Webサイトの制作を通じて、世の中の課題を解決するWebデザイナーのお仕事。
インターネットが普及し、今後ますます需要が高まると考えられる職業ですが、いったいどのような仕事内容で、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
解説していきます。
Webデザイナーとは?どんな仕事内容?
Webデザイナーとは、その名の通り、Webサイトをデザインする人のこと。企業や個人のクライアントの依頼を受けてWebサイトを制作することで対価を得る職業です。
デザインと聞くと、グラフィックデザイナーのように絵や図を描く職業を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、それはWebデザイナーの仕事の一部であり、Webデザイナーはもう少しWebサイト構築におけるテクニカルな要素を担う仕事です。
具体的には、クライアントや自社内の要望を聞いた上で、見やすく使いやすいWebデザインを考えて画像やテキストを実装します。企業によっても異なりますが、デザイン提案から入るものもあれば、コーディングや実装面をメインで担当することもあります。HTMLやCSSの知識、最適なフォント選びや画像のレイアウト、色味など総合的なデザイン力やユーザー目線での設計が求められます。
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それでは、実際にWebデザイナーがどのような仕事をしているのかを仕事のフローにならって紹介していきたいと思います。
Webサイト制作の7つのステップとデザイナーの役割
Webサイトを制作していく上で、基本的なステップをまとめると以下です。
- クライアントへのヒアリング
- リサーチ
- サイトのコンセプトや方針決定
- サイトマップ、ワイヤーフレーム作成
- モックアップ作成
- コーディング
- テスト、リリース
まずはクライアントへのヒアリングやインタビューやアンケートを通じた市場調査、サイトのコンセプトや制作においての方針を決定します。
そして、実際、サイト構造や各ページのイメージを作成して、コーディングを進め、テストを経てリリースに至るといった流れです。
Webサイト制作の重要な工程:コーディングとは?
デザインツールで素敵なWebデザインを作っても、それを実際のWebサイトにするには「コーディング」という作業が必要です。これは、PhotoshopやFigmaで作ったデザインを、HTMLやCSSという言語を使ってブラウザで表示できる形に変換する作業です。
最近は「ノーコード」というツールも増えていますが、コーディングの知識があると、デザインの自由度が格段に上がります。例えば、Webサイトのアニメーション付与や、スクロールに合わせた動きなど、オリジナリティのある演出が可能になります。
また、フロントエンドエンジニアとの協力も多いWebデザインの現場では、コーディングの基礎知識があることで、実現可能なデザインの提案や、スムーズなコミュニケーションができるようになります。デザインもコーディングもできる「コーディングデザイナー」は、特に求人ニーズの高いスキルセットと言えるでしょう。
チーム制作における4つのWebデザイナーの重要ポジション
Webデザインの現場には4つの主要なポジションがあります。
- UIデザイナー:サイトの見た目や使い勝手を設計する専門家です。Figmaなどのツールを使い、画面のデザインを担当します。
- コーディングデザイナー:デザインに加えてHTMLとCSSでの実装もできる実践的な職種。デザインを忠実に再現する技術力が求められます。
- アートディレクター:プロジェクト全体のビジュアルの方向性を決める立場で、ブランドの世界観づくりを指揮します。
- UXデザイナー:ユーザー体験を設計する専門職。データ分析やユーザー調査をもとに、使いやすいサイト作りを実現します。
これらのポジションは、会社の規模やプロジェクトによって役割が重なることも多いです。複数の役割を担うこともあれば、一定規模の企業であれば分業されることもあります。
Web担当者との3つの大きな違い:デザイン専門性の重要性
Web担当者はWebサイトを更新したり企業ブログやプレスリリースの発信をすることがメインの業務であり、WebデザイナーはWebデザインがメインの業務となります。
特に規模の小さい事業会社などでは役割が重複することもありますが、以下のような大きな違いがあります。
1つ目は「デザインツールの使い方」です。Web担当者は更新作業が中心なので、WordPressなどの基本的な操作で十分です。一方、Webデザイナーは、PhotoshopやFigmaなどのプロツールを使いこなし、オリジナルのデザインを生み出せる技術が必須になります。
2つ目は「視覚的なこだわり」。Web担当者は情報を正確に掲載することが主な仕事ですが、Webデザイナーは色使いや余白、文字の大きさなど、見た目の細部まで徹底的にこだわります。
3つ目は「専門的な提案力」です。Web担当者は既存のデザインの中で更新作業を行いますが、Webデザイナーは、ブランドイメージに合わせた新しいデザインを提案したり、ユーザー目線での改善点を見つけたりする力が求められます。
Web担当者であっても、Webデザインのスキルを習得していると、毎回修正依頼をデザイナーに依頼するのではなく自分で修正できるなど、現場で重宝されることは多いです。一方でWebデザイナーであってもWeb担当者のような更新や情報発信の業務の勘所がわかっておくと、キャリアが広がりやすいでしょう。
Webデザイナーに求められるスキル・能力・知識とは?
