最近はWebはもちろん、テレビや街中の動画広告でも多く見かけるようになってきたVTuber(ブイチューバー)。国内では、キズナアイを筆頭に2016年頃から爆発的に人気が出て、一般的にもかなり認知された存在となりました。
YouTuberやインスタグラマーのように自分の作った動画でファンを作るクリエイターが増えているように、個人でもVTuberを制作して活躍している人たちが多くいます。
今回の記事ではVTuber制作デビューをしたいと考えるあなたのために、VTuber制作をするための無料ソフトについて紹介したいと思います。
【👍こんな方のための記事です】
- VTuberを自分で制作してみたい人
- VTuber制作用の無料ソフトを探している人
VTuber(バーチャルYouTuber)とは?
VTuberは「Virtual Youtuber」の略。すなわち、本人が直接出演するYouTuberと違って、モーションキャプチャー技術によって作られた3Dキャラクター(アバター)が出演するというもの。
国内ではキズナアイやミライアカリなど、美少女系のVTuberが特に人気を博しており、キズナアイのYouTubeチャンネルの登録者数は250万人を超えるなど、市場として大きな盛り上がりを見せています。
実写映画に対してアニメーションが発展したように、今後は5Gなどの技術発展に伴って、世の中のコンテンツの動画シフトが進むことが想定され、VTuber業界も今後さらに盛り上がりを見せるのではないかと思われます。
VTuberとアニメキャラクターの違いは?
アニメキャラクターはアニメーターが制作したキャラクターであり、VTuberは実在の人物の動きをモーションキャプチャ技術を用いて表現するという、制作観点での違いがあります。また、アニメキャラクターはTVや映画などさまざまなプラットフォームで一方的に放映されますが、VTuberはライブ配信などで視聴者とインタラクティブにやり取りすることが多い点と、ベースの活動はYouTubeなどのWebプラットフォームが多いといった点でも異なっています。
VTuberとライバーの違いは?
VTuberはバーチャルキャラクターのアバターを用いて配信などをしますが、ライバーは実写映像で配信します。アバターの有無が両者の違いといえるでしょう。アバターがある場合は独自のエフェクトやアニメーションを使えますが、実写の場合はそういった自由な表現はアバターほどはしにくいです。また、プライバシー保護の観点でもアバターがある方が安心して配信しやすいでしょう。
VTuberの火付け役は「キズナアイ」?これまでの歴史
VTuberがこれほどまでに人気になるまでには、いくつかの過程がありました。まず、2010年代初頭に、初音ミクを代表としたVOCALOID(ボーカロイド)の3Dアニメーション映像が人気を博しました。その後、2016年に代表的なVTuber「キズナアイ」がデビュー。キズナアイのヒットを受けて、さまざまなVTuberが生まれていきます。
特に有名なVTuberとしては以下のようなキャラクターが活動しています。
- キズナアイ: VTuber文化の火付け役となった「これぞVTuber」なキャラクター。
- 鏡音リン・レン: もともとVOCALOIDキャラクターであり、VTuberとしても人気があります。
- ときのそら: ホロライブプロダクション所属のVTuberで、活発で陽気なキャラクターが特徴的です。
- 赤井はあと: ホロライブプロダクション所属のVTuberで、おっとりとした性格と独特のユーモアが魅力です。
- 花咲みやび: にじさんじ所属のVTuberで、物腰穏やかな和風のキャラクターが特徴です。
これまでのYouTuberとの違い
VTuberとこれまでのYouTuberとの大きな違いとしては、実写かアバターつきか、という点が大きいです。VTuberはエフェクトやボイスチェンジャーを用いて架空のキャラクターになりきって動画配信ができます。YouTuberの場合は、ヒカキンさんなどをイメージするとわかりやすいと思いますが、顔を出して実写で活躍する人が多いです。
実写モデルや芸能人のYouTuberなどだと、スキャンダルなどがあったら広告案件が取り消しになってしまうビジネス的リスクがあります。一方で、VTuberの場合は見た目の変化もなく、スキャンダルなどとも無縁です。また、架空のキャラクターであるがゆえの親近感を持ちやすかったり、キャラクターづけがしやすく、愛着を持ちやすいという特徴もあります。
