近年のデジタル化の勢いはすさまじく、スマートフォンの出現やSNSの浸透によって、人々の購買行動は大きく変わりました。

今後、ますます重要となる「Webマーケティング」の基本的な知識や集客方法の種類などについて本稿ではまとめていきたいと思います。これからWebマーケティングを学びたい!という方は参考にしてみてください。

 

Webマーケターへの第一歩を踏み出したいあなたへ

 

Webマーケティングとは

Webマーケティングとは、その名のとおり、Webを通じたマーケティング活動のこと。広告やコンテンツを通じて、Webサイトに集客し、購買につなげるという一連の流れを指すことが多いです。

よく「デジタルマーケティング」と「Webマーケティング」の違いはなにか?と疑問に持つ方も多いと思いますが、Webマーケティングはデジタルマーケティングの一種となります。

WebマーケティングはWeb広告やSEO、SNSなどの領域を指すことが多く、デジタルマーケティングはより広い、デジタルサイネージやCRM、MAによるナーチャリング、IoT、VR/ARなどの領域も包括する概念です。

なぜWebマーケティングが必要?注目される背景

経済産業省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」によると、物販ECの市場規模は12兆2,333億円となり、たったの5年で1.69倍にまで拡大したそうです。EC化率は8%。「物販」という世界だけでも、まだまだ市場の伸びしろはあるわけです。

最近「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」という言葉をよく聞くようになったように、私達の経済活動は今後ますますデジタル化が進んでいくことは明らかです。

だからこそ、ECのようにWebであらゆるモノやサービスを購買するようになるにつれて、ますますWeb上で集客や購買につなげるWebマーケティングの重要性はますます増していくことでしょう。

Webマーケティングの実際の業務は?

それでは、Webマーケティングは実際にどのような業務を担うのかの基本的な内容を解説していきます。

Webマーケティングをする上での主な流れ

Webマーケティングは、OOHやCMなどの手法と比較して、Google Analyticsなどを活用すれば「あらゆるデータを可視化しやすい」という特長があります。だからこそ、データドリブンでいかに高速でPDCAを回し、成果を改善していくかが重要です。

大まかな流れとしては、

現状分析→課題の設定→打ち手の設定と実施→効果検証→反省と改善

といった流れをどのような施策でも回していくことになります。

Webマーケティングとは?初心者がまずおさえたいマーケティング用語

KPI・KGI設定

Webマーケティングに関わらずですが、なにかしらの施策を実施する上で、目的に沿った目標設定は非常に重要です。そこでよく使われる考え方が「KGI」と「KPI」です。

KGIとは「Key Goal Indicator」の略。日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。 経営課題が「売り上げの伸び悩み」だった場合、例えばKGIには「売り上げ200%アップ」といった数値目標を立てます。

しかし、KGIだけ設定すると途中経過が見えにくいので、「Key Performance Indicator」、通称「KPI」と呼ばれる「重要業績評価指標」を設定します。KPIは売上達成のために、サイトのPVやUUを200%アップする、そこから会員登録する人を20%アップするなどの目標となります。

戦略設計

手法の詳細は後述しますが、Webマーケティングには、さまざまな手法が存在しており、その一つひとつが非常に高い専門性を求められる世界です。だからこそ、ついついある手法ありきで考えてしまいがちですが、重要なのは、いかに各手法を組み合わせて成果を最大化させるかという「戦略設計」です。

「SEO」や「広告運用」「SNS」などはすべて手法の話です。

どうすれば、必要な情報を必要な人に最適な形で届けていくかをプランニングした上で、それぞれの施策に取り組む視点を忘れないようにしましょう。

コンテンツマーケティング

2010年代前半から、コンテンツマーケティングという言葉がよく日本国内で使われるようになりました。これは、ターゲットユーザー向けのコンテンツを(Web上で)用意し、そのコンテンツを通じて購買につなげていくという手法です。