それでは、Webデザイナーにはどのようなスキルが求められるのか解説します。
基本のスキル
- デザインの基本
- 企画の提案
- コンセプト設計
- HTML/CSS
- WordPress構築スキル
- Illustrator/PhotoshopなどのAdobe系スキル
- サイトデザイン
- コーディング
- Webサイト運用(フロントエンド開発)」
Webデザイナーは専門職です。まずは基本的なデザインの基礎が必要で、その上で企画から運用までの幅広いスキルが求められます。
HTMLやCSSなどのコーディングのために欠かせないスキル、最も使用されることが多いWordPressの構築に関するスキル、デザインをする上では欠かせないIllustratorやPhotoshop、Dreamweaverなどのスキルはマストで必要でしょう。
いずれも、納品物のクオリティを左右し、Webサイトをローンチした後のトラフィックや購買などに大きな影響を与えます。
クライアントから「前のサイトのほうがよかった」なんて言われるがないように、スキルアップのための継続学習をしておきましょう。
必須テクニカルスキル:7つのデザインツールと3つのコーディング言語
Webデザイナーに必要な技術を、現場で使うツールと言語に分けて紹介します。
■デザインツール
- 画面設計の基本となる「Figma」
- 画像編集の定番「Photoshop」
- ロゴや図版作成の「Illustrator」
- 写真の色調整用「Lightroom」
- コーディング用「Dreamweaver」
- プロトタイプ作成「Adobe XD」
- 簡易なアイキャッチ作成に便利「Canva」
■コーディング言語
- Webサイトの土台となる「HTML」
- 見た目を整える「CSS」
- 動きをつける「JavaScript」
これら全てを一度に習得する必要はありません。多くのデザイナーは、まずFigmaとPhotoshopとIllustrator、それにHTMLとCSSの基礎から始めています。
特にHTMLとCSSは確実に押さえておきましょう。JavaScriptは基本的な文法を理解してから、実務を通して少しずつ習得していくのが一般的です。案件の種類に応じて、必要なツールや言語のスキルを徐々に広げていけばOKです。
能力
- プロジェクト管理能力
- クライアントの意図を汲み取る能力
- ステークホルダーとの調整力
- 「納品」の先の「成果」を見据えるマーケティング的視点
Webデザイナーだから、Webデザインだけしていたらいいというわけではありません。
発注者である、クライアントの求めているものを確実に理解し、あらゆるステークホルダーと連携しながらプロジェクトを進めていく高度なコミュニケーション能力が求められます。
Web制作会社からすると、ついつい「納品」がゴールになりがちですが、クライアントとしては、その後の運用を見越した課題解決がしたいので、先々を見据えていかに成果を出すかを考えたコミュニケーションが重要になります。
知識
- デザインの基礎知識
- UIUXの知識
- 色彩についての知識
- 最新のコーディングやCMSについての知識
- プロジェクトマネジメントの知識
- Illustrator/PhotoshopなどのAdobeソフトの最新アップデートについての知識
- Webについての基礎知識
Webとデザイン、その両方についての基礎知識は欠かせません。Webデザイナーはただ手を動かすだけでなく、最新のWebの流れやユーザーの置かれている状況を考察し、最適なアウトプットを考える仕事です。ですから、常に学び続けて、情報をキャッチアップし続ける習慣が当たり前に必要となります。
経験を積んでこそ、基礎知識が重要となるので、アグレッシブに知識習得をしていきましょう。
スキル、能力、知識、そのいずれかが欠けていると、Webデザイナーという仕事は成立しません。
Webデザイナーは、抽象度の高いイメージを具体化し、実際に形に落とし込む仕事です。入念な「すり合わせ力」と、社内外の関連する人たちを「巻き込む力」の両方が必要となります。
難易度が高い仕事ではありますが、その分、やりがいがある仕事ともいえるでしょう。
Webデザイナーのためのツールとソフトウェア
現場で活躍するWebデザイナーが使う主要なツールをご紹介します。
デザイン作成 「Figma」(基本無料)
最新のUIデザインツールで、チームでの共同編集が可能。デザインカンプからプロトタイプまで作れます。無料プランでも個人学習には十分です。スタートアップ企業での採用率が高いのが特徴です。
画像編集 「Adobe Photoshop」(有料)