また、VTuberならではのアニメーションの追加などもできて、映像表現としても幅広いなど、ビジネス的にも芸術的視点でもVTuberならではの魅力がたくさんあります。
新しいバーチャルキャラクターの呼称と違い一覧
VTuber以外にも「バーチャル◯◯」というバーチャルキャラクターがいくつか存在しています。それぞれどのような特徴や代表的なキャラクターがいるのかをまとめたいと思います。
概要 | 代表的なキャラクター | |
VTuber | バーチャルYouTuber。
仮想的なキャラクターやアバターを使用してYouTubeや他のオンラインプラットフォームで活動するコンテンツクリエイターの総称。 |
キズナアイ、鏡音リン、鏡音レン、ときのそら、赤井はあと、花咲みやび |
Vライバー | バーチャルライバー。
VTuberの中でも配信を積極的におこなうキャラクターのことを指します。 |
雪城眞尋、鈴木勝、アンジュ・カトリーナ |
Vアイドル | バーチャルアイドル。
日本のVTuber文化から派生した言葉で、アイドル活動をする仮想キャラクターを指します。グループとして活動することもあれば、個人として活動することもあります。 |
22/7(ナナブンノニジュウニ)、ミライアカリ、カグラナナ |
Vシンガー | バーチャルシンガー。
VTuberの中でも「歌ってみた」など歌手活動を積極的におこなうキャラクターのことを指します。 |
初音ミク、GUMI、IA、ONE |
VTuberになるには?
VTuberになるには、個人で活動する方法と、企業所属のVTuberになる方法があります。
個人であれば、自身でVTuberになれるソフトを活用してデビューすればよいです。企業所属の場合は、企業が開催しているオーディションに参加してVTuberデビューするという流れです。企業所属でデビューする場合も、オーディションで過去のVTuber経験は問われるので、基本的に初めは個人での活動からスタートします。
企業所属と個人活動、それぞれのメリット・デメリットもお伝えします。
いわゆる「中の人」ではなく、制作活動のみしたい人は【VTuber制作者になるには?必要なものについて】の項目をご覧ください。
個人で始める
有名なVTuberは企業所属のことが多いですが、個人のVTuberでもトップクリエイターは多くいます。
個人で活動するメリットは以下です。
- 事務所のマージン(仲介手数料)がないため、ヒットしたら収益を得やすい
- 事務所の意向に沿わずに自由度高く活動できる
- マイペースで活動しやすい
- 今後市場価値がさらに高くなることが想定されるVR領域の動画制作のスキルが身につく
- 自分が表に出なくても、キャラクターにファンが付いてそこから新しいビジネスチャンスや表現に機会につながる
デメリットとしては以下です。
- 誹謗中傷などの対応や被害も個人で受けることになる
- 事務所よりはメディア露出の機会などは減る
- すべて自分で戦略などを考えてやっていかなければならない
ある意味、ハイリスク・ハイリターンともいえるかもしれません。
事務所に所属する
企業所属のVTuberの場合は、企業ならではの恩恵を受けながら活動できる点に強みがあります。
メリット
- 企業所属なので、ファンをつくるためのノウハウや映像技術向上のためのノウハウがある
- 事務所によるフォローやサポートを受けながら活動できる
- メディア露出やプロモーションなどにかけられる予算が段違い
デメリット
- 企業所属ゆえのレギュレーションやNGラインがある
- 収益としては個人よりも稼ぎにくいことも
- 事務所に入る=ヒットではない。事務所の売上を立てるためにマイペースな活動は難しくなることも。
それぞれメリット・デメリットはありますが、事務所に所属するのは決して簡単なことではありません。自分が活動を通じてやりたいことに合わせて活動方法を検討していきましょう。
VTuberの作り方と手順
VTuberの作り方をかなりおおまかにまとめると以下のようなフローとなります。
キャラクターのアバターを作る
まずはキャラクターのアバターを作ります。
VRoidや先程紹介したFaceRigやLive2D、Adobe Character などを用いる方法があります。
VTuberには2Dと3Dがある!
