Webデザイナーになって、クリエイティブな仕事をしてみたい!と思う方は多いのではないでしょうか。

独学で勉強するのもいいけど、スクールで効率的に学びたい。しかし、スクールはどうしてもお金がかかってしまうので、できれば安く学習がしたい。

そんな風に考える方におすすめなのが、給付金や補助金利用によるスクール学習です。

本稿では、Webデザインスクールに通う上で利用可能な給付金の解説と、おすすめのスクールをまとめてご紹介します。

 

Webデザインスクールで活用できる補助金「教育訓練給付制度」とは?

教育訓練給付制度は、労働者の主体的な能力開発の取り組みを支援するために、厚生労働省が実施している制度です。この制度は、キャリアアップや職業能力の向上を目指す人々に対して、教育訓練に要した費用の一部を支援するものです。

具体的には、雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者が、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講した場合に、教育訓練給付金が支給されます。Webデザインスクールに通う際にも、この制度を活用することで、受講費用の一部を補助してもらうことができます。

Webデザインスクールに通う場合、補助される給付金の金額はいくら?

教育訓練給付制度には、主に3種類の給付金があります。レベルや目的によって給付内容や給付を受けるための条件が異なります。

給付金の種類 対象者 給付率 給付上限額
一般教育訓練給付 雇用保険の一般被保険者 受講費用の20% 最大10万円
特定一般教育訓練給付 雇用保険の一般被保険者 受講費用の40% 最大20万円
専門実践教育訓練給付 雇用保険の一般被保険者 受講費用の50%(一部は60%まで) 最大40万円

給付金ごとに以下のような内容が対象となります。

一般教育訓練給付:資格の取得を目標とする講座、大学院などの課程が対象です。Webクリエイター系やTOEIC、簿記検定なども対象となっています。

特定一般教育訓練給付:業務独占資格などの取得を目標とする講座、デジタル関係の講座、大学等、専門学校の課程などが対象です。

専門実践教育訓練給付:業務独占資格などの取得を目標とする講座、デジタル関係の講座、大学院・大学・短期大学・高等専門学校の課程、専門学校の課程などが対象です。社会保険労務士、介護福祉士、歯科衛生士など士業を目指す方が広く対象になっています。

 

Webデザインスクールの多くは一般教育訓練給付の対象となるため、受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。これにより、スクール受講にかかる経済的な負担を軽減できます。

詳細は厚生労働省ホームページを確認しましょう。

一般教育訓練給付金をもらうための条件とは?早見表で解説

3つの給付金のうち、Webデザインスクールが対象となる一般教育訓練給付金をもらうための条件を早見表で解説します。

出典:厚生労働省ホームページ

一般教育訓練給付の対象になるための主な条件は以下の通りです。

条件 詳細
雇用保険加入期間 現在雇用保険に3年以上加入している、もしくは離職後1年以内で、雇用保険に3年以上加入していた方が対象。
対象となる教育訓練 厚生労働大臣指定の教育訓練講座
受講開始時の年齢制限 特になし
支給対象となる教育訓練 業務に関連する専門的な知識・技能の習得に資するトレーニング

ご自身が対象者となるかどうかは、ハローワークに行けば確認できます。気になる方はまずはハローワークに足を運んでみましょう。

一般教育訓練給付金をもらうまでの流れ

一般教育訓練給付の受給までの具体的な手順は以下のとおりです。

ポイントとしては、給付金は事前に給付されるわけではなく、まず受講条件を確認し、受講を実際にした後に、書類を提出してその後振り込まれるという形式であることを覚えておきましょう。せっかく最後まで受講できても、給付金申請を忘れると振り込まれることはないことも把握しておきましょう。

手順 詳細
1. 講座の確認 自分が興味のある講座が指定教育訓練講座であることを確認しましょう。
2. ハローワークへの事前相談 ご自身が受給対象かどうかの受給要件の確認と必要書類についてハローワークで説明を受けにいきましょう。
3. 講座の受講 実際に指定された教育訓練講座を受講しましょう。給付金を受けるからにはなおさらしっかりと学びましょう。
4. 修了証明書の取得 講座を最後まで受講修了した後、修了証明書を入手しましょう。
5. 給付金の申請 ハローワークに必要書類を提出しましょう。
6. 給付金の受給 審査後、指定の口座に給付金が振り込まれる

