PlayStationやニンテンドースイッチ、スマートフォンやPC、あらゆるデバイスで私たちを楽しませるゲームの世界。
そんなゲームが、どのように開発されているかをあなたはご存知ですか?
本稿では、代表的なゲームエンジンである「Unity」の概要や、勉強方法についてを解説します。
Unityとは
Unityは、ユニティ・テクノロジーズ社が提供しているゲームエンジンです。Unityはもっとも有名なゲームエンジンの中のひとつとされており、100万人以上ものエンジニアが利用するともいわれています。
ゲームエンジンの中でも人気が高く、多くのRPGや位置情報ゲームがUnityによって作られています。また、近年大きな注目を集めるVR開発にも使用されています。
価格が比較的お手頃である点や直感的な操作ができるのも魅力。
もし、あなたがこれからゲーム開発を仕事にしてみたい!という気持ちがあるのであれば、Unityは身につけるのにオススメのスキルといえるでしょう。
Unityを未経験から学びたい!独学での勉強方法や年収を解説
ゲームエンジンとは何?
ゲームエンジンとは、3Dや2Dの描画、サウンド再生、データ管理、作成ツールなど「ゲームを開発するために必要な環境を備えたプラットフォーム」のこと。
ゲームエンジンを使えば、ゲーム開発者がゲームのコンテンツやルールに集中できるように、開発プロセスを効率化し、再利用可能なコンポーネントやシステムを提供することができます。また、ゲームエンジンがあることで、キャラクターや背景やサウンドなどゲーム開発に必要な素材を集めて、活かすことができます。すなわち、非常に複雑なゲーム開発を効率的にできるようにするためのアセットが揃っているツールということです。
代表的なゲームエンジンには、Unityの他にはUnreal Engine、CryEngine、Godot Engineなどがあり、大規模な商用ゲームからインディーゲームまで、さまざまなタイプのゲーム開発に利用されています。
ゲームエンジンが必要な理由は?
非常に複雑なゲーム開発を効率化できるため、ゲームエンジンはゲーム開発には欠かせません。ゲームエンジンは、再利用可能なコンポーネントやシステムを提供するため、同じエンジンを使用して複数のゲームを作成することができます。
また、拡張性が高く、必要なツールや機能があれば独自で追加することができるのも魅力です。そのほか、直感的に操作しやすいエディタの開発画面や、PC・スマホなどのクロスプラットフォーム開発に対応している点などもゲームエンジンならではの強みです。
特に大型ゲームの開発においては、ゲームエンジンはもはや不可欠なツールといえるでしょう。
Unityを活用するメリット
ここまではUnityのダウンロードからプロジェクト立ち上げまでを解説しましたが、少し話を変えて、数あるゲームエンジンの中でUnityにはどのような長所や利点があるのかを詳しく説明します。
Unityはマルチプラットフォームに対応している
Unityが選ばれる理由のひとつに「マルチプラットフォーム」対応している点が挙げられます。
WindowsやMacOS、LinuxmなどのOSに対応しており、他の開発者とも共同で開発できます。
ノーコードで開発できる
Unityはプログラミングをしなくても開発ができる点も魅力的です。
プログラミングコードがなくても、豊富なコンポーネントを組み合わせることでアプリ開発できます。
しかし、細やかな設定をするうえでは、プログラミングが必要になってくるので、個人使用ではなくプロのUnityエンジニアとして活躍したいのであればJava、C#、Booなどの言語を扱えるとよいでしょう。
基本的に無料で使用できる
前述したように、Unityは原則的に無料で使用できます。
企業版の場合は有料になりますが、個人でのアプリ開発は無料で豊富な機能を使用できます。
アセットストアを利用できる
Unityにはアセットストアという素材を販売するストアがあり、3Dモデル素材や画像素材を購入できます。
中には無料のアセットもあるので、こまめにチェックしてみるとよいでしょう。
新しい芸術作品の制作
Unityを使えば、光の表現やシェーダー、視覚効果の調整など、高度な表現を操作しやすいUIUXで開発できるため新しい芸術作品の開発にも向いています。アセットストアの素材の組み合わせもさまざまなバリエーションがあるため、創作意欲を刺激します。
XRによる将来性の幅広さ
今後、VRやARMYなどXR技術はますます世の中に浸透していくことが考えられます。開発者はUnityのエディタを使用すれば、VRやARの環境やインタラクションを容易に作成できるため、Unityは今後ますます将来性のあるサービスへと進化していくのではないでしょうか。
Unityの活用例と使用シーン
Unityは実際にどのように活用されているのかいくつか事例をご紹介します。
ゲーム開発
もっともわかりやすいゲーム開発の例です。Pokemon GO、Among Usなどの有名なゲームからインディーズゲームまで、幅広いソフトが作られています。
建築デザイン
Unityはゲーム業界にとどまらず、建築やアーキテクチャ、不動産などの領域でも積極的に使用されています。例えば、米国ニューヨークの「ハドソンヤードプロジェクト」では、Unityを使用して建築物の仮想モデルを作成し、設計者や関係者とのコミュニケーションを強化しています。このように、まだ形のないものをリアルなビジュアル化をして、イメージを固めたり、効率的なプロジェクト進行に役立てるケースも多いです。
医療現場
医療現場においては、手術のシミュレーションやトレーニングのためにUnityが活用されています。現実の患者を危険にさらさずに、誰でもトレーニングができるような技術として大きく役立っています。
Unityが採用された作品を紹介
Pokemon GO(Niantic,inc.)