VTuberには2Dタイプと3Dタイプが存在しています。
2Dタイプは、イラストをベースとしてアニメーションをつけるようなもの。3Dタイプは立体的なキャラクターを動かせるものです。
2Dタイプは低コストで作成しやすかったり、2Dならではのキャラクター感を楽しめるのが特徴。3Dタイプはリアリティがあり、360度全方位からキャラクターを動かしたり、映したりできるのが特徴です。
ボイスを作成する
ボイスチェンジャー系のサービスを用いて、アバターにマッチした声を作成します。
美少女系のVTuberに声をつけるのは、通称「バ美肉(バーチャル美少女受肉)」と呼ばれています。
個人が利用するような代表的なボイスチェンジャーサービスとしては
- バ美声
- ボイスチェンジャー by ユーザーローカル
- Gachikoe! Core
- 恋声
などがあります。
モデルを動かす
そして、モデルを動かすモーションキャプチャーです。キズナアイなどの本格的な企業VTuberの場合、全身に「トラッカー」と呼ばれるセンサーをつけて、全身の動きを撮影し、モデルに反映させます。
エモモなどのアプリの場合は、ここまではすることなく、バストアップショットで簡単にVTuberの動きをつけることができます。
YouTube・その他プラットフォームでの配信
そして、完成した動画をYouTubeやSNSに動画をアップロードして、終了です。
VTuberの動く仕組み
それでは、VTuberは果たしてどのようにして生まれているのか、その仕組みについて解説していきます。
モーションキャプチャによる動き
VTuberのCGキャラクターの動きは、実際の人間の動きを読み取って動きを捉える「モーションキャプチャ」という技術によって作られています。CG映画やゲームのメイキング映像で、実際に人間の動きをスタジオで読み取っている映像を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
参考までにモーションキャプチャスタジオの映像を共有しておきます。こちらのCygamesの例は本格的なモーションキャプチャスタジオですが、家庭用のVTuberはもっと簡易な設備で動きを読み取って動かせます。
モーションキャプチャは、全身の動きはもちろん、細やかな人物の表情までを読み取ります。VTuberが表情豊かに喜怒哀楽や細やかな手足の動きを表現できるのもこの技術あってのものです。ちなみに、声はそのままモーションキャプチャをされた人があてるパターンもあれば、ボイスチェンジャーを使って声をキャラクターに合うように加工して映像に用いる人もいます。
キャラクターは専用のソフトで作る
VTuberのキャラクターは、専用のソフトで制作されています。個人向けのソフトだとLive2D、FaceRig、VRoid Studioなどが有名です。専用ソフトと使うことで、Webカメラを使って表情や身体の動きを読み取り、それをもとにアバターに表情や動きをつけられるようになります。
法人向けの場合は、キャラクターのデザインをするところから始まり、デザインに骨組みをつけて、実際に動かしていくところまで、細やかに設定していきます。機材も必要となり当然コストもかかりますが、その分Webカメラで読み取っただけののお手軽なものよりハイクオリティなキャラクターを制作できます。
VTuber制作者の必要な機材について
VTuber制作を本気で始めようとすると、最低でも20~30万程度の費用がかかります。
必要なアイテムは以下です。
- 高スペックのPC
- カメラ
- モーションキャプチャーソフト
- マイク
なかなか高額ですし、ゼロからVTuber制作をやるという方は、まずはREALITYやエモモなど、スマホがあれば楽しむことのできるVTuberアプリで、仕組みを理解するところから始めましょう。
高スペックPC
VTuberとして活動していく上でもっとも重要なアイテムといっても過言ではないのがPCです。
スペックの低いPCを選んでしまうと、編集時に動作が遅くなってしまったり、フリーズしたり、思うような動画が作れなくなる恐れがあります。制作時のストレスを減らす目的でもPCは高スペックのものを用意しましょう。VTuberはライブ配信やゲームの実況中継などもおこなうことが多いため、なおさら高負荷に耐えられるものがよいです。
価格帯としては最低ラインでも10万〜15万円くらいのものになるでしょう。
おすすめのスペックとしては以下です。
- メモリ:最低でも8GB以上(できれば16GB以上がのぞましい)
- CPU:Intel Core i7シリーズ以降のもの
- HDD:200MB以上がおすすめ
