デザイナーを志望してデザインの勉強をしている方たちの中には、最終的に「アートディレクター」として活躍したいという夢を抱いている人も多いでしょう。アートディレクターという職種は、華やかで洗練されたイメージを持った、デザイン業界を志す学生たちの中では花形の職業といえます。

しかし、アートディレクターになるためにはどうすれば良いのか、実際の仕事内容はどのようなものか分からない方もいるかもしれません。「どのくらいの報酬が得られるのか?」という点も気になるところです。今回はアートディレクターの仕事内容と年収について見ていきます。

 

アートディレクターの仕事内容

アートディレクターの仕事内容
アートディレクターとは、制作するデザインや広告に対して最終的な責任を持つ人のことです。クライアントの抱いているコンセプトに沿った仕上がりになっているか、キャッチコピーは適切かなど、あらゆる角度から制作物の品質を確認します。

アートディレクターは、クライアントのイメージを作品に反映させるために、コンセプトを固める段階から制作に関わります。クライアントとの打ち合わせで基本的なコンセプトを固め、カメラマンやコピーライターなどの制作スタッフを選出し、スタッフ全員に役割を分担します。

アートディレクターは基本的には制作の実作業は行いませんが、時にはデザイナーとして制作に直接関わる場合もあります。しかし、アートディレクターに求められているのはあくまでも全体の管理です。制作スタッフ一人一人の進捗を確認し、基本コンセプトに合った内容になっているかどうかを判断します。

1つの作品を完成させるためにスタッフやそれぞれの仕事に細かく目を配り、アドバイスや修正依頼をしたり、納期内に仕事を終わらせることができるようにスケジュール管理したりすることもアートディレクターの大事な役目です。

 

アートディレクターの年収

アートディレクターの年収
アートディレクターはさまざまな業界で活躍しています。対象となる業界によっても年収は変わってきますが、1年目から高額の報酬を受けることはまずありません。あくまで平均値ですが、1年目から5年目までのアートディレクターの年収は250万円~500万円が相場です。

5年目のアートディレクターというと、制作の現場でいろいろと経験を積み、クライアントの意向のくみ取り方やスタッフのまとめ方などをようやくスムーズに行えるようになる段階です。

さらに経験を積み、大きなプロジェクトなどもこなしていけば、10年目の年収は約800万円になります。デザインに関する知識も多くなり、プロジェクトの問題点なども早目に見抜くことができる中堅以上の実力がつく段階のため、仕事の依頼も多くなってくるでしょう。

 

アートディレクターになるには

デザインの学校を卒業して、すぐにアートディレクターになることはできません。まずは、デザイナーとして経験を積んで制作の現場に精通すると同時に、映像や写真、イラストなどの知識を深める必要もあります。アートディレクターはさまざまな分野のクリエイターを統括する立場にあり、制作全般について熟知していなければなりません。

クライアントやクリエイターから信頼されるアートディレクターになるためには、デザイナー時代に培った実務経験に加えて、デザインの仕事に対する旺盛な好奇心や知識を吸収しようとする意欲が必要になります。

 

まとめ

制作チームのリーダーであるアートディレクターは、デザインに関する深い知識と制作現場における経験がものをいう職業です。人をまとめることも多く、管理能力やコミュニケーション能力も求められます。決して楽な仕事ではありませんが、自分の考えを作品に直接反映させることができるため、とてもやりがいのある仕事といえます。