UnityはVRやARを用いたゲーム制作においても広く活用されています。AR技術を取り入れた先駆け的作品である、スマートフォン向けアプリ「Pokemon GO」でもUnityは活用されています。
Pokemon GOでは、スマートフォンカメラをかざすことで、まるで目の前にポケモンが実在するかのように見えるAR体験が話題を呼び、大ヒット作品となりました。
大林組CPSプラットフォーム(株式会社大林組)
大林組では「生産性10倍を達成するイノベーション」を目指して、施工中の現場をサイバー空間に構築・再現する取り組みを推進しており、そのためのツールとしてUnityを活用しています。
建築の世界では実物が完成するまでのシミュレーションにおいて、Unityのような最新技術の活用が注目されています。
鳥取砂丘で月面探査を行う「月面極地探査実験A」(株式会社amulapo)
宇宙や月面を体験する手法として、Unityが活用されているユニークな事例です。宇宙空間の再現に夜の鳥取砂丘を活用し、Unityで構築されたARコンテンツをかけ合わせることで、まるで宇宙飛行士となって月面探査をするような体験ができるという宇宙体験コンテンツです。
Unityのダウンロード方法
出典:Unity
2021年5月時点での情報を紹介します。
まず、Unityのダウンロードページにアクセスします。
続いて、緑色のボタン「Unity を選択+ダウンロード」をクリック。
Unityは基本的に無料で使用できます。
「Student」「Personal」のいずれかを選択し、「登録」もしくは「はじめる」をクリックしてください。
どのプランがマッチしているかはこちらの「Unityプランのクイズ」をやってみて判断するとよいでしょう。
こちらのページで、新規ユーザー/リピートユーザー、それぞれにマッチしたボタンをクリックしましょう。
ボタンをクリックすると、利用規約が表示され、「同意してダウンロードする」をクリックすることでダウンロードできます。
続いて、インストール方法を紹介します。
Unityのインストール方法
Unityのダウンロードが完了したあとは、「UnityHubSetup.dmg」というファイルをクリックします。
↓
「Unity Hub」のアイコンをクリックします。
↓
Unityのダウンロード先フォルダを指定し、「INSTALL」をクリック。
↓
UnityのID登録画面より、メールアドレス、Email、Passwordを入力し、IDを登録します。
(FacebookやGoogleのIDからの登録も可能です)
↓
テンプレートを選択して、「CONTINUE」をクリック。
テンプレートはどれを選択してもよいです。
↓
「LAUNCH UNITY」をクリック・
インストールの工程は以上です。
Unityを日本語化する
まずは「Unity Hub」というUnityのバージョン管理ツールをダウンロードします。
↓
Unity Hubを立ち上げて、「Installs」タブをクリック。
↓
インストールされたUnity一覧から、日本語を追加したいバージョンを見つける。
↓
対象の「…」をクリックし、「モジュールを加える」をクリック。
↓
「日本語」をチェックして、「実行」。
↓
インストール後、Unityのプロジェクトを立ち上げる。
↓
Macの場合:Unity▶Preferences
Windowsの場合:Edit▶Preferences
↓
Languages画面をEnglishから「Japanese」に変更。
以上で日本語化が可能です。
実際にUnityで作ってみよう!