- GPU:NVIDIA GeForce GTX 850M 相当以上のもの
Webカメラ
VTuberのベースとなる「フェイストラッキング(顔認証)」をするために必要になるのがこちらのWebカメラです。
VTuberはYouTuberほどのハイスペックなカメラは必要ありません。また、デジカメや家庭用のビデオカメラなどを接続することも可能ですが、接続の設定が簡易なのはWebカメラとして販売されている商品なので、そちらを買った方がラクです。
5000円以下で十分なクオリティのものが買えますし、PCのデフォルトカメラでも対応できるので、YouTuberも並行してやっている方や、仕事でハイスペックなWebカメラがほしい人でない限り、それほどリッチなものは購入しなくてよいでしょう。
マイク
マイクはVTuberの声質に大きく影響するため、キャラクターのイメージに関わるアイテムです。
マイク購入時はジャック接続のものではなく、USB接続が可能なものを購入するようにしましょう。マイクもモノによって値段やスペックがピンキリではありますが、5000円ほどあれば有名なメーカーの商品でも購入できるでしょう。
最近はリモートワークも当たり前になり、仕事でも使えるアイテムなので、持っておくとなにかと便利です。
編集ソフト
VTuberの動画編集をするためには、動画編集ソフトが不可欠です。どのようなソフトがあるのかはまとめて後述しますが、ソフトもスマホで完結する手軽なものからハイスペックなプロフェッショナル向けのものまで幅広い種類があるので、自分にマッチしたソフトを用途に合わせて選択するようにしましょう。
VR機器
仕様やソフトによってはVRを楽しむための機器が必要となります。これもピンキリではありますが、自分の用途に合わせてマッチした機器を購入しましょう。
おすすめVTuber制作ソフト5選【PC選】
おすすめVTuber制作ソフトその1 Unity
Unityは、アメリカのUnity Technologies社が開発・提供するゲームエンジンです。世界でもっとも使用されているゲームエンジンで、VR制作にも活用されています。
ゲームだけでなく、建設の現場から都市開発まで幅広い領域のVR動画がUnityで制作されており、Unityをダウンロードし、設定を進め、VR制作に着手して進めていきます。
無料プランから有料プランまでプランは複数ありますが、VR動画を作るのであれば、「LTSバージョン」「Proプラン」がおすすめです。
おすすめVTuber制作ソフトその2 FaceRig / Live2D
FaceRigはWebカメラが顔の表情を読み取り、リアルタイムでアバター化してくれるソフトです。Live2Dは2Dのイラストを動かすことのできるソフト。
これらを活用すると、PCとWebカメラとマイクさえあれば気軽にVTuber制作ができちゃいます。FaceRigは有料ですが、Live2Dは無料版もあるので、気軽に始めやすいのも魅力です。
購入はSteamから。
おすすめVTuber制作ソフトその3 FaceVTuber
パソコンとWebカメラとマイク、Google Chromeのブラウザさえあれば手軽にVTuberが作れるというこちらのソフト。自分の顔をWebカメラでトラッキングすることで、キズナアイや輝夜月といった人気キャラクターに気軽に変身することができるのが特徴です。
(キャプチャ引用: https://facevtuber.com/ )
おすすめVTuber制作ソフトその4 Hitogata
HitogataもパソコンとWebカメラとマイクさえあれば、気軽にVTuber体験ができるソフトです。特徴としては、自分なりにキャラクターや背景などを自由にカスタマイズして楽しむことができる点です。こちらのソフトも無料で使用することができます。
おすすめVTuber制作ソフトその5 VRoid Studio
VRoid Studioは、ピクシブ社が提供する3Dキャラクター作成ツール。VR初心者でもかんたんに3Dアバターを制作でき、気軽にVRを楽しめるのが特徴です。
スマートフォンアプリ版の「VRoidモバイル」もリリースされており、PCでもスマホでもVRoidを楽しめます。アバターやアクセサリーも多く追加されています。
おすすめVTuber制作ソフト4選【スマホ編】
おすすめその1 SHOWROOM V
SHOWROOM Vはライブ配信サービスを提供するSHOWROOM社が提供する配信アプリ。ボタンひとつでアバターでの配信ができ、お気に入りのアバターで気軽にVR配信を楽しめるのが特徴です。
おすすめその2 REALITY