写真加工やバナー作成に欠かせないツール。サブスク形式で利用でき、業界標準として使われています。
コーディング作業 「Visual Studio Code」(無料)
プログラミング入力に便利なエディタ。HTMLやCSSの補完機能が優秀で、作業効率が格段に上がります。
開発環境 「XAMPP」(無料)
ローカル環境で開発できるツール。WordPressなどのCMSを手元で確認しながら作業できます。
検証作業 「Chrome DevTools」(無料)
Googleブラウザ標準の開発ツール。スマホ表示の確認やコードの動作チェックに使います。
最初は無料ツールから始めて、仕事で必要になったタイミングで有料ツールを検討するのがおすすめです。
デザインツールの比較:Adobe vs Figma
デザインツールとしてよく比較されることが多い「Adobe」と Figma」を比較してみます。結論、それぞれの長所短所があるので、使い分けがポイントです。両方を使うデザイナーが多いです。
Adobe製品の特徴
【長所】
- 画像加工やイラスト作成の自由度が高い
- 印刷物にも対応した色調整が可能
- 長年の実績による安定性と豊富な機能
- テンプレートやプラグインが充実
【短所】
- 月額料金が高め
- ファイル共有や共同編集が面倒
- 動作が重くなることも
Figmaの特徴
【長所】
- ブラウザで動くため場所を選ばない
- リアルタイムの共同編集が可能
- 無料プランが使いやすい
- バージョン管理が簡単
- コンポーネント機能が優秀
【短所】
- 画像編集機能は基本的
- オフライン作業に制限あり
使い分けのコツ
Webデザインがメインなら、まずFigmaから始めるのがおすすめ。チームでの作業も多いWeb制作には、Figmaの共同編集機能が便利です。
バナーやチラシなど画像加工が多い仕事では、Adobe製品が必須になってきます。実務では、FigmaとAdobeを組み合わせて使うのが一般的です。
Webデザイナーになるには?未経験でもなれる?
続いて、未経験からWebデザイナーになりたい!と思う人がどうすればWebデザイナーになれるかをパターンごとに解説します。
大きくわけて、Webデザイナーになるには「新卒採用」「独学で勉強してからの就職」「Webデザインスクール(専門学校)からの就職」といったパターンが主流です。
学生であれば新卒採用枠で未経験からデザイナーデビュー、という流れもあるでしょう。しかし、全く経験がないのにいきなりデザイナーになるのには一定のハードルがあるため、自分なりの経験値を積んでおくのは非常に重要です。
独学でデザインを学習するのは、「言うは易く行うは難し」といえるでしょう。独学はプロフェッショナルからのフィードバックが受けにくかったり、モチベーションが続かなかったりで離脱する人が多いです。
Webデザインスクールからの就職であれば、費用はかかるものの、プロフェッショナルからの指導を受けてから就職支援まで受けられるというメリットがあります。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で学習していきましょう。
Webデザイナーに学歴・実務経験:意外と低いハードル
学歴や実務経験がどの程度問われるかは、求人要件によります。大手デザイン会社や広告代理店であれば四大卒が条件に入っていることも多いですが、中小企業であれば未経験可の求人もあります。実務経験については、中途採用であれば基本的に問われる傾向があります。一方で中途採用であれば実力が伴えば学歴は新卒採用ほどは問われません。
「未経験可」と書かれていても、結局ある程度のデザインに近い実務経験や、個人での活動などを見られることになります。Webデザイナーになりたいなら、「なりたい!」とドアを叩くだけでなく、自分なりの努力とポートフォリオを用意しておくとよいでしょう。
Webデザイナーの1日のスケジュール例
Web制作会社で務めるよくあるWebデザイナーの働き方のスケジュール例をまとめます。
9:30 出社、チーム内の情報共有
10:00 プロジェクトリーダーと方向性確認
10:30 クライアントサイトのデザイン制作
12:00 ランチタイム
13:00 クライアントミーティング
14:30 社内デザインレビュー
15:30 コーディング、ディレクターと調整
17:30 作業まとめ、進捗報告
19:00 帰宅
特徴としては、多職種と協働する機会が多く、コミュニケーション力が磨ける点や、大規模プロジェクトの進め方が学べる点にあります。
複数社の案件が同時並行で進むことが多いため、企業ごとで前提が異なったり、スケジュールや予算も異なるので、高いプロジェクトマネジメント力が求められます。
