最近、「VR」を使ったコンテンツが注目を浴びています。VRとは「Virtual Reality(仮想現実)」の略で、実際には存在しない仮想の世界にもかかわらず、まるでその場にいるかのような感覚を体感できる技術です。
VRに関連した技術の1つとして、「パノラマVR」が挙げられます。頭に「ヘッドマウントディスプレイ」と呼ばれるゴーグルを装着するものが一番イメージしやすいものでしょう。ゴーグルの中がディスプレイになっていて、そこに映像が映し出されるタイプです。また、スマートフォンやタブレットの機能を使って気軽に体感できるものも増えています。
今回はパノラマVRのコンテンツ制作に必要な機材を見ていきます。
パノラマVRとは
パノラマVRは「360度パノラマムービー」と呼ばれることもあります。普通の写真や動画では決められた範囲しか見ることができませんが、パノラマVRは自分を中心に、左右・上下・前後にいたるまですべての範囲を見ることができます。
ゴーグルを装着して頭を動かせば、ゴーグル内の風景が頭の動きに合わせて移動するため、まるで実際にその場に立って見ているような感覚を味わうことができます。一瞬でエジプトの砂漠や空に浮かぶ月の月面に立っている気分を味わうことができるのです。
スマートフォンやタブレットのGPS機能を利用して、自分の動きや向いている方向に合わせて映像を動かすこともできるため、映画の中の街を散歩することも可能です。
パノラマVRコンテンツ制作に必要な機材
パノラマVRのコンテンツは通常のパノラマ写真の制作方法とは異なります。パノラマVRを制作するためには専用の機材が必要です。
カメラ(レンズ)
パノラマVRのコンテンツを制作するためには、まず、パノラマVR化したい場所を360度にわたって撮影した写真や動画を用意します。これは天井、地面、前後、左右、余すところなく撮影したものを合成して1つのコンテンツにするためです。
したがって、パノラマVRコンテンツの制作には専用のカメラとレンズが必要になります。180度以上の広角レンズをつけたカメラを複数台組み合わせて360度撮影を一度に行うことが一般的です。たくさんのカメラが円形に集まっている様子を思い浮かべると良いでしょう。
この360度撮影が可能なカメラは、非常に高価で誰でも気軽に購入できるものではありません。本格的なプロ仕様のカメラの場合、数十万円~数百万円もします。ただし、高いクオリティーを求めなければ、スマートフォンを使ってパノラマVRが制作できる無料アプリや安価な専用カメラを利用する方法もあります。
ソフトウェア
カメラの他にも専用の編集ソフトが必要です。基本的にパノラマVRコンテンツの制作には、撮影した写真を360度のパノラマコンテンツにつなぎ合わせる「スティッチ」と呼ばれる作業が必要です。
スティッチを行うためのソフトウェアは、さまざまな会社から販売されていますが、決して安いものではありません。よく考えた上で使いやすいものや欲しい機能がついているものを選択しましょう。
まとめ
VRはゲームコンテンツでよく使われますが、最近では医療や教育、ロボット工学など、多方面で利用されるようになっています。
特に仮想現実を身近に体感できるパノラマVRは、不動産の物件紹介やホテル、観光地の案内などで活用されています。不動産の物件を見学することができなくても、パノラマVRで事前に下見ができればとても便利です。また、最近では映画のキャンペーンで、映画のワンシーンや世界観を体感できるコンテンツが話題になっています。
これからパノラマVRの世界へ足を踏み入れてみたいと思っている方は、スマートフォンの無料アプリや安価な専用カメラを使ってコンテンツ制作に取り組んでみてはいかがでしょうか。