3DCGを制作する上で、いかにキャラクターを違和感なく、魅力的に動かすかはとても重要です。あなたの大好きなゲームでキャラクターがいきいきと動いているのは、「リガー(リギングアーティスト)」と呼ばれる、キャラクターを動かす仕組みをつくる人たちの仕事によるものです。
今回の記事では、リガーの仕事内容や年収、仕事の流れなどを解説していきますので、これからCG・映像業界を目指す方は参考にしてください。
- CG・映像業界に興味がある
- リガーになるための方法を知りたい方
リガーの仕事内容
リガーとは、3DCGの映像やゲームを制作する過程で、「リギング」=キャラクターに動きをつける仕組みづくりをする職業を指します。
3Dモデラーが作ったキャラクターや背景、小物などを、アニメーターが動きをつけられるように、骨(ボーン)を加えるのがリガーの役割です。
リガーはキャラクターにジョイント付けをして、コントローラを設置し、モデルを動かせるようにします。
このリギングの仕事がいかに上手くできるかによって、キャラクターの動きにも大きな影響が表れるため、3DCG製作プロセスにおいて、かなり重要なパートと言えるでしょう。
使用するソフトとしては、世界的な3DCGソフトである「Maya」や「3ds Max」となります。
3D制作にはMayaと3ds Maxどちらを学ぶべきか?ソフト選びの基準は?
リガーに求められるスキル
クリエイターとして、専門的なソフトを使用するための技術はもちろん、表現を言語化してやりとりするための対人コミュニケーション能力もかなり重要となります。
リガーに必要な専門スキル
- Maya
- 3ds Max
- プログラミング言語(MEL,Python)
- 人間の骨格やモノの動き方についての理解
リガーに必要なビジネススキル
- モデラーやアニメーターとコミュニケーションをする上での言語化力
- ディレクターやPMとの調整力
- 細部までチェックする観察力
「神は細部に宿る」と言いますが、細やかな動きがクオリティを左右する領域において、いかになめらかにキャラクターを動かすかを考え抜く力は非常に重要です。
リガーに向いている人とそうでない人
リガーに向いている人は以下のような要素を持っている人と言えるでしょう。
- 細かいところまで目がいく人
- 観察力に優れ、常に人の動きに目が行く人
- 常にインプットを続ける勉強熱心な人
- 納期を守り、必要であれば調整できるコミュニケーション力のある人
クオリティとスピードのバランスはチームで一つの作品を作る上でたいへん重要です。
どちらかが欠けていても、良い作品は作れません。
リガーは精密さと高い専門性が求められる仕事。以下のような方はあまり向いていないかもしれません。
- 大雑把な人
- 反対にこだわりすぎて納期を守れず相手に迷惑をかけてしまう人
- 勉強が嫌いな人
- 映像作品やゲームへの愛がない人
リガーの年収
リガーの年収は、統計的にデータが出ているわけではありませんが、CGクリエイターの平均年収を参考にすると300万〜500万程度です。
主な就職先としては、ゲームや映像の制作会社となります。他のクリエイター職種と同様、大手のゲーム会社になると、収入は上がりやすくなります。
また、経験値を十分に積んだ人は、フリーランスや法人として独立し、高い年収を得ていることもよくあります。
リガーからキャリアを積んで、プロデューサーなどのマネジメント系キャリアを積むのと年収的には上がりやすい傾向があります。
リガーの求人の見つけ方
主な方法として以下が挙げられます。
- 求人サイトから見つける
- 転職エージェントと契約し、仕事を探す
- 知り合い経由で見つける
- 専門学校や大学による紹介
求人自体がすごく多い職業ではありませんが、基本的にどこも人で不足が続いているため、探してみるとどこかしらの求人は出ています。
しかし、自分にマッチする職業を見つけるためには、きちんと情報収集する必要があります。
「あの作品を作っている会社だ!」といった考え方も大事ですが、中長期で見て、働き方が激務すぎないかなど、待遇面もきちんと確認しておきましょう。
未経験から独学でリガーになれる?
リガーは新卒採用をしていることも少なく、基本的に中途入社することが多い職業です。
すなわち、ある程度の経験値がないと就職するのは難しいです。
たしかに独学から、教本を買って勉強をするのもよいですが、独学の場合以下のような点がネックとなります。
- 三日坊主になりがち
- 細かい不明点があったときに質問できない
- ネット上にも望んでいる情報が載っていないことが多い
- フィードバックがないため上達が遅い
- 共に応援しあえる仲間がいない、孤独感がある
ですから、初期費用はかかるものの、まずはスクールで勉強することを推奨します。
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