「2016年はVR(バーチャルリアリティ)元年になる」「VR技術は世界を変える新しい技術だ」などと耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか?
現在、VR技術はゲームや映像などのコンテンツ・エンタメ産業を中心に、多くの投資や技術開発が行われています。
一方で、VR技術で大きな飛躍を遂げようとしている業界はゲーム、エンタメ業界だけではありません。医療やフィットネスマシンなど、さまざまな分野への応用が期待されています。
今回は、特に夢が膨らむようなVR技術(バーチャルリアリティ技術)の応用例をピックアップしました。
VRで脳に「感覚」を取り戻す
3DCG技術の進歩により、詳細な患部のスキャンや再現などが既に実現し、VR技術を使った手術のシミュレーションも実用化が近いといわれています。
また、患者への治療方法としてもVR技術の応用が期待されています。特に、脳神経の領域に関して、VR技術を用いて治療することも可能になるとの論文が発表されました。
仮想空間の中で失われた手足を再現したり、動かなくなった手足を動かしたりすることにより、脳の感覚を取り戻し、正常な状態へ導くことができるのではないかと期待されています。実現されれば、事故などで手足を失った方の「幻肢痛」の治療にも効果が高いでしょう。
高所恐怖症やパニック障害など、特定の環境下で生じるさまざまな精神的ストレスに苦しむ患者の治療に対しても、仮想空間でストレスをコントロールしながら症状を緩和することが可能になるかもしれません。
VRで楽しみながらフィットネス
ドイツの企業が開発中の「ICAROS」は、飛行体験ができるVR用ハードウェアです。全身をバランス良く動かさなければならないため、フィットネスにも効果があると発表されています。
このように、VR技術を用いてスポーツやフィットネスを行いながら、筋力トレーニングや体幹トレーニングをすることも可能です。
ただし、ヘッドマウントディスプレイを装着したまま体を動かす体験はいわゆる「VR酔い」を引き起こすため、各企業が解決のために最も力を入れている課題の1つとなっています。
VRで歴史を仮想体験
VR技術を用いた歴史的な建造物や出来事を仮想体験する体験型学習など、教育分野へのVR技術の応用も期待されています。
長野県の上田城では、2016年1月のリニューアルに合わせ、スマートフォンアプリ「VR上田城アプリ」がリリースされました。400年前の上田城の姿を再現し、体験することができるVRアプリです。実際に現地でアプリを使用すると、再現された過去の姿を仮想体験して楽しむことができます。
また、九州国立博物館では、日本最古の装飾古墳である王立古墳の内部をVRで再現し、実際には立ち入ることのできない遺跡や古墳の内部を体験できる試みがありました。
このようなVR技術が学校などにも導入されれば、まったく新しい教育方法・学習方法が生まれることになるでしょう。
まとめ
さまざまな企業やユーザーが注目しているVR技術ですが、その技術の応用範囲はまだまだ無限の可能性を秘めているといっても過言ではありません。
スマートフォンの普及により、現代人の生活が大きく変化したように、VR技術の普及により今までになかったサービスの登場が期待されています。
そして、まだまだ発展途上の業界だからこそ、これからVR技術を身に付けようと考えている方にも大きな可能性とチャンスがあるのではないでしょうか。
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