企業所属のWebデザイナーの1日
続いて、事業会社所属のWebデザイナーの1日のスケジュール例をまとめます。
9:00-10:00 メールチェック、1日の作業確認
10:00-12:00 メインプロジェクトのデザイン作業
12:00-13:00 先輩デザイナーとランチ
13:00-15:00 社内デザイナーと合同レビュー
15:00-16:00 コーディング作業、技術部署と連携
16:00-17:00 次の案件の資料読み込みやドキュメント作成
19:00 帰宅
特徴としては、基礎から実践まで、体系的に学べる環境である点です。先輩社員からのフィードバックも多く、着実なスキルアップが可能です。また、企業規模にもよりますがWeb制作会社よりも営業やマーケティング部門など多くの社内ステークホルダーと関わりながら働けるため「ただ制作する」だけでない事業観点を学べます。
フリーランスWebデザイナーの1日
続いて、企業には所属しないフリーランスWebデザイナーの1日についてまとめます。
8:00 自宅で作業開始、スケジュール確認
9:00 カフェに移動、集中デザイン作業
11:00 オンラインMTG、新規案件の相談
12:30 気分転換を兼ねた昼食
13:30 得意分野のコーディング作業
15:00 次回プロジェクトの企画書作成
16:30 営業活動、見積もり作成
18:00 経理作業、請求書作成
特徴としては、時間や場所の制約が少なく、好きな案件に携われます。ただし、デザイン以外の業務も多く、経費精算や自分の仕事の営業・プロモーション活動なども必要になってきます。
また、企業所属と異なり、自分の代わりがいないことが多いので、いざという時に調整できる関係性をプロジェクトメンバーとしておく必要があります。
Webデザイナーに向いている人はどんな人?
Webデザイナーに向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか。以下のような特徴が複数当てはまる人はWebデザイナー向けだと言えるかもしれません。
- 細部までこだわりがある
- イラストやプログラミングが好き
- 効率的に物事を進めるのが好き
- 人当たりがよく、対人コミュニケーションに強い
- 工数管理やプロジェクトマネジメントが得意
- 抽象的な物事を具体に落とし込むのが得意
- インターネットが好き
Webデザイナーと聞くと、「クリエーターっぽく、絵やプログラミングが得意な人向け」という印象を持つ方が多いかもしれません。たしかにそういった一面も強くありますが、実際は対人コミュニケーションが問われる仕事なので、ヒト・モノ・コトをしっかりと理解した上で「推進」していく能力も求められることを知っておきましょう。
Webデザイナーのスキルを身につけるメリット
続いて、Webデザイナーとしてスキルアップすることでどのようなメリットがあるのかを少し広めの視点から解説していきます。
基本的にWebデザインは自己表現やアートではなく、課題解決を目的としたものです。Webサイト制作一つとっても、クライアントの情報発信やブランディング上の課題を解決するための方法の一つとして実施される施策となります。
クライアントが目的としているWebサイトへの集客力アップや問い合わせ増加のために、どのようなビジュアルやサイト構造がいいのかを徹底して考え抜くことで、クリエイティブ領域での課題解決ができる能力が身についていきます。もちろん案件にもよりますが、Webサイト制作一つとっても、さまざまなステークホルダーが関わります。丁寧に目的から整理して、課題を特定し、一つひとつをクリエイティブの視点から解決していきましょう。
また、細部へのこだわりを考え抜く癖がつくことで、ロジカルシンキングを身につけることもできます。AI時代、新しいツールの登場によってこれまでのWebデザイナーとは違ったスキルが求められるようになるでしょう。基本的なデザインを基軸とした課題解決のための思考は、AIが登場しても代替しにくいものです。より人間の感覚に近いもの、ゼロから1を生み出すような思考などはロジカルシンキングと感性によって生み出されます。
Webデザイナーのポートフォリオ作成のコツ
Webデザイナーのポートフォリオを作成する際のコツは、自分のスキルや個性を効果的にアピールすることです。
まず、掲載する作品を厳選し、ただ見せるだけでなく、制作意図や解決した課題、成果をできるだけ具体的に説明すると説得力が増します。
特に、ユーザー体験や成果が数字で表れるプロジェクトがあると評価が高まります。また、デザインだけでなく、レスポンシブ対応やSEOを考慮した技術的なスキルもアピールポイントです。