わかりやすい例だと、企業がSNSやオウンドメディアを開設・運用して役立つコンテンツを発信、そこから継続的にユーザーと接触するようになり、結果的にユーザーからの購買につなげていくというものが挙げられます。

キャンペーンの計画・実施

Webマーケティングにおいて、たくさんの施策を打っていきますが、ある共通の目的達成のため施策のひとまとまりを「キャンペーン」と呼びます。わかりやすいものだと、あるサービスのリリースキャンペーンや、クリスマスシーズンの期間限定割引施策などが挙げられます。

Web広告を運用する際などは、Google Analyticsなどを見ながら、このキャンペーンをまとめて管理してPDCAを回していきます。

イベント・コンバージョン計測

キャンペーンを実施していく上で、「売上」のような大きな目標だけ追っていても、経過の指標がブラックボックス化されていてはアクションのしようがありません。また、Webサイトを訪れるユーザーもさまざまな目的やモチベーションを持っているので、いきなり購入ボタンを押すわけではありません。

だからこそ、「問い合わせ」「メールマガジンの登録」「商品購入」などの複数のコンバージョンポイントを持っておき、それぞれの成果を計測しておくのが重要です。

アクセス解析をする上では、それぞれのクリックボタンにタグを付与し、そこから計測することが多いです。

アクセス解析など

前述したように、Webマーケティングはあらゆる数値を可視化しやすいのが特長です。Webサイトであれば以下のような数値をGoogle Analyticsを使えば閲覧できます。

・ページビュー
・訪問(セッション)数
・直帰率
・回遊率
・ユーザーの閲覧環境(端末やOSの種類など)
・流入経路
・検索キーワード

これらを見ながら、理想状態と現状のギャップを予測し、次なる打ち手を実施していきます。

アクセス解析とは?Webマーケティングで重要なWebサイト解析の指標

Webマーケティングの代表的な集客施策一覧

Webマーケティングと一言でいっても、「集客」「購買促進」など、ステップによってとる打ち手はさまざまです。代表的な「集客」に関連した施策をまとめていきます。

リスティング広告

Googleやヤフーなどの検索エンジンにおいて、入力したキーワードや属性に合わせて表示される「検索連動型広告」のことです。

キーワードという、ニーズが顕在化されたユーザーをターゲットにできるのが強みであり、SEOと合わせて実施されることが多いです。もっともベーシックなWeb広告といってもよいでしょう。

バナー広告

Webサイト上にバナーを掲載し、そこからランディングページに遷移させ、購買につなげていくという広告です。

GoogleやヤフーによるGDN(Google ディスプレイネットワーク)やYDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告)がもっともポピュラー。リスティング広告と異なり、バナーのビジュアルからサービスや商品についてのイメージを湧かせたり、訴求ができたりする点が強みです。

アフィリエイト広告

記事などにバナーやボタンで広告を掲載し、成果(購入や会員登録など)に至った場合に所定の額が媒体側に払われる「成果報酬型広告」のことです。

企業側としては、成果報酬型であるため、余計なコストを抑えられたり、商材のニーズが顕在化していたりするユーザーに対してアプローチしやすいのが強みの手法です。

アドネットワーク広告

複数の広告媒体を束ねた広告配信ネットワークに、広告をまとめて出稿する仕組みです。ある程度自動でPDCAを回すことができたり、個別で媒体と契約したりしなくてもいいので、運用負荷が軽めな点が強みです。

SNS広告

FacebookやInstagramやTwitterなど、SNS上でユーザーにアプローチできる広告のことです。SNS広告はユーザーの個人情報だけでなく、趣味嗜好までわかった上で細かくセグメントを切ってターゲットユーザーを決められる点が強みです。

ただし、各SNSそれぞれに世界観があるので、それらにマッチした内容やビジュアルの広告を打つ必要があります。

Facebookであればビジネス系の商材、Instagramであればおしゃれな商材、Twitterであればアニメや漫画などの商材など、それぞれの特性を理解しておきましょう。また広告メニューも媒体ごとにさまざまです。