【教育訓練給付制度の活用可】Webデザインスクール比較表

教育訓練給付金対象のスクールの比較表を作成しましたので、ざっとした概要理解としてご覧ください。

※情報は2024年11月30日時点のもののため、最新でない可能性がある点をご了承ください。

教育訓練給付金制度以外にもリスキリング補助金というものがあり、そちらを利用可能なスクールも後述します。

スクール名 給付金支給前の額 給付金支給後の額(上限額10万円支給が給付された場合) コース名 その他特徴
ヒューマンアカデミー 588,500円(Webデザイナーコース)

686,400円(Webデザイナー総合コース)

488,500円(Webデザイナーコース)

586,400円(Webデザイナー総合コース)

Webデザイナーコース、Webデザイナー総合コース オンライン学習、

対面学習、

ブレンドスタイルが選択可

KENスクール 377,300円(Web実践就転職総合コース)

556,600円(Web実践キャリア就転職総合コース)

277,300円(Web実践就転職総合コース)

456,600円(Web実践キャリア就転職総合コース)

Web実践就転職総合コース、Web実践キャリア就転職総合コース 通学型。複数校舎が利用できる

フリータイム制

Winスクール 371,800円(WEBデザイナーPlus) 271,800円 WEBデザイナーPlus 教室個人レッスン、オンライン、ハイブリッドが選択可
インターネットアカデミー 760,760円(Webデザイナー総合コース) 660,760円 Webデザイナー総合コース キャリア支援が充実

一般教育訓練給付金対象のおすすめWebデザインスクール

以下に、一般教育訓練給付金が利用可能な代表的なWebデザインスクールをご紹介します。

ヒューマンアカデミー

ヒューマンアカデミーは、幅広い分野のスキルを学べる総合型スクール、Webデザイナーコース、Webデザイナー総合コースは教育訓練給付制度の対象となっています。講師はすべて現役のプロデザイナーであり、就職・転職時のサポートや派遣先企業の紹介なども充実しています。

  • スクール名: ヒューマンアカデミー
  • 給付金対象講座: Webデザイナーコース、Webデザイナー総合コース
  • 学習期間: 6ヶ月
  • 受講料:588,500円(Webデザイナーコース)、686,400円(Webデザイナー総合コース)
  • 受講形式: オンライン、対面、ブレンドスタイル
  • 給付割合: 20%(上限10万円)
  • 支給条件: 出席率80%以上、各教程に設定されている課題を実施し、採点フォームの項目にて習得レベルを測定する。なお、基準を満たしていない場合は、再提出とする。

KENスクール

Web系のプログラミングサービスを提供するKENスクールはWeb実践就転職総合コース、Web実践キャリア就転職総合コースが給付金対象のコースです。

個別指導や企業紹介などのサポートに対応しています。

  • スクール名: KENスクール
  • 給付金対象講座: Web実践就転職総合コース、Web実践キャリア就転職総合コース
  • 学習期間: 6ヶ月
  • 受講料:377,300円(Web実践就転職総合コース)、556,600円(Web実践キャリア就転職総合コース)
  • 受講形式: 通学型
  • 給付割合: 20%(上限10万円)
  • 支給条件: 総受講数の80%以上の出席率、修了検定を受けていただき80点以上を修了と認定

Winスクール

Winスクールは、幅広い年齢層を対象とした総合的なITスクールで、給付金対象のWebデザインのコースも提供しています。

特徴としては全国に多数スクールがあるためオフラインでも受講がしやすい点と、オンラインでも学習可能な点が挙げられます。

  • スクール名: Winスクール
  • 給付金対象講座: WEBデザイナーPlus他
  • 学習期間: 65時間
  • 受講料: 371,800円(WEBデザイナーPlus)
  • 受講形式: オンライン
  • 給付割合: 20%(上限10万円)
  • 支給条件: 全日程修了(8割以上の出席率)、技術修得表に基づく評価が7割以上「良」、教育目標に定める目標資格の合格レベル達成。および卒業課題判定基準の8割以上が「良」

インターネットアカデミー

ITやクリエイティブ系の講座を多く提供するインターネットアカデミーも一般教育訓練給付金対象のWebデザイナー総合コースを提供しています。

就職・転職サポートだけでなく、案件紹介サポートなどもおこなっているのが特徴です。

  • スクール名: インターネットアカデミー
  • 給付金対象講座: Webデザイナー総合コース
  • 学習期間:6ヶ月
  • 受講料: 760,760円(Webデザイナー総合コース)
  • 受講形式: オンライン、対面
  • 給付割合: 20%(上限10万円)
  • 支給条件: 出席率80%以上、試験合格率得点率70%以上で合格、補講・追試は認める。

Webデザインスクールの選び方のポイント

Webデザインスクールは多くありますが、その中でも自分にマッチしたものを選ぶためのポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。

