サブカルチャーの発展によって、アニメやゲームのキャラクターをかたどったフィギュアが人気を呼んでいます。このフィギュアを製作する仕事が、「フィギュア原型師(造形師)」です。フィギュアが好きな人はもちろん、ものを作ることが好きな人にも注目されるこの仕事は、具体的にどのような働き方をするのか、また年収はどれくらいなのでしょうか。

 

フィギュア原型師(造形師)の就業形態・仕事内容

フィギュア原型師の就業形態・仕事
フィギュア原型師(造形師)は、フィギュアの製作会社に勤務している会社員の形態で働く人も多いですが、特に会社に所属せずフリーランスで仕事をしている人も一定数存在しています。

会社員の場合は、フィギュア製作会社の求人広告などを見て応募すれば原型師(造形師)になることができます。

フリーランスで働く場合は、自分のフィギュア作品を出品できるイベントなどで積極的に披露し、製作会社などのスカウトを受けることで仕事を得ることが一般的です。フリーランスは仕事を取るのが難しいため、最初は製作会社に入社して人脈を作って腕を磨き、それから独立することも1つの方法です。

フィギュア原型師(造形師)は、フィギュアを作る企画が固まった後に、その内容を実現するための最初の段階を担います。なお、大量生産されるフィギュアの原型を作る工程には2種類あります。

 

手原型

粘土やパテなどを使用して手作業で原型を作ります。手先の器用さが問われる作業です。

 

パソコン造形

パソコンを使って原型を作っていく作業です。近年では3Dプリンタによる原型製作も可能になっており、そのためのデータを作成する仕事も含まれます。

フィギュアの原型を作った後には色彩を決めるペイントマスターや仕上げを行うフィニッシャーといった人たちによってフィギュアが完成されますが、これらの仕事を原型師(造形師)が兼任することもあります。

 

フィギュア原型師(造形師)の年収はどれくらい?

フィギュア原型師(造形師)の年収
フィギュア原型師(造形師)の働き方は会社員とフリーランスに分かれますが、それぞれの年収には多少の違いがあるようです。

 

フリーランスは1体ごとの金額で決まる

フリーランスでフィギュア原型師(造形師)の仕事をする場合、製作するフィギュア1体についての金額で年収が左右されます。フィギュアの種類や大きさによりますが、例えば8分の1スケールで美少女フィギュアを作った場合、おおよそ1体20万円弱から30万円強あたりが相場となっているようです。

例えば、月に1体20万円のフィギュア原型を製作するとしたら、年収は240万円となります。もちろん、単価の高い仕事を受けたり、仕事量を増やしたりすればその分年収はアップするわけです。

 

会社員は一般的な企業と同様

一方、会社員の場合はフィギュア製作会社に入社して仕事をすることになりますから、年収はその会社の給与に準ずることになります。フィギュア製作会社での月給はおよそ20万円前後が相場です。月給がこのラインの場合は年収240万円程度となりますが、中途採用で経験や技術を重視される場合などは、その分が年収に上乗せされます。また、長く働き続けていれば昇給もありえるため、年収350万円~400万円くらいになることもあります。

 

フィギュア原型師(造形師)に求められるスキル

フィギュア原型師(造形師)に向いている人は、やはり手先の器用さ造形の能力がある人です。平面の形をどうすれば立体的に作ることができるか考える空間認識能力も求められます。また、企画側からの指示や修正に応えられる柔軟性も必要になるでしょう。決められた納期に仕事を終わらせられることも重要な条件です。根気強く細かな仕事を続けられ、決められた仕事をしっかりこなせる能力がフィギュア原型師(造形師)には求められます。

さらに、これからはデジタル造形での原型作りが主流となることが考えられるため、パソコンでの造形知識や技術に長けた人材も需要が高まるでしょう。

 

まとめ

フィギュアの人気が定着している中、フィギュア製作会社も徐々に増えており、フィギュア原型師(造形師)を求める会社も多くなっています。フリーランスの原型師(造形師)に注文する会社もある一方、会社員として原型師(造形師)を募集する動きはまだあまり活発ではないようです。ただし、これから求人が増加する可能性はあるため、まずはフィギュア製作会社への入社を目指すのがおすすめです。