SEO

SEOはSearch Engine Optimization=「検索エンジン最適化」のことです。広告と異なり、プッシュでコンテンツを配信するのではなく、検索エンジンで特定のキーワードで検索した際に、上位に自社のコンテンツが表示されるように対策することです。

サイト構造の見直しや、コーディングの最適化、サイト内のキーワード調整や関連したページ制作による「内部対策」や、被リンク獲得などの「外部対策」に大きく手法が分かれます。

また、自社サイト内でユーザーの役立つSEO対策された記事を配信し、より潜在的なニーズを持ったユーザーへとコンテンツを届ける「コンテンツSEO」といった手法も最近では多く見られます。

即効性の高い広告運用とは異なり、成果が出るまでは時間がかかりますが、上手く対策すればコストを抑えながらインバウンドで集客促進できます。

 

Webマーケターへの第一歩を踏み出したいあなたへ

 

SNS

企業の公式アカウントや、ときに企業内における個人のアカウントを用いて、集客と購買につなげる方法です。最近では、「企業の中の人」アカウントによって、SNSユーザーと交流するようなパターンも増えてきました。BtoBの商材など、アウトプットがイメージしにくい領域では、個人のアカウントとして日頃から接点を持ってブランディングし、企業の商材を紹介するといった手法も見られるようになりました。

また、そういったアカウント運用だけでなく、いかにポジティブな「口コミ(User Generated Contents)」が生まれるような仕組みをつくるかという点も最近では非常に重要視されています。

このデジタル化が進む現代においては、その企業やサービスのよい情報もよくない情報も検索すればすぐにヒットします。しかし、口コミサイトも業者によって対策されていることも多いですし、SNSの投稿もPR投稿や、時にはPR投稿表記のないような悪質なステルスマーケティングが横行していることもあります。

だからこそ、自分が信頼できる人の口コミこそが信頼できる状況が生まれてきており、ユーザーからのポジティブな、信頼性の高い口コミをいかに生んでもらえるかの設計づくりこそが、SNSにおいてはもっとも重要といえるかもしれません。

Webマーケティングのポイント

Webマーケティングは大変奥の深い領域で、手法もたくさんあります。しかし、実際に施策を考えていく上で、重要なポイントは案外共通していたりします。

施策を点ではなく面で考える

先ほどからも書いているように、SEOや広告運用、SNSなど、Webマーケティングに携わる人は非常にたくさんの領域をまたいで仕事をしていかなくてはなりません。

施策の深度ゆえに、SEOに注力するときはSEOのことばかり考え、広告に注力するときは広告のことばかり考えてしまう…といったことはWebマーケティング担当者にはあるあるなのではないでしょうか。

しかし、大事なのは施策を連動させて、全体感を把握した上で戦略設計をしていくことです。もちろん、各手法への深い理解をしておくのは重要ですが、それ以上に全体の施策をマネジメントして、上手く組み合わせたほうが、より少ないコストでより大きな成果をあげられるかもしれません。

誠実なコンテンツをつくる

WebマーケティングはWebサイトそのものも、バナーなどの広告ビジュアルも、SNSの投稿も、いずれも「企業の顔」となるようなコンテンツです。目先の売上はもちろん、中長期でのブランディングにも大きく影響するでしょう。

だからこそ、いい加減なものをつくるのではなく、誠実にユーザーと市場にとって価値のあるコンテンツを届けるようにしましょう。

自分が届けたいものではなく、ユーザーが欲しいと思うものを届けるのがもっとも重要です。

購買ファネルを理解した上で手法を考える

AIDMAやAISASのように、人が購買をする上でどのようなフェーズを経るかとおいう「購買ファネル」というものがあります。

あるターゲットユーザーが、どうすれば、サイトに訪れて、どうすれば数ある商品から自社のサービスを購入するかという「カスタマージャーニー」を描くのが大事です。

比較検討をしたいユーザーには比較検討がしやすいコンテンツが必要ですし、まだまだ商品に興味がないユーザーには興味を持ってもらえるようなきっかけとなるコンテンツが必要です。