また、ポートフォリオサイトはあなたのアウトプットの一つです。ポートフォリオサイトそのもののデザインにもこだわり、見やすく整理された構成にすることが重要です。
最後に、継続的に更新し、新しいプロジェクトを追加することで、成長を感じさせるポートフォリオに仕上げましょう。
ポートフォリオに掲載すべき5つの要素
ポートフォリオに掲載する上でおさえておきたい5つの要素をご紹介します。
自己紹介
名前や経歴、得意分野、スキルを簡潔にまとめます。あなたの人柄や強みが伝わる一文を添えると印象が良くなります。
代表的な制作実績
各作品の背景や目的、担当範囲、使用ツールを具体的に記載します。例えば「サイト訪問者が20%増加」といった成果を加えると効果的です。
スキル一覧
HTML、CSS、JavaScriptなどの技術スキルや、Photoshop、Figmaなどのツール経験をリスト形式で整理しましょう。
連絡先
メールアドレスやSNSを記載し、採用担当者がすぐに連絡を取れるようにします。
更新性
ブログや最近のプロジェクトを追加し、現在も活動中であることをアピールします。
あると強みになる検定試験・認定資格
Webデザイナーになるには、資格は必要ありません。
しかし、Webデザイナーのスキルセットはなかなか対外的に示しにくいという事情もあってか、検定や資格も多く存在しています。
とくにフリーランスの方など、Webデザイナーとしての箔をつけたい人はチャレンジしてみるのをオススメします。
ウェブデザイン技能検定
Webデザインに関する資格にはさまざまな種類がありますが、Webデザイナーを目指している方にまずおすすめしたい資格が「ウェブデザイン技能検定」です。ウェブデザイン技能検定は国家資格であり、検定試験に合格すれば「技能士」を名乗ることができます。
試験は1級・2級・3級の3つのレベルが用意され、2級と3級が年4回の実施、1級は学科と実技が別の日程で年1回の実施です。
3級は業務でWebデザインに携わっている方でなくとも、公式テキストなどを参照しながら要領よく勉強をすれば合格する可能性があります。公式サイトによると合格率は60~70%です。
3級を取得したら2級にチャレンジしましょう。HTML・CSSの基礎知識とコーディングの経験があれば、スムーズに理解できるはずです。Adobe社のPhotoshopを使ってWebサイトを作ったことがある方は、2級の合格を目指しても良いでしょう。合格率は40~50%です。
難易度は国家資格だけあり、他の民間資格よりも高いです。
Web検定(Webデザイナー)
「Web検」の通称で知られるWeb検定の「Webデザイナー」試験は、これからWebデザイナーを目指す学生、社会人の方やWebデザインの知識を職務上必要とする方を主な対象としています。Webに関わるのはホームページのメンテナンス程度という方にもおすすめです。
試験はCBT方式(コンピューターによる解答方式)で実施され、月曜から日曜までの毎日、J-Testingテストセンター(全国約200会場)または、プロメトリックのテストセンター(全国約200会場)にて受験可能です。
勉強方法としては、公式テキスト・問題集が発売されているので、そちらを購入して勉強するとよいでしょう。
難易度は、高すぎないレベルです。
その他の資格は以下の記事をご覧ください。
【初心者Webデザイナー向け】Webデザインに役立つ資格7選
Webデザイナーの就業先・労働条件
Webデザイナーの就業先にはいくつかパターンがあります。
- Web制作会社やWeb系広告代理店:クライアント向けにWebデザインを提供するため、多くのプロジェクトが同時進行することが多いです
- ソフトウェア会社やIT系企業:自社サービスのWeb制作が求められるので、深い知見や社内との関係構築が求められます。
- メディア運営企業:自社の運営するメディアやポータルサイトのWebデザイン。広めの対応力と深いユーザー理解が求められます。
- その他事業会社:いわゆるWeb系なんでも屋的な動きを求められることが多いです。デザインだけでなく、マーケティング視点も重要です。
- フリーランス:案件獲得から納品まですべて自分で一通りできる必要があります。
あたりが主要な就業先です。クライアント向けにWebデザインをするのか、自社の事業のためにWebデザインを実施するのかという大きな違いはあります。
もちろん所属企業の状況にもよりますが、労働条件としては、Webデザイナーは常に納期や調整がある関係で、残業はある程度覚悟しておいた方がよいかもしれません。Webサイト制作という業務の特徴もあって、リモートワークは比較的取り入れやすい職種です。
