映画などを制作する際には、撮影だけでなくその前後の準備や編集も重要な仕事の1つです。映像を1つ完成させるには、非常に多くの技術スタッフの手による作業が行われます。

ここでは映像制作にまつわる、プリプロダクション・ポストプロダクション・映像フローについて解説します。

映像制作の仕事の種類や仕事の流れについてはこちらをあわせてどうぞ
映像制作の仕事がしたい!映像関係の仕事にはどんな種類がある?

映像制作の流れは?企画・コンテ・撮影・編集のワークフロー

 

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プリプロダクションとは?

プリプロダクションとは
プリプロダクションとは、映画などの撮影に入る前に行う準備作業全体のことを指します。

具体的には、企画・構成・脚本や絵コンテを完成・キャストやスタッフの決定・美術作成・全体のスケジューリング・ロケハンなどです。プリプロには、撮影そのものは含まれていません。

例えば、制作会社に発注があったときからすでにプリプロはスタートしています。この準備段階での質の高さにより、できあがる映画などの質は大きく左右されるといっても過言ではありません。

ポストプロダクションとは?

ポストプロダクションとは
ポストプロダクションとは、撮影した映像を編集したり音楽・効果音・ナレーションを入れたりする撮影後の作業のことです。具体的には、音調整・色調整・納品形式への書き出しなどもポストプロダクションに含まれています。

また、ポストプロダクションは、「仮編集」「本編集」の2つに分けられます。仮編集はオフライン編集とも呼ばれ、簡単な機材を使って映像を組み立てる編集のことです。一方、本編集はオンライン編集とも呼ばれ、スタジオを使って編集を行う本番の編集を指します。

現在では個人でソフトウェアやシステムを手軽に組むことができるようになったため、上映用映画であっても、個人宅で編集を行い、最後だけスタジオに持ち込んで作業を行うという形もとられるようになってきました。

映像制作フローはどんな感じ?

映像制作フローを大まかに解説すると、プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクションの順で流れていきます。プリプロダクションの段階では、企画・構成・シナリオ作成、プロダクションの段階では撮影・録音・素材制作、ポストプロダクションの段階では編集を行うのです。

さらに細かい内容を見ていきましょう。まず、企画依頼を受けるとプリプロが始まり、打ち合わせを行います。予算とスケジュールの作成を行い、同時にシナリオハンティングをして構成・シナリオ作成に入ります。シナリオ・予算・スケジュールが提出されたらチェックをし、キャスティング・スタッフ構成を進めながらシナリオに基づいたロケーションハンティングを行います。そして、それぞれの内容に基づいて再び予算とスケジュールの修正を行うのです。ここからはプロダクションの過程になり、撮影や二次元三次元CG素材の制作を行います。

撮影と制作が終わったら次はポストプロダクションです。現像、カラコレ(テレシネ)の色調整作業、編集へと進められます。編集段階ではME(ミュージックエフェクト)・SE(サウンドエフェクト)の制作や、選曲・作曲を行い、ナレーターを決定してアフレコが行われます。さらにノイズ除去、意図的に行う演出などが加えられたら原版が完成です。

できあがった原版はプリントされる他、エンコードで圧縮と暗号化を行い、DVDやWebに載せられる形にします。これでポストプロダクションの過程は終了し、作品の完成です。

映像制作フローを見ると、企画依頼から映像の完成まではとてもたくさんの工程と人の手を経てできあがることがわかります。しかし、内容や規模によってはこれらの過程をほとんど1人で行うことも不可能ではありません。

 

まとめ

映像を制作するためには、プリプロダクションからポストプロダクションまで、あらゆる過程を経て完成させることが必要です。この映像制作フローの流れを把握し、制作がスムーズに進むようスケジュールを組むことができれば、進行しやすくなるでしょう。そのためには、幅広い知識や技術が不可欠です。さらに、多くの人の手を借りて完成させる場合は、コミュニケーション能力も欠かせません。このように映像制作に携わる際は、さまざまなスキルが必要となります。