今、課題となっているのがファネルにおけるどのフェーズなのかを俯瞰的に考えて、施策の優先順位を決めた上で取り組むようにしましょう。

的確な目標設定をする

Webマーケティングへの理解が浅い人ほど、Webマーケティングをやればすぐに成果が出る!と思い、無茶な目標設計をしがちです。Webマーケティングは魔法の杖ではありません。

もちろん、売上達成のために目標を置くのは大事ですが、エイヤ!で雰囲気で決めた目標を元に動き出し、途中で目標修正もできないような組織では、Webマーケティングに関わる人自体が疲弊してしまいます。

だからこそ、無理をせず、現状と理想状態のバランスを見た上で、適切な目標を決めて動いていきましょう。

また、Webマーケティングは数値化しやすいですが、中には数値化できないような領域も出てきます。そんなときは、行動目標をまずは設計して、そこからPDCAを回すなどの工夫が必要になるでしょう。

Web以外のマーケティング手法も理解しておく

Webマーケティングのポイントではないですが、Webマーケティングに携わっている人ほど、Webマーケティングですべてを完結させようとしてしまう発想になってしまうことがあるのではないでしょうか。

Web以外にも、交通広告やCM、雑誌などの紙媒体の広告出稿、DM配布や街頭でのティッシュ配りなど、マーケティングの手法は無数にあります。

Webは多くの場合、ブランディングというより、直接的に購買を訴求する施策傾向があるので、その点も理解した上で取り組むとよいでしょう。

Webマーケティング自体もひとつの手法でしかないのです。

Webマーケティングの基礎を学ぶ方法

それでは、実際にWebマーケティングの基礎を学ぶための方法をまとめていきます。

独学

未経験者がWebマーケティングを学びたい!となったときに、まず手っ取り早い方法として挙げられるのが独学です。

自分でWebマーケティング関連の書籍を購入し、それを元に学んでいく方法です。独学の場合、自分のペースで好きな方法で学習できるというメリットはあるのですが、その分、勉強しはじめても、すぐに辞めてしまう「三日坊主リスク」が付きまとうでしょう。

また、プロフェッショナルとの対話や周囲の人とのやり取りの中から学ぶわけではないので、学習する上で刺激が少なく、モチベーションが上がりにくいというポイントも。

スクールで学習する

独学は三日坊主で辞めてしまうリスクがある、しかし本気でWebマーケティングを学びたい!という方にオススメなのが、スクールでの学習です。

スクールであれば、プロの講師から指導を受けられたり、自身の課題に対してのフィードバックを受けたりすることもできます。また、質問なども気軽にしやすいですし、一緒に学習する仲間もできるかもしれません。

就職や転職相談がしやすいというのも、ひとつ大きなメリットとして挙げられるでしょう。

1994年の創業以降、数多のクリエイターを生み出してきたデジタルハリウッドでは、Webマーケティングのスキルを身に着けたい人に向けたオンライン講座を提供しています。

生徒目線での「学びやすさ」が反映されたカリキュラムを、自分のライフスタイルにマッチしたやり方で学習できるデジハリ・オンラインスクール。

未来のWebマーケターを目指したい方はぜひとも一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

本稿では、ガッツリとWebマーケティングの基礎知識をまとめてきました。Webマーケティングはとてもむずかしいですが、やりがいのある仕事です。また、マーケティングの関連スキルは、さまざまな企業で重宝されるでしょう。また、年収としても、高くなりやすい職業とも言われています。

Webマーケティングを学んだ後に、総合広告代理店が担うようなマスマーケティングの世界に飛び込む人もいます。

ぜひとも、高速でPDCAを回す必要のあるWebマーケティングの世界で、マーケティングのスキルを身に着け、描きたいような未来を描いてください。

定量的に物事を見る左脳と、クリエイティブに考える右脳、その両方の掛け合わせが面白い、唯一無二の職業です。

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