映画やゲーム、広告などの世界を中心に幅広い領域で活躍するCGクリエイター。そんなCGクリエイターのスキルを証明するために「CGクリエイター検定」という検定があるのをご存知でしょうか。
本稿では、CGクリエイター検定の概要や、試験の難易度、合格率や勉強方法をまとめて解説したいと思います。これからCGクリエイターを目指す方も、すでに活躍していてCGクリエイター検定の受験を検討中の方も参考にしてみてください。
CGクリエイターとは?活躍する主な分野は
CGクリエイターは、コンピュータグラフィックス(CG)を用いて映像や画像を制作するプロフェッショナルです。CGクリエイターは、3Dモデリング、テクスチャリング、アニメーション、ビジュアルエフェクト、映像編集などの様々な技術を駆使して、没入感のある映像や魅力的なキャラクターを作り出します。
また、CGクリエイターは映像制作だけでなく、建築や製品デザイン、医療などの分野でも活躍しています。彼らのスキルと創造力は、ビジュアルコミュニケーションの重要なツールとして広く認められており、需要が高まっています。
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CGクリエイター検定とはどんな資格?
CGクリエイター検定は、その名の通り、CG制作における専門知識の理解度や応用する能力を測るための検定です。民間資格であり、クリエイターの能力を客観的に証明するのに便利な資格となっております。
検定は基本的な知識の理解度を測る「CGクリエイター検定 ベーシック」と専門知識理解と理式を応用する能力を測る「CGクリエイター検定 エキスパート」の2つのレベルがあります。受験するなら、初心者はベーシック、中級者、上級者はエキスパートがおすすめです。
CGクリエイター検定の試験内容、難易度、合格率について
続いて、CGクリエイター検定の試験内容、難易度、合格率などより詳細な内容を解説していきます。
CGクリエイター検定の試験概要
CGクリエイター検定の最新の概要は公式Webサイトをまずは見てみるとよいでしょう。2023年6月時点での試験概要を以下はまとめてまいります。
CGクリエイター検定の出題形式
料金
CGクリエイター検定の料金は、受験するレベルやカテゴリーによって異なります。一般的には、受験する試験の種類やレベルに応じて、一定の受験料が必要となります。
現時点では各コースで以下の価格です。
ベーシック:5,600円
エキスパート:6,700円
開催回数・時期
CGクリエイター検定は年に2回、夏と冬におこなわれています。
併願受験
CGクリエイター検定は午前にベーシックレベルを受けて、午後にエキスパートレベルを受けるといったように、併願が可能です。CGクリエイター検定の他にも、同じCG-ARTS協会が運営するCGエンジニア検定やマルチメディア検定なども合わせて1日最大4検定まで受験できます。
CGクリエイター検定の難易度・合格率
CGクリエイター検定の合格点はベーシック・エキスパートのどちらも70点(100点満点)とされています。(難易度などによる多少の上下はあります。)
CG-ARTS協会によると、2022年後期の合格率は以下です。
レベル | 応募者 | 合格率 |
全体 | 4,471 | – |
ベーシック | 3,166 | 79.7% |
エキスパート | 1,305 | 20.3% |
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CGクリエイター検定の出題範囲・内容
ベーシックレベルとエキスパートレベルそれぞれによって出題範囲は異なります。
ベーシック
- CGの歴史と特性、CGの産業分野での利用、CG映像制作のワークフローについての知識
- 2次元CGや、3次元CGを制作するうえで必要とされる基礎的な知識
- 2次元CG、写真撮影とレタッチについての基礎知識
- 3次元CGによる映像作品の制作手順、制作手法の知識
- ハードウェアとソフトウェア,ディジタルデータについての基礎知識
- 知的財産権に関する基本的な考え方と、著作権についての知識
エキスパート
- 写真と動画の撮影や表現方法と,映像のカラーコレクションについての知識
- 編集の基礎的な知識。編集による表現手法についての知識
- モデリングの基礎知識。モデリング時に考慮するべき事柄についての知識
- リギングの基礎知識。リギング時に考慮するべき事柄についての知識
- 各種アニメーションについての知識
- シーン構築における、各プロセス(レイアウト、マテリアル、ライティング、レンダリング、合成)の基本的な知識と技術についての知識
- 映像制作工程についての知識
- 知的財産権に関する基本的な考え方と、著作権、産業財産権についての知識
- ファイル形式・規格
- 数理造形についての知識
CGクリエイター検定を取得するメリット
CGクリエイター検定を取得すると、以下のようなメリットが得られます。
スキルの証明
CGクリエイター検定は、自身のCG制作スキルを客観的に証明する機会です。試験に合格することで、専門知識や技術的なスキルを持っていることを証明することができます。
就職や転職の優位性
CGクリエイター検定は、就職や転職活動において優位性を持つことができます。資格を持つことで、他の候補者と差別化され、求人市場での競争力を高めることができます。
キャリアアップや自己成長につながる
CGクリエイター検定は、既存のスキルを向上させるだけでなく、新たなスキルを習得するための学習機会でもあります。合格に向けて集中的に学習を進めることで、キャリアの成長や昇進の機会を得ることができます。
資格そのものを持っていることもそうですが、資格取得のための過程でガッツリと勉強してインプットすることにも大きな価値があるといえるでしょう。
CGクリエイター検定の資格を取得するには?
