2017年7月19日、3ds Maxユーザー向けに、3ds Max 2018 & Pencil+4 ローンチイベントが開催され、同ソフトの最新情報の紹介や有名クリエイターによるユーザセッションが行われました。
ユーザーセッションの冒頭を飾ったのは、株式会社画龍。設立から10周年を迎える同社は、数々のゲームタイトルやアーティストのライブ映像、プロモーションビデオなどで有名ですが、映像表現のみならず、その基となるデザイン・アートディレクションから携わる、流麗で豊かな表現力に定評があります。
普段はモデリングを担当することが多いと言うスーパーバイザーの斎藤氏による、お役立ち機能・プラグインの紹介や、マテリアルを流用した効率的な業務の進め方についての解説。またテクニカルディレクターの石野氏からは、採寸ができない大がかりな舞台の3Dスキャン(フォトグラメトリー)についての解説など、最前線の業務で3ds Maxを駆使する同社ならではの事例が紹介されました。
次に、CG・映像クリエイターのための総合誌「CG WORLD」にて、連載80回を超える人気コーナー『画龍点睛』より、紙面上では解説しきれなかったテクニックを 執筆者の早野氏自らが動画を交えつつ解説するコーナーも。美しくも実用的な手法に、会場からは大きなため息が漏れました。
▲この美麗な花も、実質花びらを1枚モデリングしたのみというから驚き
▲手前の大きな橋はすべてプリミティブ(初期状態から使用できる基本的な図形)のボックスの組み合わせ
▲天体図をイメージしたモチーフ。球体の中をバウンドさせたパーティクル(粒子)の軌道を、スプラインで描画している
▲細かな装飾が美しい猿のモチーフ。表面に、テクスチャではなくモデル(ここでもプリミティブの図形を使用している)を割り当てることで、4Kや8Kにも対応可能なほどディティールアップする。使用したプラグインは本講演でも何度も登場したForest(http://www.oakcorp.net/itoosoft/)。
気になる今後については、株式会社画龍ではデジタルハリウッドと協力し、新たな3DCGクリエイター人材を「探す」から「創る」へ移行する方針とのこと。初心者から、すでに3DCGのスキルを持った方まで各レベルに見合ったプログラムを用意し、「長期にわたって専門的な実力のある人間をサポートし、次世代の3DCGクリエイターの育成に力を注いでいく」そうです。
▲当日発表された早野氏の考えるカリキュラム構想。初級で基礎を身につけた後は、短期プログラムで最新知識を補完していく(これからリリースされるものも含まれる)。形成されるであろうネットワークも魅力的だ。
例に挙げたような美しいCGを、「自分でも作ってみたいが何から手を付ければいいかわからない」という方には、デジハリ・オンラインスクールの3DCGクリエイター講座(2017年8月開講予定)がおすすめ。インターネットに接続されたパソコンさえあれば、どこにいても始められる本講座は、実際に同社の新人教育にも導入されていて、わかりやすさはもちろん、作って楽しいモチーフの数々に受講生の評判も上々とのこと。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年に向けて、総務省は4Kまたは8K放送の普及に向けて取り組みを始めています。その中で、効率的なディティールアップを担える3DCGクリエイター人材の果たすべき役割は多く、必然的に多くの人材が必要になります。このまたとない節目を逃がす手はありません。少しでも興味を持たれたなら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。