REALITYは、REALITY株式会社が提供するVR配信サービス。iOS/Androidに対応しており、カメラで表情を読み取ることで表情豊かなアバターとして配信ができます。
最近は海外展開も強化しており、独自のコミュニティが生まれてきています。
おすすめその3 エモモ
エモモは、ライブ配信プラットフォームであるMirrativ内で使用できる3Dアバター機能です。カラオケ配信用の「エモカラ」という機能もあり、歌詞が画面に表示され、アバターがカラオケをしているような映像を配信・楽しめるのが特徴です。
おすすめその4 MakeAvatar
MakeAvatarは、Gugenka社が提供する3Dアバター作成アプリ。スマホアプリ上で髪型や表情などをカスタマイズし、VRoidHubを通じて配信ができます。AR機能を通じて現実にアバターを召喚することもできます。
VTuberにおすすめの動画編集ソフト3選
iMovie
Macユーザー向けのプリインストールされている無料の動画編集ソフトです。かんたんな動画の切り貼りはできますが、細やかなテロップ設計やエフェクトなどを考えると、少し機能が足りないように感じる方が多いでしょう。
無料で初心者でもかんたんに使用できますが、よりハイレベルな動画を目指すのであれば、別のソフトがおすすめです。
Filmora9
Filmora9は、買い切り型のコストパフォーマンスに優れた動画編集ソフトです。
iMovieとAdobe Premiereの間のスペックで、初心者と中級者のいずれにもおすすめできるソフトです。無料版から始められるので、興味のある方は一度使用してみるとよいでしょう。
Adobe Premiere
Adobeが提供するプロフェッショナル向けの映像編集ソフトです。映像業界でも広く使用されており、こだわりのある動画を作りたいのであれば、間違いないソフトといえるでしょう。CG表現も多く用意されています。
一方で、価格としてもその分高くはなるので、初心者の方にとってはtoo muchになる可能性もあります。
VTuberに必要なスキルを身につけるなら”デジハリ・オンライン”
VTuberになるために必要なスキルを効率的に身に着けたい!という方におすすめなのが、デジハリ・オンラインスクールです。
デジハリ・オンラインスクールは、1994年の創業以来多くのクリエイターを輩出してきたデジタルハリウッドが運営するオンライン講座。せっかくVTuberを目指すなら、集中的にスキル習得したい、でも、スキマ時間で勉強したいという方にはもってこいの内容となっています。
VRoid Studioの講座や、CG系講座、Adobe系ソフトの動画編集系講座など、たくさんの講座を取り揃えております。「独学だと三日坊主になってしまいそう」「プロから教わりたい」という方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
VTuberが注目されている背景
最近ではCMやTV番組でも取り上げられることが増えたVTuberですが、どうしてここまで注目を集めるようになったのでしょうか?
まず、大きな普及の背景として、デジタル化によって大容量のデータ通信が可能となりスマホが普及し、YouTubeやTikTok、配信アプリなどが大きく浸透したことが挙げられるでしょう。リアルタイムで大容量の動画データが配信されるようになり、それをネット環境さえあれば世界中のどこからでも見れるようになったのは、大きな生活スタイルの変化です。
YouTuberも人気職業となり、YouTuberや配信者から国民的タレントになった人も生まれてきました。VTuberのメリットは、なんといってもキャラクターであることです。
YouTuberの場合は、本人が顔を出して出演することも多く、本人にスキャンダルがあった場合や、何かCMや番組に出演できないことがあった際にスポンサーが損害を被ることになります。一方で、「中の人」が表に出ないVTuberであれば、もし何かあった際にも損失を抑えやすかったり、リカバリーがしやすいというメリットがあります。YouTubeや配信の世界で稼いでいくためには、広告や投げ銭によるスポンサーが基本となります。
そういった意味で、実写YouTuberにありがちなリスクを下げられるVTuberはスポンサーにとっても配信側にとってもメリットが大きいのです。
配信者から見たVTuberの印象
前述したビジネス観点でのメリット以外だと、配信者からすると、VTuberは「現実世界とは違う自分になれる」という喜びを得ることができるのが大きな魅力なのではないでしょうか。