CGクリエイター検定の資格を取得するには、前段としてCGクリエイターとしての基礎スキルを習得する必要があります。CGクリエイターとしての基礎スキルを身につける方法は大きく分けて以下です。
専門学校で学ぶ
学習費用はかかりますが、CGクリエイター向けの専門学校に通えば、プロフェッショナルから直接指導を受けながらスキル習得できます。本気でCGクリエイターになりたい!という方は検討してみるとよいでしょう。
専門学校は就職や転職にサポート機能があったり、業界とのコネクションも強かったりするため、スキル習得だけでなくその先のキャリアを考える際にも役立ちます。
独学で学ぶ
とりあえずCGに触れてみたい!という方はまず独学で学習してみるのも一つでしょう。CG制作の教本を購入し、それをもとに作品を制作していく方法です。独学は費用を抑えやすいですが、勉強するモチベーションが上がりにくかったり、フィードバックを受けにくかったりするところが難点です。
自分でコツコツと調べながら学習していける人向けの方法といえるでしょう。
CGクリエイター検定の資格取得のための勉強方法
続いて、CGクリエイター検定に合格するにはどのような勉強をすればいいのかをまとめます。
ベーシックのおすすめの勉強方法
まずはCGクリエイター検定の公式の問題集を購入しましょう。そして、BlenderやmayaなどのCGソフトをインストールしましょう。Blender無料で使用できますが、mayaは有料です。先々本気でCGクリエイターになりたい方は思い切ってmayaを購入するのも手でしょう。
公式テキストをもとに、CGソフトに触れながら1~2ヶ月ほどしっかりと学習すれば合格できる難易度です。
エキスパートのおすすめの勉強方法
エキスパートを受験する方もまずは公式の問題集を購入するところからスタートです。しかし、エキスパートは1~2ヶ月程度の学習では難しい内容となっています。3~4ヶ月ほど前から学習スケジュールを立てて、コツコツ学習していきましょう。映像編集やCGのシーン構築などより応用技術が求められるので、慣れも必要です。
CGクリエイターの検定の需要とは?
CGクリエイターの需要は近年急速に増加しています。映画、テレビ、ゲーム、広告、Webなど、様々なメディアでCGが活用されており、その需要は多岐にわたっています。企業やクリエイティブなプロジェクトでは、高品質なCG制作が求められており、それに応えるためにCGクリエイターの需要が高まっています。
また、Web領域の広告費は近年増加傾向にあります。SNSも普及し、情報が爆発し、クリエイターの数も増えてくると、企業としては「よりレベルの高いクリエイターと仕事をしたい」というニーズが高まります。そういった意味でも、クリエイターの技術保証の証明になるCGクリエイター検定の需要はますます高まるのではないでしょうか。
CGクリエイター検定の将来性は?
CGクリエイター検定の将来性は非常に高いと言えます。テクノロジーの進化により、CG制作の需要はますます増加しており、そのトレンドは今後も続くことが予想されます。CGクリエイター検定の資格を持つことで、より将来的なキャリアの安定や成長が期待できます。特にフリーランスや副業でCGクリエイターとしての活動をする人も増えてきており、クリエイターの母数が増える中、よりスキルセットへの信頼性を示せる材料があることは価値になります。
CGクリエイター検定の取得で収入はどのくらい変わる?
CGクリエイター検定の取得により、収入に変化が生じる可能性があります。CGクリエイターの給与は経験やスキルレベル、業界や地域によって異なりますが、資格を持つことで市場価値が向上し、給与水準の上昇や交渉力の向上が期待できます。また、資格取得によって新たなプロジェクトやクライアントの獲得につながる可能性もあります。
CGクリエイター検定の勉強なら専門学校がおすすめ
これからCGクリエイターを目指す方も、少しCGクリエイターの経験はあるけど、まだまだこれから検定(特にエキスパート)取得に向けてがんばっていくフェーズの方には、専門学校での学習をおすすめします。CGクリエイターとして生きていく上での基礎を抑えるカリキュラムがあるのはもちろん、検定受験者と出会い、情報交換したり、共に資格取得を目指し応援しあえたりする仲間もできるかもしれません。卒業後の就職や転職支援が受けられるのもありがたいですよね。
CGクリエイターの勉強をするならデジハリ・オンラインスクール
CGクリエイターを目指す方におすすめなのがデジハリ・オンラインスクールです。
1994年の創業以降、多くのCGクリエイターを輩出してきたデジタルハリウッドが運営するオンラインスクール。家の近くにスクールがないという方や、通学時間を含めてまとまった時間が取りにくい方でも、スキマ時間に学習できるのがオンラインスクールの強みです。
オンラインスクールといっても、その教材は創業以来デジタルハリウッドが磨き上げてきた「学びやすさ」が詰まった内容となっております。これからCGクリエイターへの一歩を踏み出す方は、ぜひ講座ページをチェックしてみてください。
まとめ
CGクリエイターは今後ますます盛り上がる職種といえます。ぜひ、CGクリエイターとしてのレベルアップを目指して検定にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ぜひ、エキスパートの取得もチャレンジしてみてください。