ディズニーやピクサーなどの海外CGアニメからドラゴンボールやスラムダンクの国産最新映画まで、多くの視聴者を魅了するCGアニメの世界。CGアニメはどんどん増えている印象がありますが、CG技術を活用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。また具体的にどのような流れで仕事を進めているのでしょうか。本稿では、CGアニメ制作における基本的な情報をまとめて解説します。

 

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CGアニメの特徴

CGアニメは従来のセル画などの手描きアニメと比較したときにどのような特徴があるのでしょうか。特徴をまとめていきます。

特徴1: リアルな映像表現

CGアニメは、高度な3Dモデリング技術によってキャラクターや背景をリアルに描写します。微細なディテールや質感を緻密に再現することで、臨場感ある映像を実現します。視聴者はまるで仮想世界に入り込んでいるかのような感覚を味わうことができます。セル画のアニメならではのあたたかみは人気ですが、CGアニメは迫力に強みがあります。

特徴2: 動きのリアリティ

物理法則をシミュレーションしてキャラクターや物体の動きをリアルに再現するため、アクションシーンや戦闘場面などが迫力あるものとなります。重力や摩擦などの影響を加味した動きは、従来の手描きアニメでは難しい表現であり、CG技術の強みと言えます。最近は映画館の大画面でCGアニメを観てその臨場感に驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。

特徴3: 環境の自在な制御

CGアニメでは、仮想的な背景や照明をコントロールすることができます。季節や天候、時間帯を自由に変更できるため、シーンごとに異なる雰囲気や表情を細やかに表現することができます。これにより、ストーリーテリングや演出の幅が広がり、よりクリエイターが表現したい映像を効率的に表現できます。

従来のアニメと比べたCGアニメのメリットとは?

メリット1: 効率的な制作

CGアニメは、デジタル環境で制作されるため、従来の手描きアニメに比べて制作プロセスが効率的です。背景やキャラクターの再利用、アニメーションの転用などが可能であり、制作スピードの向上が図られます。アニメーション業界では以前より手描きのクリエイター不足が大きな課題となってきました。そこで3DCGが人材不足対策として活用されるようになったのですが、当初は違和感のある表現が多く、視聴者からもCGは嫌われることも多かったです。しかし、最近では技術進歩に伴って、効率的かつ高いクオリティのCG表現が可能になってきました。

メリット2: コンスタントな表現

従来の手描きアニメでは、キャラクターや背景のデザインがエピソードごとに微妙に異なることがありますが、CGアニメでは一貫したデザインを保つことができます。キャラクターの外見や動きが安定しているため、アニメ全体の統一感が維持されます。良くも悪くもセルアニメの場合は、作画担当によってクオリティが異なり、中には「神作画」と言われることもあれば「作画崩壊」と呼ばれるようなシーンもありました。しかし、CGアニメの場合はこういったブレのようなものはなくなり、モデルを作れば一定のクオリティで表現ができるようになりました。

メリット3: リアルな演出

前述したように、CG技術を用いた特殊効果やカメラワークにより、リアルな映像演出が可能です。迫力のあるアクションシーンやダイナミックなカメラアングルが、視聴者に没入感ある視覚的体験を提供します。セルアニメの場合は、手描きならではの魅力はもちろんありますが、CGを活用することで効率的にリアリティのある演出ができるようになります。

 

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従来のアニメと比べたCGアニメのデメリットはある?

一方で、CGアニメの制作には高度な技術と知識が必要です。特に初期の段階では学習コストが高いため、十分な練習と学習が必要です。手描きからCGに移行して、一定のクオリティを出せるまでには労力がかかります。また、従来の手描きアニメに比べてアートスタイルに制約がある場合もあるなど、CG=万能というわけではありません。またセルアニメ好きの人からすると、CGというだけで嫌われてしまうこともまだまだあるようです。

CGアニメを作成する流れ

CGアニメの制作には端的にまとめると以下の流れがあります。実際はプロダクションや案件の規模によって前後したり、進め方が変わったりすることもありますが、基本的には以下のような流れです。

  1. アイデアやストーリーボードの作成:アニメのプロットやシーンの流れを構築し、ストーリーボードを作成します。
  2. キャラクターモデリングと背景デザイン:キャラクターや背景の3Dモデルを制作します。ディテールを緻密に設計し、キャラクターの見た目や世界観を決定します。
  3. アニメーションの制作と動きの付加:キャラクターに動きを付加し、アクションや感情を表現します。物理法則を考慮したリアルな動きを作り出します。
  4. シーンのライティングとレンダリング:光の設定や影の付け方を調整し、キャラクターや背景をリアルに描写します。レンダリングによって映像を生成します。
  5. 特殊効果や音声の追加:爆発エフェクトや炎、水の表現などの特殊効果を追加します。また、音声やBGMを組み込みます。
  6. 最終的な編集と仕上げ:各シーンを組み合わせてアニメーションを完成させ、編集を行います。最終的なタイトルや字幕、クレジットなどを追加して仕上げます。

CGアニメに携われる仕事・必要な知識とは?

仕事1: モデラー

モデラーは、キャラクターや物体の3Dモデルを制作する役割です。Mayaや3ds Maxなどの3Dモデリングソフトの知識とデザインセンスが求められます。

仕事2: アニメーター

アニメーターは、キャラクターやオブジェクトの動きを作成する役割です。アニメーションの原理やキャラクターの表情を理解し、リアルな動きを表現するスキルが必要です。ソフトをうまく扱う技術もそうですが、人体や物体の動きをよく理解して、自然に再現できるようにする技術が必要となる仕事です。

仕事3: ライティング・レンダリング

ライティング・レンダリング担当者は、光の設定や影の調整、質感の設定を行い、リアルな映像を生成します。質感はリアリティを出す上で非常に重要な要素。違和感のないような光や影、テクスチャの表現が求められます。

 

CG職種はバリエーションが多く、他にもさまざまな仕事が存在しています。

 

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最新のCG技術を学ぶにはいくつかパターンがありますが、その中でも代表的なものが「独学」と「スクール」です。独学はその名の通り、自分自身でカリキュラムを立ててコツコツ勉強していくこと。まずはソフトとPC、ネット環境を用意し、教本を購入したり、YouTubeの動画などを見たりして、学習を進めていきます。

独学の場合は、費用をおさえて学習しやすいのがメリットですが、一方で三日坊主になりやすかったり、学習を進めていく上で気軽に相談できるような相手がいなかったり、客観的なフィードバックが受けられないためモチベーションが続きにくいというデメリットがあります。

スクールの場合は、費用はかかりますが、より集中的にプロフェッショナルから技術を学ぶ方にはおすすめです。映像制作の現場を経験しているプロフェッショナルから、フィードバックを受けながら学習をしていく。同じように勉強する仲間ができたり、就職や転職活動の支援を受けられたりするなどのメリットもあります。

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まとめ

CGアニメは、リアルな表現や効率的な制作が可能であり、多彩な仕事が存在します。日本のアニメーション技術は、世界に誇れるものです。近年の鬼滅の刃や進撃の巨人、ドラゴンボール、ワンピースなどの世界的なヒットからもその価値がわかるでしょう。しっかりと学習して実績を積んでいけば、CGアニメのスタジオで就職し、世界に誇れるアニメを作ることもできます。CGアニメの世界はまだまだ発展途上。これからCGの世界に飛び込むあなたを応援しています!