現実世界とは違った、姿や声のキャラクターとして活動できることで、そこで交友関係が生まれたり、ファンができたりします。そういったファンや友人とのコミュニケーションで得られる喜びは代えがたいものがありますし、ビジネスにつなげて収入を得ることもできます。
ネット環境とPCやスマートフォンさえあれば手軽にデジタル世界と繋がれる。素性を伝えたり、顔を出す必要もない。化粧をする必要もなければ、部屋着でも撮影できる。そういった気軽さが人気につながっているのは間違いないでしょう。
視聴者から見たVTuberの印象
アニメやゲームのキャラクターだと、どうしても一方通行で映像を見ることになりますが、VTuberの場合はアニメやゲームのようにかっこいい/かわいい魅力的なキャラクターと、インタラクティブに交流できるというのが魅力です。ただ映像を見るだけでなく、自分のコメントを読み上げて答えてくれるなど、相互でやり取りできるのが特徴です。
顔出しのYouTuberと違って、アニメやゲームに出てくるようなキャラクターとコミュニケーションを取ることになるので、親近感を覚えやすいというのも特徴といえるでしょう。同じことを言っていたとしても実写の人間が話すのと、VTuberが話すのでは、届き方が変わってきます。
同じような内容であっても、YouTuberが実写で伝えるより、VTuberが伝えた方が内容が印象に残りやすかったり、再生されやすいといったケースも生まれています(もちろん逆パターンもあります)。
VTuberのメリット・デメリット
VTuberにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
VTuberのメリット
個人のクリエイターとして活動をする上で、中には多くのYouTuberのように顔をネット上に出したくないという方もいると思います。アバターで顔を隠せるVTuberはそういった方にオススメです。
また、VTuberとして、現実の自分とは異なるキャラクターとして活動することによる楽しさや、「中の人」「魂」になることでのドキドキ感もあるといえるでしょう。
企業がVTuberをマーケティング活動等で使用するメリットとしては、インパクトがあり、かつ有名人などと比較して低コストで作成できるVTuberによってコンテンツを量産しやすい点にあるでしょう。
VTuberのデメリット
VTuberのデメリットとしては、実写のYouTuberと比較した際に、表現の幅が限られるという点があるかもしれません。たとえば、外ロケがしにくいなど設備のないところでは、VTuberらしい表現がしにくい点があるでしょう。
また、企業がマーケティングでVTuberを使用する際も、商材によってはあまり相性のよくないものもあるでしょう。たとえば、取材の必要な旅ロケものや食事もの、美容ものなどです。もちろん、中には成功事例もありますが、バーチャルならではの得手不得手があることは理解しておきましょう。
VTuberが収益を得る仕組み
VTuberが収益を得るにはさまざまな方法があります。もっともイメージしやすいのは、YouTube上での広告収益でしょう。
安定的に一定回数再生されるようになることで、動画内に広告を出せるようになり、それによって収益を得られるようになります。YouTubeでは1回の再生につき約0.05円~0.1円の収益が相場だと言われています。1万回再生で500円〜1000円ほど。そう考えると「案外少ない……」と捉える方もいるでしょう。これが10万回、100万回と上がってくることで広告収入は上がってきます。
投げ銭は、配信好きな人であれば身近な収益といえるでしょう。投げ銭は、VTuberの配信中にコメント欄で直接お金を送ることができるシステム。人気VTuberになると一回の配信で10万円以上を得ることもあります。
また、ファンクラブやグッズ収入、イベント開催などでお金を得るケースもありますし、動画の中で特定の商品やサービスを紹介し、コメント欄や概要欄から購入につながることで収益を得られるアフィリエイト広告のモデルもあります。
ここまで来るとトップレベルのVTuberですが、企業とのタイアップや広告キャラクターとして選ばれたりすると、より大きな額で収益を得られるようになります。
個人で運営するか、法人として運営するかでビジネスモデルは異なりますが、このようなケースがあると覚えておきましょう。
VTuberの現状と将来性
2022年11月のユーザーローカルの調査によると、VTuberの数は2万人を超えたようです。人気のYouTuberキズナアイは300万人以上ものチャンネル登録者数がいるとか。5年で2万人を超える人気コンテンツとなったVTuber。
