VFX制作の現場で利用される3DCGツール「Houdini」とは?

3DCGツールのひとつ「Houdini(フーディニ)」をご存じですか?日本ではまだあまり有名ではないHoudiniですが、取り扱う制作会社が徐々に増えてきていることもあり、今後日本でも導入事例が増えるツールではないかといわれています。現状ではまだ導入が少ないぶん、人より先に学んでおけば思わぬアドバンテージが得られるかもしれません。

本記事では、Houdiniの特徴や概要をご説明します。

 

 

3DCGツール「Houdini」とは?

Houdiniは、日本よりも海外で有名な3DCGツールです。

ハリウッドでの実績が必ずといっていいほど引き合いに出されるほど、多くのハリウッド映画において、VFX(特殊視覚効果)制作の際にHoudiniが用いられています。

 

Houdiniの特徴

VFXの制作現場で重視される特徴には、以下のものがあります。

 

パーティクル生成機能

Houdini最大の特徴といわれるのが、このパーティクル生成機能です。

他のソフトよりも高度化されており、流体の作成時に大きな効果を発揮します。煙や蒸気、爆発などを作るにはピッタリです。

日本の映像作品でも、蒸気部分のエフェクトや、料理シーンの湯気のエフェクトにHoudiniが活用されました。

 

プロジェクションマッピング

今では多くのソフトでプロジェクションマッピングの作成が可能ですが、かつてはHoudiniを含めた少数のソフトしか対応していない時期がありました。

他のソフトの参入や実績も見られますが、先駆者として同分野については一日の長があります。活用してみると、セッティングの自由度などが違うことが分かるでしょう。

 

修正や管理が容易

エフェクトやシミュレーションには、複雑な計算が必要です。しかし、Houdiniはそういった計算を「ノード」という方法で管理しており、後で修正作業が発生しても比較的簡単に対応できます。

Houdiniはどんな3DCG制作に適している?

ハリウッドなど、映画の分野でHoudiniが使用されていることは先ほどご紹介しましたが、他にはどのような分野に向いているのでしょうか?

 

ゲーム用のCG

ゲーム分野においては、ゲームの爆発や煙などのエフェクトや、水などの流体を表現するために使用されることがあります。

 

現実に存在しない魔法など、ファンタジーな要素を表す際にもHoudiniは活躍します。

Houdiniはゲームエンジンとの連携も得意なため、ゲーム分野との相性はかなり高いといえるでしょう。

 

ものが壊れるシーンのCG

Houdiniは流体を上手に表現できます。

分かりやすく活かせるのが、ものが壊れるシーンです。岩が砕けながら落ちる、山が崩れる、窓が割れる、建物が爆発して四方に飛び散るなど、破壊が絡むシーンで真価が発揮されます。

 

 

リアルな動きが必要となるシーンのCG

Houdiniは、実写の中に組み込んだ際に、違和感のない動きをするエフェクトを作成することもできます。

先ほどの「ものが壊れるシーン」もリアルさが要求されるシーンのひとつです。

さらに、流体に強いという特徴を活かして「水滴が落ちる」「濁流が押し寄せる」「炎が動く」などのエフェクトをハイレベルなクオリティーで仕上げられます。

 

まとめ

Houdiniは日本においてはまだなじみがないツールかもしれません。しかし、Houdiniのエフェクト効果は高く評価されています。VFXの制作分野で働くのであれば、使えるようになっておくと強みになる3DCGツールといえるでしょう。

アニメ映画、実写映画、ゲーム、CMやミュージックビデオにまで、Houdiniの実績は日々増えています。興味がある方はぜひ学んでみてください。