それでは、続いて実際にUnityでプロジェクトを作るプロセスを紹介します。
プロジェクトの新規作成
まずは、プロジェクトを新規作成します。
「ファイル」をクリックし、その中から「新しいプロジェクト」をクリックします。
プロジェクトの名称を決定し、格納するフォルダを決定し、2Dか3Dかを選択することで、新しいプロジェクトが立ち上がります。
Unityの「プロジェクト」とは?
上記で説明した「プロジェクト」とはどのような概念なのでしょうか。
Unityにおいては、あるゲームを作るうえでの一つのプロジェクト全体を指し、プロジェクトの中にそのゲームを構成するさまざまなデータが含まれます。
たとえば、サウンドデータやプログラムのソースコード、3Dオブジェクトデータなどです。
Unityの「シーン」とは?
Unityにおいてよく使われる用語のひとつに「シーン」があります。
シーンとは、その名のとおり、ゲーム内でのある画面や場面を指します。たとえば、タイトル画面、ゲームオーバー画面、スコア画面などです。
各シーンにおいて、関連したオブジェクトやデータを配置し、管理します。
Unityは初心者でも学びやすい
Unityはプログラミングやゲーム開発初心者にもオススメのスキルといわれています。
理由としては、プログラミング言語が使用できなくてもアプリ開発ができる、アンリアルエンジンなどのゲームエンジンと異なり、Web上にUnity関連の記事が多くある点、レベル別の教材が豊富に存在している点などが挙げられます。
また、無料ではじめられるため、「まずは個人で趣味程度に勉強してみるか」という方にとってもとっつきやすいのも初心者にとってはうれしいですね。
Unityを学ぶ方法とは?
いざUnityを学びたい!と考えたときに、具体的にどのような勉強方法があるのでしょうか。
主な方法として、「独学で本やWebサイトから学ぶ」パターンか、「オンライン講座でしっかり学ぶ」パターンの2つがあります。
それぞれのメリットデメリットを解説します。
独学で本やWebサイトで学ぶ
独学で学習する場合は、Unityの教本をベースにしながら、不明点はWebサイトで調べながら進めていくような学習方法になるでしょう。
独学のメリットとしては、自分のペースで学習カリキュラムを決めて勉強している点が挙げられます。
一方で、自分でペースを決められるぶん、ダラダラと勉強してしまったり、仕事やプライベートが忙しくなって三日坊主で離脱してしまう可能性があります。
また、開発を進めるうえでの細やかな疑問はWebで調べてもヒットしないこともあります。
また、他者からのフィードバックが受けられないことで、学習が非効率なものになるかもしれません。費用としては安く済むかもしれませんが、本気でゲーム開発を仕事にしたい人は独学よりも講座による学習をオススメします。
オンライン講座でしっかり短期間で学ぶ
初期費用はかかるものの、独学学習のデメリットを補完しているのが講座での学習です。
カリキュラムがプロフェッショナル監修のもとで開発されており、集中的に学習できるような内容となっています。
また、ゲーム業界の第一線で活躍する講師からのフィードバックが受けられたり、悩んだときに質問ができるというのも良い点といえるでしょう。
費用を払うことで、覚悟が決まって最後までやり抜いて、元を取るぞ!という気持ちも生まれるかもしれません。
コロナ禍によってテレワークが浸透したことで、外出しなくてもプロフェッショナル監修の教材でガッツリ学習できるオンライン講座のニーズはますます上がっています。
Unityをしっかり学ぶならデジハリ・オンラインスクール!
デジハリ・オンラインスクールは、1994年の創業以降、数多のクリエイターを輩出してきたデジタルハリウッドが運営するオンラインスクール。
Unityを学ぶ方が、いかに効率的に学習できるかを考えられたカリキュラムを提供しています。
「学びやすさ」だけでなく「続けやすさ」を意識した講座設計になっているのが特長といえるでしょう。
これから、本気でゲーム開発者を目指したい方は、ぜひとも一度講座内容をチェックしてみてください。
デジハリ・オンラインスクールでは、未来のゲームクリエイターを目指すあなたを全力で応援しています!
まとめ
本稿では、Unityの基本概要と活用事例、学習方法をまとめて紹介しました。Unityはゲームだけでなく、幅広い領域での活用が期待されています。ぜひあなたも活用してみてはいかがでしょうか。