Mayaは、3dsMaxと並ぶ人気の3DCGソフトウェアで、多くの3Dモデラーやアニメーターが活用しています。また、MayaはWindowsでしか使えない3dsMaxとは違い、macOSでも使用することができます。今回は、これからアニメーション制作の世界へ飛び込みたい!という方へ向けて、Mayaを使ってキャラクターを動かすための基礎知識をまとめました。

 

👉これから3DCGデザイナーを目指す方へ

 

3DCGモーションとは?

3DCGの世界において、ゲームキャラクターなどの動きをモーションといいます。

一般的には、3Dモデラーが制作した3Dのキャラクターに、3Dアニメーター(モーションデザイナーやCGアニメーター)が動きをつけます。いかに自然なモーションにして、キャラクターに説得力を持たせるかがポイントのため、アニメーターのスキルはもちろんMayaなどの3DCGソフトウェアが活用されているのです。

 

キャラクターを動かすための機能

次に、Mayaを使ってキャラクターにモーションをつける、基本的な3つの機能についてお伝えします。

 

【1】フレームレート

フレームレートとは、1秒間に構成される静止画(フレーム)のコマ数を表す値です。fps(frame per second;フレーム/秒)という単位が使われており、1秒間に30枚のコマを使用する動画なら、30 fpsと表します。フレームレートの値は、アニメーションを作る媒体ごとにある程度決まっているため、あらかじめ設定してから制作に取り掛かると良いでしょう。具体的には、日本のテレビは30fps、フィルム・映画は24fps、ゲームは60fpsとされています。

 

【2】キーフレーム

キーフレームとは、アニメーションの元になるキャラクターのポージングのことです。時間軸に合わせてキーフレームを設定し再生すると、キャラクターが動くアニメーションになります。ちなみに、キーとキーの間の動きは補間されるため、ある程度スムーズな動きが実現するでしょう。

最初にキーフレームを作るときは、パラパラ漫画をイメージしながら取り掛かると良いでしょう。そして再生で動きを確認し、グラフエディタでアニメーションの動作をより具体的に編集していきます。

【3】リギング

動きのなかったキャラクターに、ポージングやアニメーションを直感的な感覚でつけられるようにするのがリギングとよばれる工程です。

 

先ほどお伝えしたキーフレームは、時間軸に沿ってキャラクターのモーションを設定しますが、その途中の細かい動きをコントロールしやすくする設定です。例えば、ゴムボールが弾むシーンを想像してください。ボールが地面に着地するとつぶれたり、弾む瞬間に上に伸びたりするでしょう。そのような細かい動きをつけるときに使用します。

 

キャラクターをリギングする方法は、自分ですべてにリグをつける「カスタムリグ」か、Mayaに入っている「HumanIKリグ」を使用します。「HumanIKリグ」は、あらかじめ動きを組み込んだ人型のリグを使って作業を行うことができます。このため歩く動作などをキャラクターに簡単に設定することができるのです。

 

まとめ

今回は、Mayaの3DCGモーションを使ってキャラクターを動かすための基礎知識をご紹介しました。キャラクターに動作をつけるには、フレームレートで再生の設定を行い、キーフレームで時間軸に沿うポージングをつけ、リギングでキャラクターの細かい動きをコントロールしやすくし、最終的にグラフエディタでより自然な動きになるように調整することが分かりました。これからアニメーション制作業界へ一歩踏み出したい方は、Mayaを使ったキャラクターへのモーションのつけ方を習得し、自分自身のスキルアップにつなげてください。