Vol.3 独立することは本当に幸せなのかもう一度考えてみよう

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自分にとっての「重要事項」は何か?

38歳でサラリーマンをやめてフリーランスとして独立してから2年が過ぎました。ありがたいことに色々なご縁やご紹介のおかげで様々な仕事に携わらせていただいて(いまのところ)無事に生活はできています(笑)

「独立してよかったか」と聞かれたとしたら全力で「独立してよかった!」と胸を張って答えることができます。ただこれはあくまでも「自分にとってよかった」という話であって、万人におすすめできることではありません。

というのも、一見すると「自由を手にいれた」ように見えるかもしれませんが、会社に守られているわけではないので、「将来に対する不安」は常に抱えながら生きていくことになります。会社にいると色んな制約があるかもしれないですがこの「会社に守られている」という感覚はとてつもない安心感であるというのを離れてみたからこそ改めて分かりました。

振り返れば会社勤めをしている時は基本、就業時間が終われば仕事のことは忘れて自由な時間になるし、休みの日は仕事のことを忘れて遊びに行ったりもできました。いまはおそらく四六時中仕事のことを考えているし、半年後の仕事がまだ決まっていないと不安にさいなまれることもありますし、あまり長期の休暇などもほとんど取っていない状態です。

ただそれでも「独立してよかった」と言えるのは自分にとっての「重要事項」が明確だったからです。

僕が仕事で「重要事項」としていたのは「外の世界をもっと見たい」「仕事において成長を感じていたい」ということでした。独立した以上、全ての「選択権」は自分にあります。誰とどういう仕事をするのか全て決めることができます。またいくらでも時間を割いてスキルアップしようが全て自由です。ただその選択の全てに「自己責任」がつきまといます。

ちなみに僕が独立してから出会った人気フリーランスクリエイターについて書いたブログ記事「売れっ子フリーランスに共通する10項目」も是非ご参照くださいませ
http://movie-for-life.com/archives/3826

どの「リスク」を自分が取るのか明確にする

会社勤め、フリーランス両方経験して分かったことは仕事をするということは結局「どのリスクを取るのか」ということなんだと思う。ネガティブな書き方をすると、会社勤めだと「拘束時間」だったり、フリーランスだと「将来への不安」どっちを選んでも何かしらのリスクは取らざるを得ない。強いて言うならどっちのリスクを取る方がいいのかというのを明確にしておいた方が良いでしょう。

独立しようかどうか迷っている方におすすめする3つのチェック項目

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さて、このように書いてきましたがいざ決断するのは勇気がいるものです。
そこで独立する前にいまいちど自分が向いているかどうかの3つのチェック項目を書いていきます。

■チェック1、そのことが好きで好きでしょうがないか自分に問いかける

僕の場合、映像を作るのが大好きで仕事が立て込んだあとのリラックスをするために遊びに行った時でもカメラを回して映像を作ってしまうくらい映像作りが大好きでした。これはすごい大事なことで好きであれば上達するために時間も労力も厭わないのでどんどんスキルを上げていくことができます。逆にスキルを上げることを苦労だと捉えるのであればそれを武器に独立することはあまりおすすめできません。

■チェックその2、自分に向いているかどうか「とにかくやってみる」

実はサラリーマン時代に一度WEBサイトを制作するパソコンスクールに入学したことがあります。その時はまだ映像を本格的にやっていない頃で「何か腕にスキルが欲しいな」と思って入学したのですが、これが全く向いていませんでした(笑)
多分人間には向き、不向きがあるのでしょう。これはもう努力とかそういう次元の話ではなく、上記の「好きかそうでないか」ということなので、まだ何をやりたいか分からない方は一旦「とにかくやってみる」というのがおすすめです。

ちょっと宣伝ぽくなってしまいますが、サラリーマンを辞めるタイミングでデジタルハリウッドさんの「夢急募」企画に当選させていただきました。(リンク)そこでデジハリオンラインスクールを受講させていただく機会をいただき改めて映像についての勉強をさせていただきました。一つのカリキュラムが細かく設定されて値段も手頃なのでおすすめです。まだやりたいことが明確でないという方は一旦やってみて、自分が「のめり込めそうかどうか」ということを体感してみてはいかがでしょうか。

■チェックその3、市場における「自分のマーケット価値」を理解する

クリエイティブなことで独立するとしたら自分のアウトプット(映像や写真やイラスト)がどのような「ニーズがあるのか」ということを理解しておく必要があります。アーティストを目指すのであれば話は別ですが、ビジネスである以上、誰かの「ニーズがある」または「何かの解決策につながっている」ということが求められます。ただ映像が作れる、イラストが描けるというだけでは仕事を依頼することは難しいので、こういう問題を解決するためにこういう手法で表現するというプロセスも含めて自分が説明できるかどうかがすごく大事になってくると思います。

