現在ではゲーム、映画、バーチャルリアリティなど、さまざまなエンターテイメントに必要不可欠なものとなったCGの技術。CGを仕事にするといっても、モデリングやアニメーション、コンポジットなどのいわゆるCGデザイナーから、CG関連のソフトウェアの開発やプロジェクト管理、制作進行など、その職域は多岐にわたります。

そんなCG業界で役立つ資格が、「CGクリエイター検定」「CGエンジニア検定」です。CG業界で働きたい方は、この2つの検定について知っておいて損はないでしょう。

 

 

「CGクリエイター検定」「CGエンジニア検定」

筆記問題での出題
「CGクリエイター検定」
は、CGでの映像表現を行う、デザイナー、クリエイターのためのCGに関する知識、理解を問う検定です。

 

一方、「CGエンジニア検定」は、CGプログラマー、ゲームプログラマー、ソフトウェアエンジニアなど、CGに関連するプログラミング、エンジニアリングを行うための知識、理解度を確かめる内容になっています。

それぞれ、基礎知識を問うベーシックと専門知識や応用力を問うエキスパートの2段階があります。

 

CG制作におけるソフトウェアやツールにとらわれない幅広い理解、基礎の理解が求められ、映像表現などのスキルは問われず、すべて筆記問題での出題です。

 

各検定の難易度

合格点は「CGクリエイター検定」「CGエンジニア検定」ともに、ベーシック・エキスパートのどちらも70点(100点満点)とされています。(難易度などによる多少の上下はあります。)

昨年度に実施された検定合格率は、次のような結果です。(CG-ARTS協会の公式Webサイトより参照)

 

・2015年度[後期] CGクリエイター検定 合格率

・ベーシック     70.3%

・エキスパート   32.9%

 

・2015年度[後期] CGエンジニア検定 合格率

・ベーシック     65.9%

・エキスパート   48.3%

 

CG技術特有の専門用語や、理論に関する正しい理解が求められるため、今まで専用ソフトで「なんとなく」行っていた作業の理論的背景や明確な説明、計算を必要とする問題も出題されます。

また、70点という合格基準があるため、出題範囲のすべてにおいて、バランス良く知識を付けることが必要です。

 

資格取得のメリット

資格取得のメリット
CG検定は決して簡単ではないですが、検定に合格していると、CG技術全般への正しい理解があり、専門的なことも知っている、という証明となります。特に、専門学校や大学での専門的な学習経験や実際のスキルはないが、CG業界への就職を目指したい方にとっては、CG業界への入り口を開くために役に立つでしょう。

ただし、実技に関するスキルは問われないため、資格を取得したからといってそれだけでCG業界で働けるわけではありません。あくまで、理論や知識の裏付けになるということです。

 

また、CG業界での経験をすでに積んでいる方にとっても、CG制作の現場での実践的ノウハウから少し離れ、理論や知識などを再度確認するための1つの学習目標、目安とすることができます。

「CGクリエイター検定」「CGエンジニア検定」のどちらも、エキスパートのレベルの合格率は3~4割程度であることから、CGデザイナーの現場で働く方にとっても、専門学校や自身の知識の整理になるでしょう。

 

まとめ

CG業界では、専門用語や理論の理解に差があると、現場でのコミュニケーションに行き違いが起こる可能性があります。ちょっとした知識の漏れが原因で、大きな回り道をしてしまう場面も少なくありません。

スキルアップ、知識の再確認などに有効な「CGクリエイター検定」「CGエンジニア検定」。ぜひ一度、合格を目指して対策を始めてみてはいかがでしょうか。