最近のCMや映画には、現実で撮影できないような難しい表現を取り入れた映像が多く見られます。スポーツカーの艶めく車体や、グラマラスな美女の長く美しい髪など、いずれも本物と見間違うかのようなリアルな質感です。アニメやゲームといったフィクションの世界でも感動的な映像に、現実ではないと分かりながらも思わず感情移入してしまいます。

このような素晴らしい映像の裏側で活躍しているのが、高い映像技術を持つ3DCGクリエイターです。

そこで今回は、映像の世界で欠かせない存在になっている、3DCGクリエイターの仕事内容と年収についてご紹介します。

👉これから3DCGクリエイターを目指す方へ

 

関連:

未経験から3DCGデザイナーになるための方法

3DCGデザイナーは独学でもなれるの?勉強方法を紹介

 

3DCGクリエイターとは?

3DCG
コンピュータを使って図形や絵を描くことを「CG」(コンピュータグラフィックス)と言います。CGにはイラストや製図などの平面的な作業を行う「2DCG」と、物体の形状やカメラの位置、光の強さなどの情報を入力して立体的な造形を作った「3DCG」とがあります。これらのうち、後者を制作する仕事が3DCGクリエイターです。

 

3DCGクリエイターになるには?

3DCGクリエイターになるには資格などは不要です。自分の実力を知るという目的で、CG-ARTS協会のCGクリエイター検定を受けてみるのもいいですが、3DCGクリエイターにとって必須のものではありません。

効率よくスキルを身につけるためには、自宅で受講できるオンライン講座もおすすめです。仕事が忙しく決まった時間の通学が難しい方も、地方にお住まいで3DCGついて専門的に学べる学校が近くにない方も、実際に動画を見ながらプロのテクニックを学ぶことができます。学習に必要な3DCGソフトは、学生版であれば無料で利用ができることが多いため、学生であることを上手に利用しましょう。

 

デジハリ・オンラインスクール「3DCGベーシック講座」の詳細はこちら

https://online.dhw.co.jp/course/3dcg/

※業界でもよく利用されているソフト「Autodesk Maya」の技術を習得できます。

 

本当に必要なことは、仕事の道具となる3DCG制作ソフトの使い方を習得することと、自分のスキルレベルを示すための作品を作ることです。

3DCGクリエイターは、非常にクリエイティブな仕事です。出された指示に従って、3DCG制作ソフトを用いて、ただ立体を作ればいいといった単純な作業を行うものではありません。本物そっくりに映像を作るためには、質感1つにもこだわり、「本物がどういうものなのか」「どうすればよりリアルに見えるのか」を追求することが重要です。そのためには、さまざまなことを知っておく必要があり、中でも役に立つのがデッサン力や立体造形力といったスキルです。また、3DCGクリエイターになるには映画やゲーム、アニメーションに対する知識もあると良いでしょう。

 

3DCGクリエイターの仕事内容とは

3DCGクリエイターはテレビやゲーム、映画、アニメーションなど映像に関わる場で幅広く活躍しています。以前は実写では難しい部分をカバーするといった利用が主だった3DCGですが、近年は、全編3DCGで作られた長編アニメーション映画が人気になるなど、3DCGをメインとするものも増えてきています。どのような仕事に携わる場合も多少の違いはあるものの、作業の流れについてはほぼ同じです。

まず、デザイナーが作成した設計に合わせて個々の立体を形作る「モデリング」を行います。この段階では、ポリゴンと呼ばれる多角形がそのままむき出しの状態です。より本物らしさを出すために、「質感・テクスチャ設定」で作成した立体の表面を整えます。

そして続く「ライティング」の工程で、いかに立体を自然に見せるかを考えながら光の強さや向きを調整していきます。

最後に、「レンダリング」で実際にどう映るかをコンピュータに計算させ、リアルな質感を持つ画像として出力できたら完成です。

 

3DCGクリエイターの年収はどれくらい?

年収
3DCGクリエイターはどのような働き方をするかによって、年収にも幅が見られます。

経験年数やCG制作技術の熟練度、所属する組織にもよりますが、一般的に会社に就職した場合、年収は300万円から500万円ほどになることが多いようです。残業や休日出勤など労働時間が長くなる傾向にあり、時間単価で見ると3DCGクリエイターの仕事でこの年収というのは、割に合わないと感じる方もいるかもしれません。

一方、持ち前のスキルを生かして、フリーランスとして独立したケースでは、1,000万円以上の年収となる3DCGクリエイターもいるようです。ある程度経験を積んだ後、3DCG制作の仕事の腕に自信があるなら、このような働き方を考えてみるのも良いでしょう。

 

まとめ

今回は、映像の世界で欠かせない存在になっている、3DCGクリエイターの仕事内容と年収についてご紹介しました。3DCGクリエイターになるには、高度な技術やさまざまな知識を必要とします。その上、スケジュールが不規則で、柔軟に対応できる必要があるので、3DCGが本当に好きで、やりがいを感じられる方でないと続けていくのは難しいかもしれません。

しかし、今後も需要が拡大すると思われる分野なので、きちんとスキルを身につけることができれば、3DCGクリエイターには高い年収も期待できます。