Webマーケティングはビジネスの成長に欠かせない重要な分野ですが、「Webマーケティングはやめとけ」という声も時々聞かれます。今回は、Webマーケティングの現実と向き合い、この道に進むべきでない人や逆に向いている人、そしてやりがいやスキルの獲得に焦点を当てて探求します。さまざまな視点からWebマーケティングの真実に迫ります。

Webマーケティングはやめとけ、と言われるのはなぜ？

Webマーケティングは成果が出ると非常に魅力的ですし、キャリアの幅も広がりやすいため人気の職種ですが、一方でこの業界にはやめたほうが良いと感じる人もいます。その理由を推察します。

1. 激しい競争と変化の激しさ

Webマーケティングの世界は激しく、競争も激しいです。常に新しい手法やテクノロジーが生まれ、それに追いつくためには常に学び続ける必要があります。昨日まで成果が出ていたのに、翌日から急に成果が出なくなったり、既存の手法が通じなくなったりすることもよくあります。このように変化が激しいため、一度身につけたスキルもすぐに陳腐化してしまうことがあります。

2. 数字やデータの解析が必要

Webマーケティングでは、データや数字を元に戦略を構築し、最適化を図ることが求められます。これには膨大なデータの解析が必要であり、緻密なデータ分析の作業とロジック設計が求められます。思考体力が必要な仕事ゆえ、それが苦手な人にとっては負担に感じられることがあります。

3. ストレスやプレッシャーが常について回る

成果を上げるためには常にプレッシャーがかかります。目標達成や競合他社との比較が厳しく、それが仕事に対するストレスとなることがあります。結果が直結する分野ゆえ、プレッシャーを感じやすい環境です。

4. マーケットの飽和状態

一部の市場や業界は既にWebマーケティングが飽和状態になっており、新しい参入者が厳しい状態です。これにより、成果を上げる難易度が増すことがあります。

関連記事：Webマーケティングとは？初心者がまずおさえたいマーケティング用語

Webマーケティングに向いていない人はどんな人？

Webマーケティングは幅広いスキルや能力が求められる分野であり、すべての人に向いているわけではありません。以下に、Webマーケティングに向いていないとされる特徴や性格をいくつか挙げてみましょう。

1. 変化を嫌う人

この10年ほどで主要なSNSがmixiからInstagramやTikTokに変化したように、Webマーケティングは急速に変化する環境であり、新しい技術や手法が続々と導入されます。変化に対応できない人や、変化を嫌う人にとってはストレスの源となりやすいです。柔軟に新しい技術や情報をキャッチし、トライしてみる姿勢が重要です。

2. 数字やデータに苦手意識がある人

Webマーケティングでは常にデータを扱い、戦略の評価や最適化を行います。数字やデータに苦手意識がある人は、効果的な施策の立案や改善が難しくなる可能性があります。

3. マルチタスクが苦手な人

同時に複数のプロジェクトやタスクを進行することが一般的なWebマーケティングの仕事です。マルチタスクが苦手で、一つのことにじっくり集中したいという人はストレスを感じやすいかもしれません。

4. ストレス耐性が低い人

結果が即座に数字として現れるWebマーケティングでは、プレッシャーやストレスが常について回ります。ストレスに弱い人は長期的な活動が難しくなる可能性があります。

5.即効性を求めすぎる人

Webマーケティングは、すぐに効果が出る施策もありますが、SEOやCVR改善のようにコツコツとした施策の積み重ねがある日突然成果につながるようなことも多いです。短期的成果はもちろん追いかけますが、施策特徴を理解した上で時にどっしりと構えて、中期施策に投資できる胆力が必要となります。

これからWebマーケティングを学ぶ方におすすめの講座

Webマーケティングに向いている人はどんな人？

反対に、Webマーケティングに向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか？

1. 柔軟性と適応力がある人

Webマーケティングは急速に変化する環境であり、新しいトレンドやテクノロジーが頻繁に登場します。柔軟性や適応力がある人は、変化に迅速に対応し、新しいアイディアを取り入れることができます。毎日新しいテクノロジーの情報やトレンド情報をキャッチして、すぐに活かせるのがWebマーケティングの面白み。そういったマメな情報収集が苦にならない人にはおすすめです。

2. データ分析が得意な人

Webマーケティングではデータを活用した戦略が不可欠です。データを分析し、傾向やパターンを見抜く能力がある人は、成功に近づくでしょう。数字に強い興味を持っていることも重要です。もちろん、数字そのものに強いことは重要ですが、数字を見て、そこから先にどのようなインサイトが得られるかを考えるのが好きな人は向いているでしょう。

3. クリエイティブな発想がある人

効果的な広告やコンテンツを制作するためにはクリエイティブな発想が必要です。「どうやったらユーザーの心を動かせるんだろう？」とユニークで魅力的なアイディアを生み出せる人は、視聴者や顧客の心をつかむことができます。アイデアを形にするための粘り強さも同時に必要といえるでしょう。

4. 計画性があり、細部に注意できる人

Webマーケティングにおいては、複数のメディアやチャネルで同時に施策が動くことがほとんどです。キャンペーンやプロジェクトを成功に導くためには、計画的で細部に注意が行き届いた作業が必要です。期限を守り、人を巻き込み、効果的なスケジュールを組むことができる人は、効率的に成果を出せるでしょう。

5. コミュニケーション力が高い人

Webマーケティングは他部署やクライアントとのコミュニケーションが欠かせません。上手なコミュニケーションができ、チームとの協力が得意な人は、プロジェクト全体を円滑に進めることができます。