これまでのWebデザイナーの仕事の流れの話とは少し変わりますが、Webデザイナーの中には副業として別の会社の仕事をしたり、フリーランスとして働く人も多いです。
Webデザイナーは在宅でも仕事がしやすかったり、ニーズも高いため、複数の勤務先を持ちやすい職種といえます。
勤める会社ではWebデザイナーとして働いていても、副業ではグラフィックデザイナーやWebデザインをしたあとのサイトの運用やWebマーケティングに携わるというケースもあるでしょう。このように、仕事内容も働き方も多様化しつつあります。
Webデザイナーの平均年収
Webデザイナーは20代後半から30代前半までの若い年齢層の人が多く、平均年収は300万円から400万円程度です。また、着実に実績を積み、Webデザイナーから上位職の「Webディレクター」や「Webプロデューサー」へステップアップできれば高い収入を見込むことができます。
なお、WebディレクターはWebサイト制作のプロジェクトメンバーに制作指示を出すポジション、Webプロデューサーはプロジェクトを統括するポジションです。
キャリアとしては、「①事業会社のインハウスデザイナー」「②Webデザイン会社でクライアント向けに働くデザイナー」「③独立したWebデザイナー」といったパターンがあります。
「①事業会社のインハウスデザイナー」「②Webデザイン会社でクライアント向けに働くデザイナー」の場合、一般的に、プレイヤーとして成果を出すか、マネジメントとして他のデザイナーたちを牽引することで昇給が見込まれます。
Webデザイナーは独立する人が多い職業でもあります。フリーランスや法人として独立すると、デザイン以外の契約書のやり取りなどの業務も担うことになりますし、会社員と違って自分でリスクを背負うことにもなりますが、その分、個人の名前で仕事ができたり、自分で値段をつけられたり、人気を博したら自分の好きな仕事のみをできるようになるなどの特徴もあります。
最近は本業をやりながら、個人で副業としてデザインの仕事をする人も増えてきているようです。
Webデザイナーは副業でもできるの?仕事を獲得する方法と収入の目安
Webデザイナーの将来性とキャリアアップ
インターネット広告にかける費用は年々増加しているという調査があります。Webプロモーションに費用をかける企業が増えているということであり、Webデザイナーの活躍の幅は増えています。
また、クラウドソーシングなどの浸透や、キャリア観の変化により、フリーランスや副業のWebデザイナーとして働く人も増えています。
すなわち、Webデザイナーとしての将来性は以前より感じやすい状況になってきているということ。一方で、Webデザイナー人口増加に伴い、スキルを持っていないと淘汰もされやすい状況になってきているとも言えるので、基礎スキルのアップと実践の数が明暗を分けるとも言えるでしょう。
Webデザイナーといっても、そのスキルは達人レベルから初心者までさまざまです。「講座を完了した」「スクールを卒業した」は、あくまでもスタート地点。そこで学んだことや過去の経験を元に、いかに仕事や案件を獲得するかはその人の努力次第です。
また、就職ニーズがあったとしても、自分が働きたいと思うような職場と出会えるかはまた別の話です。Webデザイナーはニーズが高まっているぶん、就職や転職市場では同じようなWebデザイナーのライバルもたくさんいる「レッドオーシャン」ともいえるでしょう。自分が入りたい会社に入ったり、望むような働き方を叶えるには、相応の努力と、実績を積む必要があります。
研鑽していきましょう。
技術を極める?マネジメント?Webデザイナーのキャリアパス例
Webデザイナーを目指すなら、デジハリ・オンラインスクール
Webデザインを効率的に学びたい方におすすめなのが、デジハリ・オンラインスクールです。
1994年の創業より多くのクリエイターを輩出してきた「デジタルハリウッド」が運営する、オンラインの講座。仕事や学校で忙しい人も、好きな時間や場所で学習できるのがポイントです。
特徴は学習者目線を追求した「学びやすさ」。本気でWebデザインを学びたい方は、ぜひ一度講座ページをチェックしてみてください。
業界への広いつながりを活かした就職や転職支援も実施しています。
まとめ
Webデザイナーについての仕事内容や将来性、必要スキルなどを解説してきました。
Webデザイナーは多くのスキルセットが求められる仕事ですが、その分、自分の手掛けたWebサイトが世の中やお客さんに評価されたときの喜びが大きい職業でもあります。
ぜひとも、あなたもWebデザイナーの道を歩んでみてはいかがでしょうか。