ポイント1:学習内容とキャリア目標の一致

受講するスクールの学習内容が、あなたのキャリア目標と合致しているかを確認することが重要です。現在の仕事や目指すキャリアに直結する内容かどうかを吟味しましょう。

具体的には、卒業生がどのようなキャリアを歩んでいるのか、スクールを受講して終わりではなくその後も自分の目指すようなキャリアを歩んでいるのかを確認するのはオススメです。

ポイント2:実践的なカリキュラム

座学だけでなく、実際のプロジェクトやポートフォリオ制作が含まれているスクールを選びましょう。実践的なスキルを身につけることで、即戦力としての価値を高めることができます。

どれだけサポート体制や就職支援制度が充実していても、肝心のカリキュラムが信頼できそうかどうかは必ず吟味しましょう。

デザインスクールはたくさん数があるため、一見値段が安かったり、ホームページがきれいで用意している制度やシステムが充実してそうであっても、カリキュラムがあまりマッチしないものであれば元も子もありません。信頼できる実績があるスクールを選びましょう。

ポイント3:サポート体制

メンター制度やキャリア支援、就職サポートなどのアフターフォロー体制が充実しているスクールを選ぶことはきちんと卒業できること、卒業後を見据えたキャリア形成を考える上で重要です。

しかし、充実したサポート体制であってもあまり利用しないということもあります。まずはカリキュラムやスクールの実績がもっとも大事で、それに次いでサポート体制を確認するようにしましょう。

リスキリング補助金が使えるWebデザインスクール

一般教育訓練給付金以外にも、リスキリング補助金を活用できるスクールがあります。リスキリング補助金は、経済産業省によるリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業に選ばれた講座が対象となっており、新たなスキル習得を支援する制度で、対象スクールでは受講者は受講料の最大70%を還元してもらえます。

デジハリ・オンラインスクール

デジハリ・オンラインスクール

短期間で効率的なスキル習得を目指す方におすすめなのが、デジハリ・オンラインスクールです。

1994年の創業以降、多くのクリエイターを輩出してきた業界大手のスクールであり、最後まで離脱せずに学び抜けるような「学びやすさ」に強みがあります。

学校や仕事や育児の合間に、オンラインでご自身のライフスタイルに合わせて学びやすい点も忙しい方には向いているでしょう。

Webデザイナー講座 フリーランスコース
Webデザイナー講座 就転職コース
Webデザイナー講座 在宅・副業コース

は、「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」に採択されています。条件が合致する方であれば、受講料の最大70%(上限56万円)の補助を受けることが可能となっています。

詳細はこちらの記事をご覧ください。

 

講座の特徴としては、プロフェッショナルから効率的にフィードバックを受けながら学習ができるだけでなく、卒業後の就職転職支援までクリエイティブ業界との強いつながりを活かしてサポートします。フリーランスや副業、現職でのレベルアップを目指す方にもおすすめです。

テックアカデミー

現役デザイナーの講師とメンタリングしながら受けられるのが特徴なのがテックアカデミーのWebデザインコースです。

リスキリング補助金の対象となっており、適用されればお得に学習ができます。

  • スクール名: テックアカデミー
  • 給付金対象講座: Webデザインコース他
  • 学習期間: 7ヶ月
  • 受講料: 295,900円〜
  • 受講形式: オンライン
  • 給付割合: リスキリング補助金適用(最大70%)

デジタルハリウッドSTUDIO by LIG

デジタルハリウッドSTUDIO by LIG(通称:デジLIG)は有名制作会社のLIGと、デジタルハリウッドが業務提携し運営しているWebクリエイタースクールです。

オンラインだけでなく直接対面でフィードバックをもらいたいという方にもおすすめです。

  • スクール名: デジタルハリウッドSTUDIO by LIG
  • 給付金対象講座: Webデザインベーシック講座他
  • 学習期間: 2ヶ月
  • 受講料: 149,600円
  • 受講形式: 対面、オンライン
  • 給付割合: リスキリング補助金適用(最大70%)

まとめ

教育訓練給付制度を活用することで、Webデザインスクールの受講費用を大幅に軽減できます。自身のキャリアビジョンに合ったスクールを選び、給付金や補助金を上手に活用することで、スキルアップと経済的負担の軽減を同時に実現できます。

キャリアチェンジや技能向上を目指すあなたにとって、これらの制度は貴重な支援策となるでしょう。まずは、詳細を最寄りのハローワークや各スクールに確認し、自分に最適な学習プランを見つけてください。