6. 情熱的で自己駆動力がある人

Webマーケティングは常に新しいアイディアや戦略を模索する分野です。情熱的で自己駆動力があり、自ら学び、挑戦する姿勢を持っている人は、成功に近づくでしょう。最後はガッツと諦めない気持ちが大事です。

関連記事：Web担当者必見！Webマーケティングに必要なスキルと心構え

Webマーケティングのやりがいとは

Webマーケティングにはさまざまなやりがいがありますが、以下のようなものがあると考えます。

幅広い手法をスピーディにトライできる

Webマーケティングは前述したようにスピーディにトレンドが変わっていき、次々と新たな手法が発明される分野です。その時々でどうやったら最適な成果を出せるのかを考え、広告やSEOやSNSなどさまざまな施策を組み合わせてトライできます。

施策の組み合わせ方は無限大で、「どんなターゲットにどんなタイミングでどんな情報を提供するか」を深く考え、実行します。結果的に大ゴケすることもありますが、そこで得たエッセンスを次の施策にすぐ活かしてすぐ取り戻すことができることもあるのがWebマーケティングの面白さです。

施策効果を定量的データで表しやすい

オフラインの交通広告や看板、ポスターなどは詳細なデータまではなかなか数字としてキャッチするのが難しいです。しかし、Webマーケティングはどのタイミングでどんなユーザーがどんな行動を起こしたかがログとして残るため、Google Analyticsなどのツールを用いてWeb上でユーザーの行動分析をすることができます。

また、ユーザーの行動はリアルタイムでも把握することができるなど、デジタルならではのデータが蓄積することでインサイトを知ることができます。

キャリアとしての広がりがある

Webマーケティングは直接的にお金に繋がりやすく、デジタル時代の企業プロモーションの基礎となるため、多くの企業で必要される職業です。そのため、求人も多く、収入もある程度は担保されています。また、独立したり個人でWebマーケティングのスキルを活かした副業などもしやすいなど、キャリアの幅が出やすいタイプの職業です。

ただ、トレンドは常に変化して、昔は効いていた施策が効かなくなることも多いので、時代の流れを捉えて、本質的なマーケティングをできるようにしておくことが重要です。

【実録】Webマーケターになって身についたスキル

Webマーケティングの仕事をしている著者が仕事をする中で実際に身についたスキルをまとめてみます。

言語化能力

クライアントやユーザーのニーズを汲み取って、「彼らの心を動かすにはどのようなメッセージがよいのだろう？」とひたすら言語化する作業がWebマーケティングの仕事では求められます。広告のランディングページのキャッチコピーから、デザイナーにバナーイメージを伝えるための理想状態の言語化、ブログコンテンツで伝えたい情報を読者に端的に伝えるための言葉選びなどなど。対ユーザーにおいても対社内やパートナーに対しても、スピーディに言語化してやり取りしていくのが重要となるため、言語化能力は鍛えられた気がします。

成果から逆算するスキル

Webマーケティングの仕事は、前述したように非常に手法が多様化しており、効果的な施策もあればそうでない施策も多くあります。そのため、「これはやる」「これはやらない」という緊急度と優先度に則った判断が重要になります。ほしい成果は何なのか、そのために最適な方法は何なのかを考え、連続的に施策を実施する。緊急度、重要度の低いことはやらないなど、できることが多いからこその選択と集中の重要性を学びました。

まずデータを見てみる癖

施策実施をした後に、ページごとのアクセス状況や、チャネルごとのアクセス状況などを分析することでデータからユーザー像を想像しやすくなります。Webマーケティングの仕事を始めたての頃はGoogle Analyticsのデータを見ても何がなんだかわかりませんでしたが、場数をこなしていくうちに少しずつ勘所がわかるようになりました。

Webマーケティングの将来性は？

年々、デジタル広告にかける予算が上がっていると言われており、今後もデジタル化に伴いその流れは続いていくことが予想されます。ですから、Webプロモーションにかける予算も比例して上がることになり、Webマーケティングの仕事もますます重要性が上がるのではないでしょうか。

その分、Webマーケターの母数も増え、転職市場などでも競争が激化することが予想されます。実績のあるWebマーケターのもとには仕事が集まるけど、そうでないWebマーケターのもとには集まらない、という二極化が進むかもしれません。Webマーケターを目指すのであれば、前者を目指せるように粛々とスキルアップしていきましょう。

Webマーケティング業界に転職したいなら？

Webマーケティング業界に転職したい場合は、独学でWebマーケティングを学ぶか、スクールでプロから教わるかの2種類が主流です。それぞれのメリット・デメリットがあるので、理解しておきましょう。

Webマーケティングを学ぶなら独学？スクール？

自分を律してコツコツ学んでいけるタイプの人なら独学という考えもありでしょう。しかし、三日坊主になってしまいそうなはスクールで学ぶのをおすすめします。独学の場合は、教本をもとにWebサイトを作って簡単に広告を回してみたり、ブログを運営してSEOやアフィリエイト広告を学んだりするという手段があります。しかし、いずれも胆力は必要なものなので、多くの方が挫折しがちです。スクールの場合、初期費用はかかりますが、プロフェッショナルからフィードバックを受けながら基礎を学ぶことができるという特徴があります。

強制的に学べる環境がほしい、切磋琢磨できる仲間がほしい、プロからフィードバックを受けたいという方はスクールをチェックしてみるとよいでしょう。