では、主に初めてポートフォリオを作成するCGデザイナーの方に向けて、おすすめのコンテンツや、おすすめのサイトなどを解説していきます。

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ポートフォリオとは?CGデザイナーにとっての目的と役割

ポートフォリオは、対外的にCGデザイナーとしての自分の作品を紹介するためのものです。就職活動・転職活動においてはほぼ確実に提出を求められ、フリーランスや副業として仕事をする場合には、ポートフォリオの作り込みが案件獲得難易度を大きく左右します。

 

3DCGのようなビジュアルで訴求するような作品は、見せ方ひとつで大きく印象が変わりますので、ポートフォリオ作成時は戦略的に掲載方法を考えておくとよいでしょう。

 

CGデザイナーがポートフォリオを作成する上での心構え

ポートフォリオの内容やサイトを考える前に、まずは作成前に抑えておきたい心構えをまとめておきます。

 

・とにかく見やすさを意識する

あくまでも主役は「作品」です。Webサイトやファイルにまとめる際はサイドバーや装飾などがごちゃごちゃあることで、作品のインパクト、視認性が落ちてしまいます。

ビジュアルで表現するCGデザインの世界だからこそ、無駄な要素は極力削ぎ落とすようにしましょう。

 

・届けたい人の顔を思い浮かべて作成する

他のデザイン系の職業がそうであるように、デザインはアート・自己表現ではなく、「課題解決」です。作品を載せるサイトを作成する上で、どのような人に届けるかをイメージしておくとよいでしょう。個別の作品をまとめるサイトの世界観を決めてから着手することをおすすめします。

 

・自分の知らない人にわかるように作成する

ポートフォリオを見てもらう相手は基本的に自分のことを知らない人です。作品に思い入れがあるからこそ、ついつい主観のみで文章などを補足しがちですが、客観情報を交えることで、自分のことを知らない人にとっても、信ぴょう性や作品の裏側のストーリーを具体的にイメージできるようになります。

・自分ならではの魅力を端的に伝える

ポートフォリオはいかに、短時間で自分ならではの魅力を伝えるかが大事です。数あるCGデザイナーの中から自分に注目してもらうためには、自分のオリジナリティの把握と見せ方の工夫が欠かせません。特にCGの専門学校を卒業したての方の場合、学校の作品だけでは、どうしても似たような内容に偏りがちなので、自己制作であっても、自分らしさが出るものを載せるとよいでしょう。

 

すなわち、目的と届けたい相手を考えた上で、わかりやすく自分の世界観を伝えるということです。

 

ポートフォリオはそのまま仕事の商談や採用面接などでも使用されるので、各作品において裏側をわかりやすく言語化しておくことが大事です。

CGデザイナーがポートフォリオに載せるコンテンツとは

 

それでは、具体的にCGデザイナーがポートフォリオに載せるとよいコンテンツをお伝えします。

・作品

まずは作品です。いかにこれをわかりやすく見せるかがポートフォリオ作成において最も重要なのは言うまでもありません。作品の迫力やCGならではの詳細部分までのこだわりが伝わるように、できるだけ高画質かつ画面いっぱいに作品が出るようにしましょう。

 

ビジュアルだけでなく、作品名、どのような目的で作成されたのか、制作期間、使用ソフト、こだわりなどもまとめるようにしましょう。ここで、反対に語りすぎてしまうと解釈の余地がなくなるので、「余白」を残すバランス感も重要です。

 

どの作品を載せるかは、自分の見せたい世界観によって判断しましょう。たくさん作品を作っている方の場合、ここのキュレーション力は問われます。

 

・自己紹介プロフィール

ご自身の生い立ちや、作品をつくる上でのこだわり、連絡先などを必ず載せるようにしましょう。

 

・SNSやブログへのリンク

ポートフォリオサイトだけでなく、別の媒体でも読者と繋がれるようにSNSリンクは設置したほうがよいでしょう。また、ブログなどご自身の思いや考え、作品の裏側を補足するような媒体へのリンクがあると、より深く自分のことを相手に知ってもらいやすくなります。

SNSやブログで作品の制作経過を発信するCGデザイナーも多いですね。

 

CGデザイナーがポートフォリオを掲載するサイト



ポートフォリオはもともとファイルにパッキングして提出することが多かったですが、今は利便性を考えてそれぞれのWebサイトを通じて提出することが多いです。

 

Webサイトの小さな画面よりも大きなビジュアルを見せられたり、より細やかに提出相手ごとに載せる作品を変更できるなど、ファイルならではの魅力もありますので、使い分けるようにしましょう。

 

CGデザイナーのポートフォリオは

・2DCGの静止画

・3DCGの静止画

・2DCGの動画

・3DCGの動画

 

の4種類の作品を掲載することとなります。おすすめのWebサイトとしては以下があります。

 

・オリジナルのWebサイト

Wix.comやWordPressなどで自由度の高いWebサイトを作る人は多いです。やはり、自分の世界観を表現する上で、小回りが効くような見せ方ができるオリジナルWebサイトは人気です。

一方で、サイトを1つの作品として立ち上げる工数やサーバー代などはかかってしまうので、メリット・デメリットを比較して選択しましょう。

 

・ポートフォリオ用サイト

ポートフォリオ用サイトは、他のWebサイトと比較してポートフォリオを載せるのに最適化されているので、「とりあえず作るか」という方におすすめです。ポートフォリオは、「忙しい人ほどなかなか更新できない」といった問題がありますが、ポートフォリオ用サイトはこの辺りのハードルも比較的低いです。

 

具体的には、

・Portfoliobox

・foriio

・MATCH BOX

などがあります。

 

・note

最近活用しているCGデザイナーが増えているのがnoteです。SNSと従来のブログの間のようなサービスで、気軽に更新できるブログのような機能がメインであるにも関わらず、SNSのようにフォロワー機能がついているため、中長期で見てファンがつきやすいというメリットもあります。また、ブログのように日記や役立ち情報の発信としても使用できます。

 

ただ、ポートフォリオ用サイトほど大きく画像を載せるのは難しいなどの制約もあります。

 

・YouTube

2Dや3Dの動画やアニメーションを載せる場合は、YouTubeでチャンネルを開設するのも一つです。YouTube上でのファン獲得にも繋がりますし、YouTubeの動画をサイト上に埋め込んで使用するなどの転載的な使用方法もできます。

 

CGデザイナーが参考にするにするとよいサイト

 

3DCGクリエイター 米岡 孝さんのWebサイトです。

米岡さんは以下のようにYouTubeに3DCGの動画をアップおり、Webサイトと組み合わせてポートフォリオを作成されています。

WebサイトはTumblrという、デザイナーやクリエイターに多く利用されているサービスです。

 

 

CGデザイナーとしてポートフォリオを作成する上で、最も大事なのは、ポートフォリオの見せ方を工夫するのはもちろん、アウトプットとなる作品の1つ1つをレベルアップさせていくことです。

 

かっこいいサイトを作っても、載せている作品の内容がいまいちだと、読み手には響きません。まずは自分自身を磨いて、コツコツと胸を張れる作品の数を増やしていくことこそが、最も人気のCGデザイナーを目指す上での近道といえるでしょう。

 

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