そういう意味においても、WEB上で自分のポートフォリオを発表することはとても大事です。市場のフィードバックを受けることで自分が置かれているポジションをある程度把握できると思います。全然足りないということが分かってショックを受けることもあるかもしれないですし、逆に意外とニーズがあってもしかしたらそこから仕事につながることがあるかもしれません。いずれにしても「自分のマーケット価値」=「何を生み出すことができるのか」ということを把握せずにビジネスという大海に飛び込むのはあまりにも危険です。逆にどういう層に必要とされているのかということが分かれば、営業をする上でも無駄な労力をかけずに効率的に自分を必要としている相手に売り込むことが可能です。

WEB上で自分のポートフォリオを出すのに抵抗があるのは分かります。僕自身もYouTubeにアップをした動画にマイナス評価がついたらちょっとヘコみます(笑)。ただ、そのマイナス評価よりも生活費がない方がもっとマイナスなので、独立して路頭に迷う前に「自分のマーケット価値」を把握しておくことをおすすめいたします。

期待に応えて変化し続けること

3回に分けて「フリーランス実録ドキュメンタリー」ということで書いてきましたが、実は7月に法人登記をいたしました。

会社名は「Groovoost株式会社」という会社です。これはサラリーマン時代に通っていたパソコンスクールで出会った代表の森本圭と始めた会社です。どういう会社かと言うとWEBプロモーションと動画コンテンツを組み合わせたWEBプロモーションを請け負う会社です。
http://www.groovoost.com

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映像制作は大体が受注で納品したらそれで完了になるのですが、自分がブログやSNSでトータルでプロモーションをしているように、動画コンテンツは「成長させて活用するもの」ということがありました。ただ制作をしているとそれだけで手一杯になるということで、はがゆい思いをしていたことが始まりでした。

「完成したらそれで終わり」ではなく「完成させてからどう成長させるのか」ということにもっと関わるための新しい船出です。

すでにいくつかのプロジェクトが進行しつつあって、自分一人で商談打ち合わせに行ったら映像制作の話だけで終わっていたところが、二人で行くことでプロモーションの話につながったりと、さらに依頼主の期待に応えるための力が二倍になっていると実感します。

ある意味フリーランスは「芸能界」と似ている気がします。例えば一発ギャグで一世を風靡したとしても1年後には「あの人はいま」状態になっていることがほとんどです。例えば司会業に転向したり、グルメリポーターとして頑張ってみたりニーズに応えるために変化することが生き続ける上では必要なのかもしません。

会社を辞めた時には2年後に会社を設立するということは想像もしてなかったですが、こういう変化も含めて楽しめるところが独立することの醍醐味だったりもします。

大きな流れで人生を考えていく

3回に分けて書いてきました「フリーランス実録ドキュメンタリー」記事ですが、振り返って書くといまのところうまくいっているように見えますがそれはあくまでも「過去のある瞬間」を切り取ったにすぎません。もしかしたら3年後に大失敗をするかもしれませんし、その逆もあるかもしれません。要するにどの時点を切り取るかによって受け取り方はいくらでも変わるということです。

挑戦を続けていたら成功もあれば、失敗もあるでしょう。ただ大事なことはそのことに一喜一憂するのではなく、自分の決断に責任を持って「楽しい人生だった」と最後に言えればそれで良いかと思います。

独立する、しないに関わらずこの記事が自分の人生を考える上で少しでも考えるきっかけにつながれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

【過去の投稿】
Vol.1 サラリーマンを辞めて独立するまでの道のり

Vol.2 サラリーマンを辞めて独立するまでに準備した3つのこと

デジハリ・オンラインスクールのオススメ講座
フリーランス・パーフェクトプラン

独立・フリーランスを目指す方向けのフルセット講座

 


著者プロフィール

matsumoto

松本 敦(マツモト アツシ)

1976年生まれ 千葉県育ち
大学卒業ののち、2000年に一般メーカーに就職。
趣味で始めた動画制作に夢中になったことがきっかけで
2014年フリーランス動画クリエイターとして独立。

企業プロモーションをはじめ、地域活性動画や
スポーツイベントなど制作の種類は多岐に渡る。
2016年WEBプロモーションと動画コンテンツ制作を
軸にした「Groovoost株式会社」を設立。

GoPro認定の「GoProファミリー」メンバーでもある。

ブログ:http://movie-for-life.com/
Groovoost株式会社:http://www.groovoost.com/