YouTuberが爆発的に人気職業となったように、今後も、Web上でVTuberとして活躍していく人の数は増えていくのではないでしょうか。今後もデジタル化はさらに進むでしょうし、顔を出さずにデジタル上で活動したい!というニーズは不変的にあり続けるように思います。
VTuberになるための技術がさらに発達することで、参入ハードルが下がり、ますます気軽にデビューできるようになったり、今できないような複雑な表現や個性豊かなキャラクター設計もどんどん生まれてくるのではないでしょうか。一方で、VTuberが普及すればするほど、どんどんハイクオリティなライバルが生まれて、差別化をする難易度は上がってくるので、VTuberデビューをしたいなら早い方がいいかもしれません。
VTuberの歴史
VTuberは、2010年頃からバーチャルキャラクターを使った動画が出てきたのがはじまりと言われることがあります。2016年頃からキズナアイが人気を博し、VTuberの事務所であるホロライブプロダクションも設立。2018年頃から個人でもVTuber活動をするクリエイターが大きく増えて、広告やテレビ番組でも見かける機会が大幅に増えます。
現在もVRやAI技術の進化などでますますVTuber市場は盛り上がりを見せており、にじさんじやホロライブプロダクション、upd8などVTuber事務所の数も増えています。
人気VTuber(バーチャルYouTuber)ランキング
2023年11月28日時点での人気のVTuberを紹介します。
- Gawr Gura
- 宝鐘マリン
- キズナアイ
- filian
- 兎田ぺこら
- 白上フブキ
- 戌神ころね
- 星街すいせい
- 壱百満天原サロメ
- 葛葉
- 白銀ノエル
- Hetto
VTuberの仕事内容
VTuberの仕事内容は非常に多岐にわたります。一般的には、VTuberはバーチャルキャラクターを通じてコンテンツを制作・配信し、視聴者との交流がメインとなっています。詳細を解説していきます。
ライブ配信
まずはVTuberのメインの仕事といえるライブ配信。視聴者とリアルタイムでコミュニケーションをとり、時に投げ銭をいただく仕事です。視聴者の反応を見ながら、どういった配信が求められていくのかを調査するための場でもあります。
動画制作・投稿
リアルタイムのライブ配信ではなく、撮影した動画を制作・編集して投稿するのもメインの仕事です。リアルタイムの配信と違って、コツコツした編集作業が必要になりますが、ストック型のコンテンツなのである程度のクオリティは担保したいところです。
メンバーシップ運営
自分のファンとしてメンバーシップ運営をすることでお金をいただく仕事です。深いファンだからこそ、飽きられない工夫を凝らしながら、プレミアムな体験を提供できるようにするのが大事です。
SNS運用
動画だけでなく、X(ツイッター)やInstagram、TikTokなどのSNSでのファンとの交流は非常に大事です。視聴プラットフォームやメンバーシップとはまた別で、中長期でファンを築いていくための方法として、視聴者層に合ったSNSを運用していきましょう。
グッズ販売
オリジナルグッズの販売はわかりやすくファンからお布施を得る活動です。アクリルスタンドやキーホルダーなどオリジナルグッズを制作し、ECサイトで販売します。グッズの宣伝もお忘れなく。
企業の活用事例
企業がCMや広告でVTuberを活用するシーンも徐々に増えてきています。
こちらはローソンとキズナアイのタイアップ企画。キズナアイがローソン店員になるというストーリーでローソン店内でオリジナルグッズ販売をしたり、店内放送に登場するなどで多くのファンがローソンに訪れました。
こちらは、ヤクルトの商品「ソフール」とVTuber 壱百満天原サロメのコラボCM。タレントの内田有紀さんとVTuberによるコラボが視聴者にインパクトを与える内容となりました。
https://twitter.com/Ruri_Enma/status/1530097549373509632
続いて、かんぽ生命の「みんなでラジオ体操」という企画にVTuberの焔魔るりがタイアップしたケース。生命保険×VTuberという意外な組み合わせが話題になりました。
まだまだ事例が豊富なわけではありませんが、今後ますますVTuberを広告やCMで見かける機会は増えていくかもしれませんね。
あなたも、VTuberデビューしてみよう!
この記事では、初心者の方でも比較的お手頃にバーチャルモデルを使った動画制作が可能になるソフトウェアをご紹介しました。自分にピッタリのソフトを探して、ぜひ、Vtuberデビューにチャレンジしてみてください。
オリジナルモデルを使って差別化してみたい!という方は、以下の記事も参考になさってください。